プロローグ
プロローグ
ガガガガガ…!!!!
ガガガガガ…!!!!
轟音を上げる機内。
明かりは赤く、画面には見たこともない文字列が並ぶ。
「くそ…」
人ひとり入るのがやっとの空間。
画面を指で操作する男。
男は焦燥した顔で、汗が流れだしていた。
「これしかない」
指を動かすと画面が次々に遷移していく。
男は慣れた手つきでそれを操っていく。
「座標転送装置始動!!」
"座標をご指示ください。"
「どこでもいい!!とにかく遠くだ!!」
男は機械のアナウンスに対していい加減な返答をする。
"かしこまりました。"
だが、それに対して柔軟に答えていくアナウンス。
"これより座標転送を開始します。"
アナウンスが宣言をした瞬間。
ドドォォォオオオオオオ、という轟音とともに機内が大きく揺れた。
それは座標転送装置ではなく、何らかが外から危害を加えてきたもの。
「早くしてくれ!!」
男の腰、首、手首、足首に鋼鉄のベルトが固定される。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ、というエンジン音。
これは機体の音。
力を溜めていく機体。
それをさせないのが外からの攻撃。
ドォォォオオオオ、と機体が揺れる。
「早くだ!!」
"準備ができました。ご指示を"
「ワームホールジェット!!発射!!」
男が大きな声でそう叫ぶと、
機体の前方。
キラキラと光るエネルギーが一気に放出される。
光のようなエネルギーは瞬く間に空間を裂いた。
「マスターエンジン点火!!」
男はまたそう叫ぶと、
機体の後方から青白い光が放出された。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ボオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
機体は急激に速くなる。
男は為すすべもなく、転送が完了するのを待つ。