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不良人日記  作者: ローグ
3/7

2話

まだまだ長く書くのがつらいです。

少し日にちを空けて1話ずつを長くしようかとも考えています。

衝撃的な入学式の次の日。

今日から俺達は通常授業が始まるため、廉涯に行かなければならない。

俺は昨日よりは確りとした足取りで歩いていく。


「オース、和麻」

後ろから声を掛けられた。振り向くと、竹刀の袋を引っ提げたタツがいた。

「オッス、タツ……。

なぁ、一つ聞いていいか?」

「ん、何?」

「何で竹刀しか持ってきていないんだ?

教科書とか全部学校に置いてきたのか?」

「ヘイヘイ、何言ってんの和麻。

授業なんて受ける訳ないじゃん」

至極当然のように仰天発言を言ってのけるタツ。

「ちょ、全部サボりかよ。

絶対後で先生に怒られるって!

せめて、出席しようぜ?

俺は彼との認識の違いに戸惑い、混乱してきた。

(不良ってのは、全く勉強しないのか?)

「チキンだなー和麻。

そんなんじゃお前、廉涯で生き残れねーよ」

「チキンじゃねーし!

ちょっと優等生ぶっただけだって!」

「レアリー、チキンカズーマ?」

「上等だ、全部サボってやる!

先公来たらぶっ潰してやるよ!

……だから、マジでチキンはよせよ」

「いいねぇ、その意気だせ、和麻!

廉涯で伸し上がろーぜ!」

(何かなし崩し的に、喧嘩上等って方針になってるけど大丈夫だよな……?)

一抹の不安と共に俺は騒ぐタツの横を歩いていった。




「……やっぱすげーな」

俺達二人は正門から校内に入った。

壁には落書きが沢山あり、所々に椅子や机等が置いてある。

どうやら、廉涯では生徒が気に入った所を溜まり場として決め、いろんな物を持ち込んで仲間内でのんびり過ごしているようだ。

すでに上級生の何人かが来ていて、それぞれ好きな体勢で過ごしている。

何人かで喋っている集団もいる。

ソファーを置いて寝転がってる奴もいる。


(溜まり場を一つ持っておくべきだな)

溜まり場を持つということは自分たちのテリトリーを持つことである。

そこは自分たちの好みで改造することが出来て、自由に使うことができる。

殺伐とした空気から逃れたい時や仲間内だけで話したい時などに最適だ。


「タツ、溜まり場作ろうぜ」

いきなり提案してみたが案の定、タツは乗ってきた。「何だよ、そのナイスな提案は!

いいぜ、溜まり場作ろうぜ!」

俺は今すぐにでも行動しそうな彼に向けて問題点を述べる。

「まぁ待てよ。

まだ俺らには無理だって」

そう、俺達はまだ廉涯に来てたった二日目でしかない。

学校全体の構造すらまだ把握出来ていないのに、溜まり場に最適な場所なんて分かる訳がない。

それに溜まり場を自分たち好みに改造するためにはいろんな物がいる。

俺達はまだ何も準備していない。

溜まり場作りは、学校に慣れる必要があり、改造出来る計画を立ててから始めた方がいい。


そのような事をタツに説明していると

「じゃあ、奪えばいいんじゃね?

あ、これベストアンサーじゃん!」

と提案してきた。

(奪うか……。

確かに、既に場所も選ばれていて椅子や机程度の物は最低限揃っているだろう。

しかし、そう簡単にいくか?)

俺は頭の中で思案する。


まず、相手は上級生。

つまり、俺達より一年以上先に廉涯に来ている連中だ。

情報量や喧嘩の経験も相手が上だろう。

勝てる可能性は未知数だ。それに勝った後も問題がある。

上級生の場合、大概はどこかある程度の勢力に属しているだろう。

そのような連中から溜まり場を奪えば、間違いなく大人数で俺達を潰しに来る。

そうなったら、まず俺達に勝ち目はない。

俺達は情報がないから誰がどの勢力か、それ以前にどのくらいの数の勢力がこの廉涯で争っているのか分からない。

つまり、奪うことによって溜まり場を手に入れるのは今の状態の俺達には至難の業であるということだ。


そこまで、考えて俺は結論を出す。

「無理だ」

(危ない掛けはしたくない。

大体まだ俺達は二人だ。

溜まり場持ってる奴らは二人以上で行動してるだろうから数の利がないしなぁ)すると、タツはガッカリした表情で呟く。

「まぁ、流石に二人でやるのは無謀だよなー」

一応、俺の考えを説明して溜まり場作りは延期することになった。


だらだらと話し込みながら歩いてようやく俺達の教室、一年二組に近づいてきた。

「何か、怒鳴り声聞こえない?」

「早速喧嘩かー。

朝からエキサイティングだな!」

「つーかタツさぁ、その間にちょくちょく挟む英語何?」

「ああ、これはクセなんだよ。

知り合いに外人がいてさー、そいつらと喋っていたらいつの間にかこうなった」「ふーん」

俺達がそんな呑気な会話を教室の前でしていると

「ヒィィィッ!?」

叫びながら一人の男子が飛び出してきた。

彼はそのまま一目散に廊下を走っていった。

「負けたのか」

「逃げたんだろーよ」

俺達そのまま教室に入ろうとした。

「…………」

「…………」

「…………」


誰がいるし。


その誰かさんが俺達の前に立って進めなくなってる。金髪坊主だから、そのまま金髪坊主と呼ぶことにしよう。

「なぁ、金髪坊主君。

前に行けないんだが」

「じゃあ、一度下がって俺を通せよ、ボケ」

(あ、ヤバい。

スッゴい下らないことだけど何かキレそう)

「こっちは二人いるんだ。

効率的には君が退くべきだよ」

出来るだけ口調を丁寧にする。

(そうしないと、口から喧嘩の口火を切るような暴言が出てきそうだからな)

「あぁ!?

俺はあの腰抜けを追わなくちゃならねぇんだよ!

俺が通るつってんだ!

退かねぇとぶっ飛ばすぞ!」

金髪坊主の啖呵が終わると同時に俺は叫んだ。

「てめぇがぶっ飛べ!」

右足を上げて金髪坊主の腹を蹴る。

足を踏張っていなかった奴は飛び、机を何個か吹き飛ばしながら地面に背中から叩きつけられた。

「ゴホォッ、クソッ!」

(ああぁぁぁ!?

ついキレてやっちまった!

こうなったら最後までやりきるしかない!)

俺は言葉を漏らしながら立ち上がろうとする金髪坊主の足を蹴り払い、また倒れたところで腹に何発も蹴りを入れる。

俺はもはや咳き込むことしか出来なくなった彼のそばにしゃがみ、彼の学ランを掴み、強引に顔を上げさせ「お前がもう少し頼む態度ってのを知っていれば、こんな風にならずにすんだのにな」

彼はまだしゃべることができないらしく、ただ視線を俺に向けるだけだ。

(ヤバっ、やりすぎたかも)

俺はため息をつきながら

「タツ、こいつ保健室に連れて行く。

手伝ってくれ」

「オーケイ。

それにしても、和麻強いな。俺も、もしかしたら負けるかもしれねーよ」

「ちゃっかり、自分は上です発言すんなよ……」

「そういえば、もうすぐ朝礼じゃね?」

「はぁ、早速サボりか」


いつの間にか金髪坊主は気絶していた。







「--さん、あいつらヤバくないすか?」

「はっ!ビビってんじゃねーよ」

二組の教室の角に俺達は座っていた。

あいつらとはさっき突然来て、いきなり喧嘩した二人組のことだ。

名前は知らないが、あの金髪の坊主野郎は二組で既に何人か従えてるから、決して弱くない奴のはずだ。

それを一人が軽くあしらった。

もう一人も言動から喧嘩した奴と同じくらいに強いらしい。

正直俺達にとって厄介だ。

あいつらと戦いたくはないが、素直に仲間に入れてもらうのも癪だ。

少し試させてもらうとするか。

「おい、あの二人組何て名前か分かるか?」

「長細い袋を持った喧嘩していない奴は葉崎達也って名前で剣道が強いって噂です。

もう一人は……」

「何だ」

俺が続きを促すと困り顔で

「すみません。

俺達は誰も知りません。

名前すら分かりません。

特に目立った噂もないようです」

と言った。

剣道野郎と名無しか。

二組のトップ争いは俺達とあいつらになりそうだ。

まだ、廉涯に来て二日目。

これから、さらに激しくなるのか。

楽しみだな。


視点変更を使いました。


そして、人の名前を考えるのが大変です。

一般的過ぎても、特殊過ぎても納得がいかないので。

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