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最近いつもお久しぶりです、と言っている気がしますが……w
ようやく、ゴール地点が明確になってきました!
俺はいつからスレヴのことを好きになっていたのだろうか……俺はそう感じながら、走る馬車の窓から土砂降りの街並みを眺めた。そう、あいつが来たのもこんな天気だったっけ。
半年前。
「奴隷区解放戦で助けた少女なんだけど。うちで面倒見ることになったんだ。そうだね、アローンの専属メイドにしよう」
「父ちゃん、俺メイドなんていらねぇーよ」
だが、聞いてはくれなかった。貴族として、専属のメイドを所持しているのは当然と言われた。
「所持って、物みたいに言うなよな……」
その時から薄々と感じていたのかもしれない。俺の考えは貴族ではない、と。だって、メイドは何度見てもただの女性にしか見えなかった。平民も人間だ。それ以上でも、それ以下でもない。でも、プライドなのだろうか、彼らに平等に接しられるのだけは嫌だった。矛盾しているが、一方的な平等が俺にとっての平等だった。
「アローン様、なんなりとご命令下さい」
それは事務的な、本当に物と話しているみたいだった。それが嫌で沢山の話をした。
「これはブロム軍帥って言ってすっごいカッコイイんだぜ!剣1本で、竜を倒しちゃうんだもん。それだけじゃねぇ、イゾウっていう人切りも仲間にしちゃうんだ!」
「えぇ、そうなんですか」
「今日な新聞に書いてあったんだけど、ブロム軍帥がまた村を1つ救ったぞ!これで伝記の最新巻が発行されるな!」
「えぇ、そうなんですか」
どうにかして、彼女の目に光を灯らせたくて……
「ほら、ここの文章」
「申し訳ありません、私文字が読めないんです」
「そっか……じゃあ、俺がお前に文字を教えてやる 」
「それはメイドの仕事に入っていますか?」
事務的で、心を閉ざした彼女を。そんなお前を俺は、スレヴ……
2ヶ月前
「ある程度読み書き出来るようになったな!」
俺は彼女の頭を撫でようと手を伸ばす。しかし、
「キャッ」と言って俺の手を弾いた。
「も、申し訳ありません。殴られると思ってしまい……」
彼女が奴隷区にいたのは知っている。元々父ちゃんからそう教えられていたから。でも、このような反応されるのはやっぱり悲しかった。この2ヶ月間で少しは信頼関係が築けていると勘違いしていたから。
「やっぱりまだ怖いのか?」
彼女は小さく、コクリと頷く。恥ずかしさを押し殺して、俺は彼女の細いからだをギュッと抱きしめる。彼女は体をビクッと震わせたが俺はそれを続けた。
「大丈夫、大丈夫だ。怖いことなんてもう何にもない。あぁ、大丈夫だ」
背中を優しくさすってみる。すると、彼女は静かに泣き始めた。
「あれ、おかしいな……あれ?」
もう一度彼女の頭を撫でようと手を伸ばす。今度はそれを待っていたかにように、撫でられてくれた。その姿は捨て猫のようであった。
「スレヴ、話して欲しい。お前……スレヴがどんな人生を送ってきたのか、を」
俺は意を決して聞いてみた。彼女の心を抉ることは分かっている。これは人道的てはない、人間の恐怖は誰もが触れたくない。それは触る方も触られる方も傷つくだけだから。でも、知らない間に彼女の心を抉るよりはずっとマシだと思った。
「それはメイドの仕事に入って」
「入ってない」
俺は彼女の言葉を同じ言葉で遮った。それだけで俺の心はもうブレブレだった。これで良かったのか、彼女はどう感じているのか、その全てが今の俺には分からなかった。
「入っていない。俺はただ知りたいんだ、お前を……メイドのお前じゃない。スレヴ、お前を知りたい」
「私は……」
※※※
私は空っぽの酒樽の中に入れられ、ヘイド家を後にした。
「これで良かったの。これ以上私の醜い姿をアローン様達に見せるくらいなら、これで」
軽い手当てはしてもらったが、焼き爛れた皮膚は赤に染っていた。私は目を閉じると、これまでの苦悩の日々が脳裏に再生された。
2年前。
「ごめんね、ミナ。本当にごめんね……」
そう言って両親は私をこわい男に売った。男は私が売れるまで面倒を見てくれることとなった。
「3394、体が痒い洗え」
そう言って男は服を脱ぎ、胸に首から下げたネックレスだけ残し、全裸になる。その男の体臭は酷く息するのも大変だった。でも、嫌と言って拒否すれば一晩中殴られた。だから
「はい、ご主人様」
体中を洗ったら、触りたくもない所を触り、また触れられた。
「お前も脱げ、服が濡れたら嫌だろう?」
私は下着になった。それで彼は満足しなかった。目には気持ち悪いほどの欲望に満ちていた。
「裸になれ。聞こえないのか、裸だ、ハ・ダ・カ」
涙目になりながら、私はその下着も脱いだ。でも彼はそれも見逃さなかった。
「お前、俺の体を洗うのがそんなに嫌なのか?」
「違いま」
「す」という前に、骨が削れたのではないかと勘違いするほど強い力で殴られた。何度も、何度も。体は恐怖とともに犯されていった。
そのうち体からアザがない所を探すのが難しくなるほど痛め付けられていた。
私の寝床は牛舎だった。そこで友達は牛の友達が出来た。いや、その牛だけが友達だった。彼は私の体を優しく舐めてくれた。それが私の唯一の安心だった。
「ありがとう」
「モォォォォ〜」
私は彼の頭にキスをした。その子の名前を『ミノ』と名付けた。
───────ありがとう、明日も頑張るよ。
次の日も殴られた、その次の日は蹴られた。そしてあるときは体におかしな薬を射たれ、身体中おかしくなっていった。毎日が暴力で埋まっていく。逃げたい、怖い、逃げたい、怖い!このふたつの言葉が私の頭の中でぐるぐるとまわる。でも、ミノと居る時は私は私でいられた。
半年前。
「ほら、飯だ」
そう言って出された牛肉を見て目を白黒した。
「なんで、こんな高価なものを」
「たまにはな、いつも酷いことばかりしてしまっているからな」
その優しさが私にとっては恐怖でしかなかった。
牛舎に戻るとミノは顔だけになっていた。そして、頭を乗せているのは私がさっき食べた牛肉の皿……
私は腰から下の力が抜け、倒れ込んだ。
「いや、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
私は悲鳴を上げ、嘔吐した。自分はなんてものを食べてしまったのか……口の中のもの、胃の中のもの全てを出した。その中に自分の親友がいると思うと、悔しくて仕方なかった。
悲しみ?恨み?憎悪?もう何がなんだが分からない感情をツボの中に入れられて、ぐちゃぐちゃにして作った不味いスープを無理やり飲まされている気分だ。
「許さない」
私は酒を飲み頬を染めている男の元に行った。
「ご主人様、お話があります!」
「なんだ?」
「ミノは、牛舎の牛はどうし」
話している最中に彼は私の頭を一升瓶で殴った。
「うるせぇーな!お前が幸せ気取りであいつと暮らしているからだろが!お前に人間としての尊厳なんて微塵もないんだよ!それなのに、人間のように喜びやがって、幸せな顔しやがって!」
見られていた、私が幸せを感じてしまっていたからミノは殺された。次は私の番?殴られ、蹴られ
───────殺される……!
そう感じた私は必死で逃げた。裸足で走ったのでビンの破片が足の裏を食いこんだが、激痛に耐えながら走った。このままだとミノと同じ目にあう。そんなの、
「イヤァ、イヤダァ!」
「待てガキ!」
私は牛舎の中に隠れた。
コツン、コツン、と足音がする。ドクンドクンと足早に脳へと響く鼓動がうるさい。
「どこだー、殺しはしないから出てこいよー、殺しはしないからー」
彼が言っているのは本当だろううか。もしも、それが本当だとしても、それ以上のことがこの身に降りかかるのではないか、と考えてしまう。
牛舎から足音が消えた。
行った……?
私はそこにへたりこんだ。ミノの死顔を眺め涙を流した。私のせいで、私が……!
そのまま意識をもうろうとしながら、外へ出た。私の顔が誰かの背中に当たった。
「大丈夫か?」
それは雑に髪を切りそろえた騎士だった。黒髪に黒い瞳。腰には刀が1本差されていた。私はその足にすがりついた、例えそれがどのような選択であろうともうそれに縋るしか道がなかったのだ。
「助けて……」
「仕方ないな」
そう言って少し嬉しそうに、微笑むと葉巻を取り出し火をつける、そして
「ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」と鶏のように咳をする。小さな声で「まだ早かったか……」と言って葉巻をしまう。その席の音に誘われたのか、男が走ってくる。
「どこだァ!」
その目は怒りで血走っていた。手には血塗られた出刃包丁が握られていた。
対する騎士は自らの名を名乗りながら、刀を抜く
「俺はグラン帝国軍軍騎イゾウ、ちょいと仕事でな」
刀を抜刀する。その刃は墨で塗られたように漆黒に染められ、周囲の光をも吸い取っていった。
「人を斬りに来た。特にお前だ奴隷商人ゾル」
───────ゾル!?
それが私を殴り続けた男の名前だった。
「イゾウ?あぁ、ブロムの部下の1人か……そんな大玉が何の用だァ?」
ニタァ、と歯から唾を垂らしながら、ゾルは薄気味悪い笑みを見せる。イゾウと名乗る男性は、親指で自分の背後を指さした。すると、
「ほらよ」
次の瞬間、私の耳に届いたのは、轟音。肌を打ち付けたのは爆風だった。
奴隷区が攻撃を受けている……?
「グラン帝国は奴隷区を本気で潰す方針になった。本気でやっから覚悟しとけ」
「そっか……あーあ、終わったか。じゃあ、いいよ。それ、あげるよ。そ・れ」
そう言うとゾルはその場から逃げようとする。
「おい待て!そんなことすると本気でぶっ飛ばすぞ」
その言葉に何かおかしなことでもあったのか、体を捩らせながら気味悪く笑った。
「やれるもんならやってみな、アヒャャャャャャャ」
その言葉には耳を貸さず、イゾウさんは瞬時にゾルの背後に周り、刀で背中を突き刺す。しかし
「ざぁーんねぇーん」
口から黒い血を吐きながらゾルは再び薄気味悪い笑みを浮かべた。そして、その体はカードタワーが飛んでいくように、ボロボロと崩れていく。しかし、それはカードではなく、1匹1匹がどす黒いネズミだった。それら全てが私の方向に向かってくる。
「イヤァァァァァ!」と私が叫ぶのを防ぐようにネズミたちが私の体の穴という穴に無理やりに入ってくる。そして、体には何か刻まれる感覚のみが残る。
私はピクピクと体を震わせながら倒れた。
「くそ!本気かよ!」
私は糸人形の糸が切れた用にそこに倒れ込む。
「お前本気で許さねぇぞ」
私の体からネズミ達が出てくると、ゾルは人間の体に戻った。
「本気本気うるさいな、少しは黙ったらどうだ!」
「アヒャ!」と奇妙な笑いをしながら、出刃包丁がイゾウさんの首元を狙う。それを刀で弾き、背中を斬り捨てる。倒れたゾルの首をイゾウさんがギロチンのように再び斬る。
「痛いことしてくれるなぁ……」
再びゾルはネズミになった。そして今度は周囲に拡散し、背後からイゾウさんを狙う。しかし、それを背中に目であるかのように何も見ずに躱し、四肢を斬り飛ばす。
黒い血がそこにぶちまけられる。その血がまたネズミとなってイゾウさんを襲う。
「ったく、本気でどうなってるんだ」
不気味そうに刀を構えるイゾウさんに対して誰かが声をかける。
「どけ、イゾウ」
鋼のような声と共に、青い炎がその場を焼き尽くす。あっけなくゾルは姿を消し、代わりに出てきたのは、髪を一つに結った白髪の老騎士。
「なんだよ、ブロム。俺が本気で殺ろうと思ったのによ」
「お前はまずその言葉遣いから直せ!」
そう言ってイゾウさんの頭に拳骨を落とす。
「イッテェ!本気でイッテェ!」
イゾウさんの兜にヒビが入っていた。私は何が何だか分からなくなって、そこに倒れ込む。自分の足元を見ると、ネックレスが落ちていた。
「これは……」
あの人……ゾルのネックレス。もしもこれを触ったらあの辱めを思い出してしまうのではないか、と感じそのままにしておいた。
「やぁ、マダモアゼル!」
宿営地と言われたところに歩いていくと、長髪の男性が鼻のつく声で挨拶してくる。
「はい……?」
その人はいきなり私の方を両手でがっしりと掴んだ。
「うーむ、全く今日の太陽は泣いている。そうは思わないかね?ん?」
何この人……?
「えぇ、はい?」
「あぁ、ダメだ、ロマンスが足りない!全く足りない!マダモアゼル!君はなんて悲しき人間なんだ……もっと美しくならないと、そう、この」
スっと息を吸い込み……
「僕のようにね!」
自己主張が人間の域を超えている。
「ジョン、そんな大声出しては怖がってしまうだろう?」
そう、これがヘイド家の方々と出会いだった。その後自分が奴隷だったことを話しても顔色一つ変えることなく快く受け入れてくれた。
3週間前
「スレヴ、スレヴ!見てみろよこの新聞、ブロム軍帥がまた村を1つ救ったそうだぞ!今度は東のゼティー村っていうところらしい」
そこの新聞記事には彼が憧れている、老騎士の姿が書かれていた。そして、私の命の恩人でもある。
「えぇ、良かったですねアローン様」
私のご主人様は少年のような笑顔で頷く。それを見る度に胸の奥に矢が刺さる。
気づかなかった、こんな気持ち。彼は私に光をくれた。それは彼からするととても些細なことかもしれない。彼に文字を教わった、生き方を教わった。私だって生きていいんだって、自由なんだって。でも、この気持ちは表に出してはいけない、だって身分が違うのだから……
回想から目を覚ました。目尻は涙が溜まっていた。
「あの頃が一番幸せだったな、でも、これでいいの、これで……」
結局私の人生何一つ、思い通りにならなかった。でも、唯一なったとするならば、一時でも恋心というものを知ることをできたことか。
酒樽から出され、檻の中に入れられた。周囲を見ると私のような人達がいっぱいいた。
「嘘……」
奴隷区は消滅していなかった、むしろ昔よりも規模が大きくなっていた……
※※※
馬車が休憩のため、一時停止した。市街地に入ったので本当は船の方が移動しやすいのだが、荷物がとても多くて乗せられる重さではなかった。
スレヴとの思い出から目が覚め気がついたら、土砂降りだった雨はもうやんでいた。しかし、いつまた雨が降るかわからないような天気だった。窓から空を眺め、ふぅ、と溜め息をはいた。
もう一度彼女の大切さに気づいた。
あいつは俺にとって自分を慕ってくれる、とても尊い存在だったんだ。別に愛されてこなかった、という訳では無い。兄と同じぐらい愛されてきた、という自覚がある。それは母親が他界してからも同じだった。
でも、俺一人だけを見てくれたのはスレヴが初めてだった。それは文字を教えた時、それが身についた時、彼女は純粋な気持ちで俺に礼を言ってくれた。それがとても心地よく、誇らしかった。スレヴは俺を必要としてくれている。その存在に救われた。だというのに……
俺は彼女を助けられなかった。
俺の人生は灰色だ、今もそして、これからも。でも、その闇の先に1人の少年の姿を見えた気がした。
「俺はお前のようにはなれないよ、ヒロ。どうしても後悔が残っちまう」
あいつもは大切な人を亡くしている。しかしそれでもあいつは前を向いている。
でも、俺はお前のようにするには、なれない。心が持たない。
大切な人を亡くした、と彼は言った。それがあいつにとってどれほどの人物なのかは分からない。
前に聞いたことがある。虫歯の治療が終わった日だったか「なんでそれでも明るくいられるのか?」と。すると彼は少し悲しそうな表情でその言葉を否定した。
「いつだって思い出す、セアの声、髪、匂い。そして、あいつの最期を。死にたくない、一緒に歳をとっていきたかったって言うあいつの声が耳から離れない」
そこで1度口を閉ざした、それは何かに耐えているようだった。だが、彼は「でもな」と言って言葉を続ける。浮かべた笑みは嘘だと一瞬で分かるほど、脆そうだった。
「でもな、あいつに約束されちまったんだよ。あっちで思い出話をいっぱい聞かせて欲しいってな。だから」
その赤い瞳は真っ直ぐ前を見ている。
「だから俺は死なねぇ、負けねぇ、腐らねぇ。そんなの笑い話にもなれねぇーだろ?」
そして、彼はニッと笑った。
「ヒロ、俺はお前のようにはれない」
そう小さな声で先程の言葉を俺は口にした。
「呼んだ?」
馬車の屋根にいたらしいヒロが窓から顔だけだ来て聞いてくる。一体どんな耳をしているんだ。
「独り言だ、気にするな」
今は突き放させてくれ、頼む……
「でも……」
「いいんだ」
ドロドロ、ドロドロと心が黒い霧に覆われる。掴みづらいその感情はただ、俺とヒロの間に嫌悪感という壁を作った。
「バーカ、スレヴの事だろ?見ればわかる」
ニッと笑い、窓から馬車に入ってくる。
「友達が苦しんでるのを、そっか、で終わらすやつがいるかよ、どうせ自分の嫌悪感に嫌気がさしてるんだろ?」
「……」
「図星か?」
俺は何も答えない、答えたら図星だとバレてしまいそうだったから。全く馬鹿だよな、そっちの方がバレると冷静になればわかるのに。
「......」
赤い瞳はまっすぐと俺を見ている。
「あぁ、あぁ、そうだよ。俺は自分の無力さが嫌で嫌で仕方が無い、俺は…アイツを……!」
「愛していたんだろ?」
俺は頬を少し染めながらコクリと頷いた。
「なら助けるしかないな、第二の俺にしないためにも」
皮肉混じりに彼はそう言った。でもその拳は握りしめられ、感情を抑えているのが目にとれた。
「ヒロにとってセアってそれ程の人だったんだ?」
すると、ハッと我に返ったように拳を開き、再び彼はいつものように、ニッと笑った。そして
「俺の人生だ」
と、彼は言った。それは俺の心の壁をぶち壊すような言葉だった。
「凄いな、それは……」
俺には真似できないと思った。それと同時に、こうなりたいとも思った。
馬車の騎手が鞭を持つ。
「そろそろ出発するらしいな」
ヒロが外で休んでいる、ソラとアルスロットに声をかける。二人が乗り込む寸前ヒロは小さな声で俺に囁く。
「アローン、助けるぞ」
「あぁ」
先は遠い。新たな家で修行をし、まずは軍士学校に入学する。そして、いつか兵士となってアイツを助ける。
「待っていろ、スレヴ......」
俺は鞘にしまわれた愛剣の刃を撫でた。
セアを書きたい……




