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テイマー・ヒロ


最近PVが0なのが四日連続で続いたのでこれは流石にまずいと感じて急いで投稿しちゃいましたw


前回ともしかしたら話が噛み合わないかもしれないですが、まぁ、そこは鼻で笑って許してくださいw



血だらけの体に女性の形をした炎が俺を包む。すると、傷が癒えてゆき、いつもの俺に戻る。その炎はとても優しくそして悲しく燃えている。


────君は……誰………?


俺が尋ねると、その炎は悲しい声で優しく囁いた。


『ごめんね。』


鼓膜に響く懐かしい声。一緒にいられたのは少しだけだった。でもいつだって俺たちを大事に抱いた彼女。

炎に包まれた俺は彼女を腕でギュッと包んだ。しかしその体が段々消えてゆく。そしてそれが赤い鳥の形に変わった。


────緋色の鳥


さっきとは裏腹に俺はマジマジとそれを見つめる。

大きさはワシと同じくらいで、黒い(くちばし)に赤い羽。胴体、それに瞳も同じく赤。神話に出てきそうなまでに、神々しい雰囲気を醸し出している。

俺はその雰囲気に呑まれ、本当に信用に値するものなのかどうかと判断していると、嘴がゆっくりと開き二人しかいない空間に響く。


『あぁー疲れた!!ったく、回復とか俺の分野じゃねぇーつーの』


さっきの女性とは全く別な猛禽類のような声。そのあまりにもイメージと違う声のせいで体の緊張の糸が解けて力も同様に抜ける。それでも俺は警戒心を除くことが出来ず少し後ろに後ずさった。すると直ぐに背中に何かがぶつかり、背筋が凍る。


────マズイ!!何かいる……


そう感じた俺は前方に飛ぼうとしたが、その鳥がいるのに気づき、斜め前に回避した。

それと同時に拳を構え、臨戦態勢に入る。しかし、そこに立っていたのは猫のように鋭く、蒼い瞳を持つ少年だった。

その瞳はいつも越えようと努力しても超えられない、俺にとって憧れと畏怖の象徴。それが殺気丸出しで俺を睨んでくる。


「あ、アル兄!?どうしてここにいるんだよ!!てか、ここ何処だよ!!」


叫ぶとさらに訝しげな目で俺を睨むが、直ぐに俺だとわかり少しだけ目から殺気が薄れる。


「分からない。でも、前に夢でこんな場所見たな」


そう。何日か前に暗くてモヤがはっている所で、球体に襲われる夢を俺も見た。でも、ここはモヤがあるのは同じだが、辺りが雪が降ったように白い。でも、何故かそこと同じような感覚を俺もアル兄同様に感じていた。


『『ここは選択の間。自分のテイマーにその力を与える場所だ』』


すると、前後から息ぴったりに声が響き、二人で辺りを見渡す。

初めから緋色の鳥が居たのは知っていたが、アル兄の方にも瑠璃色の鳥が浮いていた。

嘴とお腹は白く、その他は空の様に透き通った青。

俺はそちらの方へ歩いてゆくと、さっきの緋色の鳥より少し低めの声でゆっくりと話してくる。


『ヒロ、お前は俺のテイマーでは無い。お前は俺の半身、つまり緋色鳥(フェニクスのテイマーだ』


「自己紹介もせずに立ち去れなんて酷いじゃねーかルリ」


事務的に話されたので、ムッとなって名前を教えてくれないそいつを体の色をあだ名にした。


『……ルリ……………いや、俺の名前は瑠璃鳥(プディクス)だ』


────プディ……何だって?


「いいづらいからルリでいいよな?」


プディクスなんて早口言葉に使われそうな言葉毎回呼べるかよ。小声で十回言おうとしたけど、七回目で口が回らなくなった。

俺は話しているうちに妙な違和感を感じながらそう言ってルリに指を指した。


『仕方ないそれでいいだろう。だからお前はささっさとフェニクスの方へ行け』


少し口調が荒くなったルリが俺に命令する。俺はそれを右手で返事してフェニクス方向へと向かう。


『おい、随分と楽しそうだったなヒロ』


アル兄とルリの方を見て、今まで感じた違和感の理由が分かった。


「あぁ。なんかルリと話していると、アル兄と話しているような感じがするんだよ。だから話しやすい。それが周りからは仲良しに見えるのかな?」


それでも信用すると決めた訳では無い。と心の中で呟く。俺はそのフェニクスという名前の鳥の近くまで歩き、胡座をかく。


すると、空から純白の石版が降ってきて、俺とアル兄を隔てた。それに驚いて俺はその石版の方へ走っていった。

それはとても硬い石版で、奥にいるはずのアル兄の姿も見えない。


『安心しろ、殺すために落としたわけじゃない。ただ、こちらと向こう側を見聞きできなくさせただけだ』


「殺してはないんだな?怪我もないんだな?」


『あぁ。証拠を見せてやろう』


フェニクスが片方の羽を軽い動作で上にあげると、その石版がゆっくりと上がっていった。そこではアル兄がこちら側を横目で見てきた。


「ヒロ何か用か?」

無気力にそう答えてくる。それでも


────無事で良かった


ただ、この言葉だけが頭をぐるぐると回った。


「で、俺に何をさせる気なんだよ。悪いけどすぐ終わらしてくれないか?ソラが殺されちまうかもしれないんだ」


俺は軽くそいつを睨む。そう、早くしなければならない。ソラのため、セアのため、そして、道場院のために。だと、言うのにその鳥は大きく欠伸をしている。俺はカッとなって立ち上がるのと同時にそいつを全力で殴った。いや、殴ろうとした。なぜなら、俺の拳がそいつに触れた瞬間。鳥は形を炎に変えて空に舞った。そして、俺の右肩に着地すると面倒くさそうに話し始める。


『その点については問題ない。今こことあっちの世界は流れている世界が違う。』


────流れている世界が違う?


『お前はお前がいる世界が全てだと思うか?自分が生きている世界以外は存在しないと』


俺は疑いもせずに、あぁ。と応えた。俺は夢や希望など人の気持ち以外は、目に見えないものはどうにも信用出来ない。ましてや、違う世界なんて、見えるはずがないので、信用なんてこれっぽっちも出来ない。


『だがな、実際にそれは存在する。この世には五つの世界が存在する。まず第一世界は神々の世界。次に第二世界がお前達のいる、属性力がある世界。第三世界はその反対の世界、つまり属性力が無い世界。第四世界は一番緑豊かな世界でな、捕食者がいない世界。そして、最後の第五世界は無の世界。この五つだ。ちなみにここは第一世界、つまり神々の世界。そこの選択の間だ。そして、この世界達はみんな第一世界の中にある。つまり、第一世界が全てを制御することが出来る』


────何のことやらさっぱり分からん……


俺は首を傾げて考え込んでいると、俺の横でわざとらしい溜息をつきながら、フェニクスが話を続ける。


『つまり、この世には世界が五つあってその中で一番偉いのが第一世界。その世界はほかの世界を制御することが出来るので、一時的に止めることだって出来るんだ』


────な、なんとなく分かってきた、つまり……


「今俺達が本当にいる世界は止まっているってこと?」


『そういうこと』


でも、俺はやっぱり目に見えないものを信用することがどうしても出来ない。


「そんなこと信用できるか」


話が良すぎて俺は頭に血が上り、声を荒らげる。


「見えもしないものを信用して、ここから出て見たらあいつらが死んでたらどうするんだ!!」


すると、またフェニクスは全く重さを感じさせない動作で俺の肩から飛び、俺の目の前で静止する。


『さっきと同じ質問をするぞ。ヒロ、お前はこいつらをねじ伏せたいか?』


「あぁ」


俺はなんの躊躇もなくそう答えた。


「今はその話じゃなくて……」


フェニクスが俺の言葉を遮る。


『ならば俺と契約しろ、そうすればお前はあいつらを倒せるだけじゃない。炎属性のトップになって軍将や軍帥になるのだって夢じゃなくなるぞ』


「俺は地位のために力が欲しいんじゃない!!ふざけるな、俺は……」


叫んでいる最中にフェニクスの声がまた重なった。


『じゃあ、お前は何のために戦う?』


「……え……何のために……………?」


────俺は……


「俺は……」


地位のために?いや、違う。世界を救うため?違う。英雄になるため?違う。あいつらを守るため……?そうだ、あいつらを救うため?本当にそうか?俺は……




「────俺は自分のために戦う」


そう。俺は俺のために戦う。俺があいつらを守りたいと感じるこの気持ちも、唯の自己満足でしかない。でも、俺はこの感情と正直に向き合いたい。だからそのために力が欲しい。


『俺はお前のために力を与えることができる。欲しいならば契約しろ。まぁ、しなかったらそのまま死ぬだけだがな』


選択の余地がない。今になって俺はそれを自覚した。今思い出したが俺の置かれている状況は深刻なのだ。


「いいだろうフェニクス契約しよう。でも、条件がある。もしも元の世界に戻ったらあいつらが死んでいたら、この契約は解除する」


『あぁ。分かった。と言いたいけどな、一回解除してしまうと、その人間の体から属性力がすべて消え、一時間後にはそいつは消滅、つまり死ぬ。それでもいいか?』


────一時間後には死ぬ。


死にたくはない。臆病と言われてもこの気持ちだけは本当だ。でも、契約しなくても結局は死ぬ。それならばこいつにかけるしかない。


「分かった。どうすればいい?」


もしかしたら俺の顔は今真っ青なのかもしれない。でも、それは人間の正常な状態と信じながら返答を待つ。


『あ、あぁ。まさか、これを聞いて了解してくれるなんて思わなかった。でも、その前にテイマーには何か特別な武器や防具を与えることを約束されている。お前は何が欲しい?』


────欲しい物は剣?いや、それは自分で選びたい……じゃあなんだよ、俺が欲しいものってそれは……


「力が欲しい。あぁ、そうだ力、それが欲しい」


『力……?また、面倒臭いものを選んだな。お前達兄弟はどんな性格してるんだよ……まぁ、あいつの息子だから仕方ないか。いいだろうお前にはこの、《狂者の羽衣》を与えよう』


ボッと音がなり、俺は緋色の衣を羽織られる。それは重さを感じさせない不思議な羽織。でも、身体中に力が入ってくるのを全身で感じた。突然フェニクスが燃え始め今は唯の火の玉へと姿を変えた。


『────ここに契約は完了した。さぁ、ゆくぞ我がテイマーよ』


そう言ってフェニクスは俺の右肩に飛び込み、そこを真っ赤に焼いた。目眩がするほどの痛みがそこに飛んできて、見てみると緋色の鳥の翼を象った刺青が深々と刻まれていた。


「これが……」


『そう。絆咀(ばんそ)だ。テイマーとしてのそして、王としての印だ』


俺は絆咀を優しく撫でてから顔を引き締める。

この力を与えてくれたフェニクス(こいつ)を信じてみよう。俺はふとそう感じながら拳をギュッと握る。軽く爪が皮膚をくい込み掌が少しヒリヒリする。その感覚が俺は生きていると教えてくれる。


────もう、絶対に負けない。


あんな悔しい思いは一度きりで十分だ。フェニクスがまた刺青から現れて俺の右肩に乗る。

俺はこいつの頭を軽く撫でてやりながら深呼吸をする。


すると、俺とアル兄を隔てていた白亜の壁がまた上に上がってゆき、アル兄がこちらを覗いてくる。

よく見るとあちらはルリを閉まっているようだった。でもアル兄も俺と同じ場所に同じ模様の青い刺青が刻まれていた。


『さあ、ゆくぞ我がテイマーよ』


すると、視界が真っ赤変わる。目を閉じもう一度目を開くと、スパイクの入った靴が俺の顔めがけて落ちてきた。


「おぉ!!」


俺はそれを両手で抑える。そのまま横に放り投げた。

賊は何があったのかわからないと言うように悲鳴も忘れてそこに倒れた。


「本当に傷が治ってる」


俺は踏まれてぐちゃぐちゃになったはずの右手と蛮刀が刺さっていた筈の腹を見たが傷跡も残っていなかった。


「なんで、いきなり回復してるんだよ!!」


賊が腰からマチェットを小さくしたようなナイフを取り出し俺に向ける。俺は落ちていた自分の木剣を拾い、構えた。


『狂者の羽衣を使うか?』


フェニクスが俺に話しかけてくる。


「あぁ。頼む。」


すると、足まで伸びる緋色の羽織が俺を包む。


「て、テメェなんだそれ!!」


賊が片手を前に出し詠唱を始めた。


「リーヴ!!」


手からものすごい勢いで蔓が俺の手に絡み拘束する。でも、こんなの今の俺にとってみたら拘束にもならない。

俺は全力でその蔓を掴み横にハンマー投げのように振り回す。賊は体の抑えが効かなくなって体が浮き、クロカネオオスギに頭からぶつかり、そこから動かなくなった。

一瞬でその空間全てが凍りついた。賊たちが俺に勝てるはずないの感じたからだろう。でも、健気に誰一人としてそこから逃げる者はいなかった。

俺はニヤリと笑って剣を構える。


────そうだ、これが俺だ!!


その瞬間、我先にと賊たちが逃げていった。そいつらの後を追い木剣に炎を付着させ、賊たちを吹き飛ばす。木の幹を足場にアクロバットに次々となぎ倒していく。身体中から興奮が収まらない。賊たちは山を転げ落ちるように下山していく。俺はそれを追おうと思ったが、アル兄に止められた。そして、背後からソラが足を引きずりながら歩いてきた。

「ヒロー、アルーお疲れ様……なんでかいきなり2人とも強くなったね。特にヒロの動きなんて人間の動きじゃなかったよ。あれは豹だよ、豹。」

俺は咄嗟に狂者の羽衣を消した。すると、その反動か意識がスーッと遠ざかって行く感覚にかられ、それに抵抗出来ないまま俺はそこに倒れた。




自分でも思います。終わり方が雑すぎるって、そして、中二病過ぎるってw

いやぁー学校だといっつも本読んでる陰キャラなんで、まさかみんな頭の中でこんなことばっかり考えてるなんて誰も思わないんだろーなーと思いながら書きましたw

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