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鬼怪神  作者: K1.M-Waki
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山越え(7)

 ここは、とある山中に人知れず建立された神社の境内──その社務所の中。

 宮内庁直轄の管理下にあるこの神社は、どの地図にも載っていない禁足地だった。一般人の侵入を許さない聖域故、呪力結界で封じられている筈だった。だが、今正に神社(ここ)で、理沙(りさ)達は巨大な鬼の邪気に襲われていた。


 (けが)れを嫌う神道の(やしろ)の中、しかも強力な呪力結界の中に邪鬼が入り込むなど、普通であれば考えられることではなかった。

 だからこそ、鬼村(きむら)は油断していた。『鬼の居ぬ間』に、神氣の補充をしていた。そのため、理沙に近付く鬼の気配を察知するのが遅れてしまった。

 虫取り屋が雨戸を破壊してまで理沙の下に駆けつけていなければ、彼は間に合わなかったかも知れない。


 しかし、何処から? どうやって? ヤツはこの厳重な結界の中に侵入したのだろう。


 ともかく、攻撃の第一波は阻止した。理沙は無事だ。そして、虫取り屋が居る。


 配下の邪気を蹴散らされ、自らの邪念をも雲散霧消させた帽子の男の事を、黒い闇は知っていた。


(おのれ、おのれ、おのれ! キ、キサマァ。ムシトリヤァァァァァァァァーーー)


 その怨嗟の波動は凄まじく、(やしろ)の境内一面に轟くようだった。しかし、古びた黒いコートに鍔広の帽子を被った男は、全く動じることはなかった。いつも通り、飄々と、無関心に、独り言のように囁いただけだった。


「やはり、キサマだったか。『()の中』の世界だからといって、全てが自分の思い通りになるとは思わない事だな」


──夢の中


 神域の中に逃げ込んだ理沙達に、直接手を下すことが出来なかった為だろう。眼前の敵は、眠りに落ちた彼女達の夢にアクセスしてきたのだ。


「夢の中……って。じゃあ、これは現実では無いのですか」

 真実を知った少女は、鎌を持った両手をダラリと両脇に垂らして立っている虫取り屋に問いかけた。

「そうだ。巨大な邪気を持ってはいるが、ここは呪力結界の中だ。如何にヤツが『オオモノヌシ』であったとしても、邪気であることに変わりはない。おいそれとは、神社の中には入って来れないのだ」

「だ、だから、壊れた筈の雨戸やサッシが元通りになっていたりしたんですね。夢の中だから……」

 理沙は廊下でへたり込んだまま、呆けた顔で虫取り屋を見上げていた。

「これが夢の中だと認識したからこそ、自分もヤツ(・・)の手下を容易に退けることが出来ました。それに、ほら。袖の千切れた背広も元通り。ね、ね、理沙ちゃん。スゴイでしょ」

 鬼村が自慢げに話しかけて来た。そこで初めて、彼女は自分が半裸の下着姿であることを思い出した。

「わ、分かりました。分かりましたから、こっちを見ないで下さい!」


(ううぅ。不覚だわ。こんな姿を虫取り屋さんや鬼村さんに見られるなんて。せめて、シーツくらい羽織っていれば良かったのに……)


 彼女は、顔を赤くしながら、両腕で胸から下を隠そうとしていた。

 夢の中なのだから、理沙も想像力を働かせて洋服を着た姿になれば良いのだが、慌てているためか、彼女はそこまでの考えに至らなかった。


「さぁて、鬼の親分さん。今度は何を見せてくれるんですかぁ」

 夢世界での戦い方に慣れてきて自信がついたのか、鬼村は不敵な面構えをしていた。

「油断するな。夢の支配力に於いては、ヤツ(・・)の方が上手だ。たとえ『夢』の中とは言え、生命を奪われて仕舞ったらどうなるか。それは、オレにも保証できん。現実世界でも死を迎えるのか。それとも、永遠に眠り続けるのか……」

 言葉の内容は尤もなのだが、発言している人物がいただけない。起きていても夢現(ゆめうつつ)状態の虫取り屋だが、今は本当に夢の中に居る。なんだか、いつも以上に気怠げで、その腐った魚のような瞳は全く焦点を結ばず、一際(ひときわ)淀んでいるように見えた。


「大丈夫ですよ。さっきの見たでしょう。配下の邪気も難なく撃退したし、背広の袖も元通り。たとえ夢の中であろうが、鬼道が使えるとなれば、自分が撃退して見せますよ。それにしても、服まで思い通りに元に戻せるなんて……。アカシアの端末の能力(ちから)って、こんな感じなのかな?」

 鬼村は、自分の両袖を眺めながら、頼もしい事を言っていた。なんとはなく、普段より饒舌で、力に満ち溢れているような感じであった。

 これも、夢の中に居る所為なのだろうか。いつもは隠れている裏側の心根が、不用意に漏れ出しているのかも知れない。


 一方の虫取り屋は、いつもの如く飄々としていた。彼には心の裏表が無いのだろうか……。

 元より、アカシック・レコードの不具合(バグ)消去(デリート)するためだけの存在。本当にそうなのかも知れない。


──オレは生命(いのち)というものを持ち合わせていないからな


 これは、いつもの虫取り屋の言葉である。しかし、『心』まで持っていないのか? までは分からなかった。これまでは……。


──人と同じ形をして同じような立ち居振る舞いをするモノ(・・)が、『人の心』を持っていないなんて悲しすぎる


 その時、理沙はそう思った。いや、今でもそう思う。そう思いたいと願っている。


 ここは、夢の中の世界。隠された虫取り屋の本性が垣間見られるかも知れない。


 だが、それを目の当たりにしてしまうのを、理沙は恐れていた。

 彼女が虫取り屋と出遭ってから数日。その内側はどうあれ、あたかも人の心を持っているかのような言動もしている。だからこそ理沙は、自分だけでも『虫取り屋にも人の心がある』と勝手に思っていても良いんだと、そう思っていた。

 それ故に、虫取り屋の本性を知るのが、彼女には怖かった。普段は表には出て来なくても、少女の深層心理には、いつの間にかそう刻まれていたのだ。

 廊下に蹲りながらも、彼女は不安げに、柄の短い赤錆びた草刈り鎌を手にした帽子の男を見上げていた。

「……? 何だ。怖いのか、嬢ちゃん。心配無い。嬢ちゃんの事はオレ達が護る。例え相手が、神話の神々でもな」

 相変わらず独り言のような小さくか細い呟くような言葉だった。だが、それはいつも以上にしっかりと理沙の耳に響いた。その言葉の真の意味は、今の彼女には理解し切れていないところがあったが、心の内の不安感は、若干和らいでいた。


(イツモ……、イツモ、イツモ……、イツモ、イツモ、イツモ、イツモだ! キサマはイツモ、ワレのジャマをする。ニセンネンをハルカにコエるワレのイカリ、イカホドのモノか。オモイシレ、ムシトリヤァァァァァァ)


 先程よりも一層に濃度を増した闇が吠え声を上げた。


<ズズ、ズイィィィィ>


 来る!

   闇の奥から。

       その本体が。


 ただひたすらに黒い闇の濃度の違いが、どういう訳か、理沙でさえ見分けることが出来た。

 それは、中心部に渦を巻いて周囲の闇をも飲み込もうとしていた。

 そして、それは高密度の闇を得て、(モノ)としての実態を備えようとしていた。


 果たして、ソレ(・・)は理沙を襲っていた鬼の原型ででもあったのだろうか。暗い廊下の奥から闇を切り裂いて、巨大なナニカが這い出て来るような気配があった。


 ソレは、紅蓮の炎のような怒りを伴って。

      極地の万年氷をも砕く憎しみを内に秘め。

   全ての物質を素粒子にまで還す凶暴さを顕にして。

     そして、ソレは古より伝え聞く巨大で醜悪な鬼の姿を纏って。


 ソレをまともに眼にすれば、精神を破壊され、生命を根源から吸い取られて、狂気のもとに息絶えるに違いない。


 だが、ここは夢の中。

 眼の前のソイツに限らず、精神の力の大きい者が夢世界の支配権を得る。


 だが今は、目覚めている時に被っている見せかけの表層心理が剥がれて剥き出しになっている状態である。デバッガである虫取り屋は勿論、端末(ターミナル)である理沙も、アカシアの高位デバイスだ。

 見かけによらず、彼女の精神力の自力(ポテンシャル)は高い。根源的恐怖を惹起(じゃっき)する、自称『オオモノヌシ』の姿を見ても、辛うじて正気を保つ事が出来ていた。

 他方、鬼村(きむら)にしても、鬼村(おにむら)の出身で、なおかつ鬼道の使い手。それと同時に、彼は皇室の守護者たる皇宮護衛官なのだ。肉体以上に、その精神は強靭に鍛えられているに違いない。


「やっと御本尊のお出ましですね。さっきから、虫取り屋さんばかりを気にしていますが、自分が居ることも忘れないで下さいよ。こう見えても、自分、出来る方なので」

 彼は、この結界内の(やしろ)に、これ程までに巨大な邪気が侵入したことに驚いてはいたが、それも最初の時だけのこと。初動に一呼吸の遅れをとったものの、今では完全に臨戦態勢であった。


──皇室と陛下の守護のためならば、それが例え自身の祖先神であろうとも全力で排除する


 それが、皇宮護衛官としての鬼村の行動原理であった。


<ズ、ズズン……>


 再び、大気や物体を介さない振動が伝わってきた。

 廊下の奥の闇を左右にこじ開け、巨大で醜悪な鬼の姿が顕になろうとしていた。


 その巨体は三メートルをゆうに越えているだろうか。

        その肌は(はがね)のような金属光沢を持つ暗黒だった。

   その剛腕は巨岩の如く盛り上がり、内に秘めた怪力を想起させる。

      当然ながら、その頭部にはソレを象徴する巨大な角を生やしていた。

  爛々と光る眼は怨嗟の炎を灯し、

    鋭く尖った牙は必ずや宿敵を砕かんと粘稠な涎に濡れていた。

 そして、何よりも恐ろしいのは、その憤怒の表情である。


 もしかしたら、ソレは何者かへの怒りと憎しみのみを糧に、悠久の歳月を存在してきたのかも知れない。


 今、その強烈な感情は、虫取り屋に向けられていた。

 まるで、彼がその怨嗟の根源ででもあるかのように。


「例え夢の中であろうとも、キサマにココで暴れてもらう訳にはいかん。元居た場所に戻ってもらおう」


 廊下の奥に全身を顕した「オオモノヌシ」に対し、虫取り屋は恐れを抱くどころか即時撤退を要求したのだ。

 だが、その言葉は、まるで他人事のようで、当事者感が全く無かった。のみならず、その声は低くか細く頼りなく、微風(そよかぜ)にさえ吹き消されそうだったが、理沙達の耳には何故かはっきりと聞こえていた。

 でも、それを聞いただけで、理沙は心の底から安心した。


(そうだわ。虫取り屋さんが居れば、どんなに凶悪な敵が来たって、やっつけてくれる。わたしを護ってくれる)


 根拠は希薄だったが、これ迄の鬼との戦いを経て、理沙はそんな事を確信していた。


 ところが、そこへ異を唱えるような声が割って入った。

「おやおや皆さん。誰か忘れている人がいませんか?」

 鬼村である。眼前の敵が、自分を無視して虫取り屋のことばかりを目の敵にしているのが、どうにも彼の気には入らなかったらしい。彼は彼で、鬼に深く関わっている。鬼村の出身──鬼の血を引いている事もあるだろう。それなりにプライドもあるのに違いない。

「虫取り屋さんが出るまでもありません。こんな邪鬼一匹、自分が始末しましょう」

 鬼村はそう言うと、一見ボウと突っ立っているだけに見える虫取り屋の前に出た。

 そして、「ふぅぅぅおぉぉぉぉぉぉ」と、鬼道の独特な呼吸をすると、眼前の『オオモノヌシ」をその細い目で睨み返していた。そのままファイティングポーズをとると、

「さぁ、かかって来なさい」

 と、自信ありげにヤツを挑発したのだ。


「おい。オマエには荷が重い。ここはオレに任せろ」

 そんな言葉が、鬼村の背中から聞こえた。

 いつもは寡黙で、他人のする事には徹底的に無関心なはずの虫取り屋のものだった。

「だぁーいじょーぶですよ。自分だって皇宮護衛官です。それなりに鍛えてあります。それに、ここは日本国の管理地です──秘密ですけど。まぁ、いわば自分のホームグラウンドです。そこに外敵が乗り込んで来たんですよ。この戦い、まずは自分が始末をつけるのが道理というものでしょう」

 彼は、そう応えて、胸前に構えた両の拳を握り直した。


(ちょこざいな、コゾウ。オノレごときに、ワレのケハイですら、トメルこと、かなわんぞ)


 巨大な『オオモノヌシ』の言葉が伝わってくる。


「さぁ、どうかな? やってみなくては、分からないでしょう」


(やってみなくては、ワカラナイ……か。ソウダナ。では、ワカラセテやろう)


 そんなやり取りがあった後、ホンの少しだけ、静寂が夢の世界を包んだ。


 変わらない。何も変わっていない。

 理沙がそんな風に見ていた時、突然に、鬼村が上半身を折り曲げた。


「ぐっ、うっ、……ぐっはぁあぁあぁぁぁ」


 地獄でしか聞けないような苦鳴は、血反吐と共に吐き出された。

「鬼村さんっ」

 思わず理沙が声を上げた。


(スコシはデキルようだが、コゾウごときが、ワレとテアワセなど、センネンはやいわ)


 馬鹿にしたような思念が、廊下の果てから聞こえたような気がした。

「ウグッ……、くっそう……」

 一体どんな攻撃を受けたのだろうか? 渾身の力を振り絞って持ち上げた鬼村の顔は、ドス黒い死相を表していた。


(コゾウ。イマ、ラクにしてやろう)


 その思念が伝わるか伝わらないうちに、巨大な邪鬼は、『フッ』と軽く息を吹きかけたようだった。

 次の瞬間、鬼村の上半身は濃い邪念の衝撃波で粉々に吹き飛んでいた。

「き、きゃぁぁぁ。鬼村さん!」

 夢の中だからだろうか? 無残な姿を晒す下半身から、当然吹き上がるだろうと思えた血潮は、一滴も流れなかった。


 いち、

   にぃ、

     さん……


 そうして、主を失った下半身は、ゆっくりと──本当にゆっくりと、仰向けに倒れた。

 ドサッ、という音は遅れて聞こえてきた。


「い、いやぁぁぁぁぁ。鬼村さん。鬼村さん。……虫取り屋さん、鬼村さんが」

 あっという間に、上半身を持って行かれた。無数の鬼を難無く倒してきた、あの鬼村が……。

 恐るべきオオモノヌシの力であった。


「分かっている。見てたからな……」

 何の感慨も含まない、無関心そのものの、虫取り屋の返事だった。


「あんな(モノ)に適うはずがありません。虫取り屋さん! わたしを渡して逃げて下さいっ」

 この期に及んで、怖いとは、助かりたいとは、理沙は思わなかった。ただ、虫取り屋だけでも逃したかった。


 それが、数日とは言え、自分を護って戦ってくれた彼への恩返しのような気がしたからだ。

 理沙は泣き声の混じった言葉を、呆然として突っ立っている帽子の男に送った。

「嬢ちゃん……。心配はいらん。……夢。これは夢だ。悪い夢はすぐに覚める。ホンの少しだけの辛抱だ。な、嬢ちゃん」

 彼は、囁くようにそう言った。ソレだけだった。


(ヤット……、ヤットだ。ヤット、このテで、オマエをホウムルことがデキル。……どんなにマチノゾンダことか)


 歓喜に震えるような、憤怒の念だった。

 虫取り屋も、鬼村と同様に微塵に砕かれるのか⁉


(キサマもクダケチレ)


 振り上げられた拳には、膨大な量の邪悪な憤怒の念が詰まっているように感じられた。

 それは、目にも留まらぬ速さで、虫取り屋に向かって放たれた。

 夢の中でさえ、空間をも切り裂くその拳は、周囲に衝撃波さえも巻き起こして、棒立ちの黒いコートにぶつかった。

「虫取り屋さんっ」

 悲鳴のような少女の叫びだった。


 あんなモノをまともに喰らったら、鬼村のように微塵に砕かれ──いや、存在の痕跡さえ残さずに消失するだろう。


──虫取り屋よ……、おまえはどうなった……


 結論から言おう。

 何も起こらなかった。


「どうした。オマエの力はそんなモノか。……まぁ、夢の中だからな。悲観することはないぞ」


 あの高密度の邪鬼の塊をまともに受け止めてでさえ、彼を傷つけることは叶わなかった。


(オ、オノレェ、ムシトリヤァァァァァァァァァ)


 ヤツは虫取り屋に更なる憎悪を抱いたのか。それとも、全幅の信頼をもって放った自らの拳に腹を立てたのか。

 コレまで以上の、異常な量の怒りと憎しみが世界を包んだようだった。


「き、きゃ……」


 半裸の理沙の肌が、ピリピリとした異様な感覚を訴えて悲鳴を上げている。言葉に出来ない苦痛が、彼女を襲っていた。


「済まんな、嬢ちゃん。もうちっとだから」


 何が「もうちっと」なのか? 彼ならば夢魔の如く襲い来る邪気を倒せる! とでも言いたいのだろうか。


「オオモノヌシ……とか言ったか。悪いが、元居たところに還ってもらおうか」


 静かな……、本当に静かな呟きだった。しかし、それだけで、彼の視界を塞いでいる巨大な拳は、闇の奥に引き戻されていた。


(キサマァ、ナニを、……ナニをスルつもりだ!)


 あれ程に憤怒を撒き散らしていた邪鬼が何を感じたのだろう。気が付くと、少女の肌から痛みの感覚は消えていた。


「その真名(まな)を以って、オマエを封ずる。『オオモノヌシ』よ、闇に還れ……」


 虫取り屋は鎌を持った右手を頭上に上げると、静かに振り下ろした。


<ピシッ>


 ()空間にヒビが入ったように感じた。


(ウグァッ、……ム、ムシトリヤァァァ)


 怨嗟の念を迸らせる巨大な邪鬼の胸に、四つの文字が刻まれていた。


  巨 鬼 怒 蘇


 それが、この邪鬼の真名(・・)であったのだろうか?

 廊下の奥の闇に暴風が巻き起こると、巨鬼怒蘇(オオモノヌシ)は、あっという間に空間の亀裂に吸い込まれていった。


 後には、薄暗い廊下が、何事もなかったかのように、現実と変わらない佇まいを見せるだけだった。




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