神様との接触
お......い............お......い......起............き......ろ
何かが俺を呼んでいる
早く......起きろといっておるじゃろうがぁぁぁぁ
ベチィィィン
目から火花が飛んだ
「いってぇなぁ‼おい‼なにしてくれてんだよ‼」
俺はつい叫んだ。でも、目の前に居たのは......
「貴様が起きないから起こしてやったんじゃろうが、感謝されども罵倒されるなどとは礼儀がなってないじゃろ?もっと感謝せい」
幼女だった。
(なんでこんなところに幼女が?でもよくよくみたらこの......部屋?もなんか変な感じだし、ここはどこなんだ?)
幼女が振り向きこう言った。
「ここはどこだ?という質問についてじゃが、貴様が理解出来るように言えば【天国】みたいなものじゃ」
「あと、儂は幼女ではない。こんななりをしてても、すでに105億年以上は生きているからな」
幼女はすこしむくれた顔をした。
俺は少しびっくりしたがある可能性に気がついた
「自然に心を読んでるんじゃねぇよ。プライバシーもへったくれもないじゃないか」
「神である儂に向かってその態度、万死に値すると知れ」
幼女は手を振りかざした
【雷霆】
天井が光ったかと思うと次の瞬間には尋常ではない痛みが襲ってきた
「あばばばばばばばばばばば」
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いからやめてくれぇぇぇぇぇぇ)
「ふう、そろそろお仕置きはじゅうぶんかの」
幼女はもう一度手を振りかざすといままでの痛みが嘘のように引いていった。
「では、本題に入ろう。」
幼じy......神様はそう言って話始めた。
「まず、お前はいま死ぬはずの無い命だった。こちらの不手際で間違えて死亡処理をしてしまったのじゃ。」
神様は続ける
「つまり、いるはずのところに貴様がいないことになる。そうすると因果律に不都合が生じることになるわけだ。不運なことに既に貴様の体はこちらの高次元に順応してしまったのじゃ。元の世界に帰そうにもそれが出来なくなってしまった。」
俺は疑問に思った。神なのになぜ帰すことができないのか
「えっと......あんたは神様なんだろ?だったらなんで帰すことができないってことになるんだ?」
神様は少し悲しそうに言った。
「儂は全能神じゃが、その儂でも変えることの出来ないルールがいくつか存在するのじゃ。今の状態であれば《高次元から低次元には行くことができない》などじゃな。これを変えることの出来るのは儂より高位の創世神達のみじゃ。だから、儂がどうしようにもできないというわけじゃよ。」
「じゃあ、俺はこれからどうすればいいんだ......」
俺は半分諦めていた。神様が言うのであればそれは変えられないのだろうと。
これからどう生きていこうか迷うのはどうしようもないことであった。
神様は憐れみを含んだ目をしていた。
「だから、儂が代換案を用意した。貴様にはもうひとつの世界で生きて貰うことになる。」
俺は少し嬉しくなった。
(よっしゃぁぁ、高校生位の時によく読んでいたあの王道転生来たぁぁぁぁぁ、どんなチート能力が貰えるか楽しみだなぁぁ)
「そんな能力を期待しても無駄だと思うぞ。」
神様は説明をしてくれた。
「儂らも昔は好き勝手に能力を選ばせていたんじゃが、最近の転生者は好き勝手にやってくれてな、後始末が大変じゃった。なので、その人がもし、この世界に産まれていた場合に持つことになる能力のみを渡すようにしたんじゃ。」
「じゃあ......自分では決められないということか......」
俺は愕然とした。普通に暮らしたいのに自分が持つはずだった能力しか貰えない。俺は多分弱い能力しか持っていないはずだ。
「はやく、この水晶を触るのじゃ。この水晶に触れば能力が貰える。」
俺はやけくそ気味に水晶にさわった。少しピリッとしたが痛くはなく逆に気持ちがいいくらいだった。
「能力も持ったことだしそろそろ、あっちの世界に送るぞ」
神様は俺の体に魔法陣を描いた。
「貴様は幼児から始まるからなあまり驚くでないぞ」
少しづつ白い光に包まれていく。
気を失う直前で神様はなにかを呟いた
「ひさしぶりに欲のないニンゲンを見たのぉ。これは儂からの餞別じゃ頑張るのじゃぞ......」
俺は気を失った。