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謝罪と告白②





【 好きです 大好きです 付き合ってください 】



( こ・・・これは・・・・どういうことだ? )



わたしは、この言葉の意味を考えなくてはいけなかった。


というのも、彼女

羽瀬川さんには好きな相手がいた。


サッカー部に所属している同級生で、

わたしとは違うクラスで 羽瀬川さんとは同じクラスだった。

背は わたしより低かったが、非の打ち所がない好青年・・・

いわゆる・・・女子の人気が高いヤツだった。


そして、

バレンタインデーが近づくたびに

わたしは 正直、嫌な気分でいた。


去年は 羽瀬川さんには本命チョコをあげる相手がいなかった。


義理だと言われ、それでも異性から貰った初めてのチョコレート。


たぶん、わたしは 友人とは言いつつも

そこで恋愛感情的なモノが自身の気づかないうちに芽生えてしまったのだろう。


彼女に好きな人ができ、

毎日 それを聞かされる。


男子は どんなチョコが好きか? 

どんな異性が好きか? 

どんな服が好きか?

どんな前髪が好きか?

どんな? どんな? ・・・?

彼女の言葉が、彼女との会話が・・・すべて質問になってしまった。

いや、そんなリサーチのような言葉の数々・・・それは、

深い意味なんてない、すぐに忘れてしまう

ただの他愛の無いおしゃべりだったのかもしれない。


しかし、


わたしは大人気もなく、

上げ足を取るというか・・・アヤをつけ・・・

結果、彼女を傷つけてしまった。




どれくらい時間が経ったであろう。




わたしは 椅子に座る彼女の正面に しゃがみ込んだ。

そして、ゆっくり選ぶように話し始めた。


『 羽瀬川・・・。 』 

『 なに? 』 

『 ごめん。 ごめんなさい。 』 

『 なんで・・・なんで、謝るのよ? 』 

『 このカード・・・・ 』 

『 ぅ!!! 』 

『 あの、す・・・・好きだって言ってもらえて・・・正直ビビったよ。

 うれしい。 めちゃくちゃ・・・嬉しいよ。 うれしい・・・でも、

 羽瀬川は、さ・・・オレのことじゃなく、あいつのことが好きなんだよ。

 お、オレのことを気にするより・・・あいつにさ・・・今からでも

 ちゃんと告白した方がいいよ。 』 

『 ぇ? 』  

『 だって、あんなに・・・失敗しないように、

 オレに質問攻めだったじゃん。 羽瀬川の本気度に・・・

 お、オレはさ、少し嫉妬してしまったんだ。

 いや、少しじゃないか・・・。 だから、

 いい加減にしろって、どっ 怒鳴っちまって・・・

 ほんと わ、わりぃ・・・悪かった。』 



彼女は 泣いてしまった。


いや 隠さず言おう、

わたしは泣きながら・・・彼女に話していた。



『 だから・・・・こ、これはやっぱ受け取れないよ。 』 

そう言い、受け取ったチョコレートの包みを彼女に返した。


『 マル・・・。 』 

『 カードだけは、もらっておくよ・・・。 思い出に・・・さ。 』 

『 マル・・・。 』 

『 ん? 』 

『 これって・・・わたしはフラれたってこと・・・なの? 』 

『 フラれたって・・・それは、むしろ・・オレの方だったり・・・ 』 



パァーーン。



『 ぇ? 』 



わたしは、突然受けた左頬の痛みに 衝撃を隠しきれなかった。





~つづく

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