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短編連編小説 生命シリーズ

序章 ロスト・オブ・ライフ~生命の消失~

作者: IA
掲載日:2022/08/22

今日も今日とて、僕は寝た振り(・・)をしている。



...まず、僕の身の上話をしよう。

僕、こと氷桜 海は女子だ。


...僕は、身長も大きいし、胸もないし。

それに、声は女子にしては低めだし、兄さんと並べば、性別と関係が逆にみられる。

大学生の現在でも、直そうとはしない。

兄さんに、「それは天から授かったお前の個性なんだから、なくすのはもったいない」

と言われているからだ。


...僕は、兄さんにひそかに想いを寄せている。

とても小さい時から、何故か僕は兄さんが大好きだった。

それが、何時の間にか片思いに変わっていた。

ただ、それだけのことだけど、僕はそれが言えなかった。

だって―――兄さんには、可愛げのない甘えん坊の妹らしくない妹と思い続けて欲しかったから。



「海――。...あれ、海?

...寝てるのかあ...。案外寝顔は可愛いんだな、海。

ま、起こすのはかわいそうだし、寝かしておこう。

御飯が出来たら呼びに来るからな、海」



兄さんが居なくなった後、僕はためていた息を吐き、深呼吸する。

兄さんは、相変わらず優しい。


僕と同じ様に銀髪だけど、母さんは茶髪だし、父さんも髪は蒼い。

父さんのお祖父ちゃんが外国人だった、と言う話は聞いたけど、隔世遺伝、って言うやつなのだろうか。

...実は義伯父さんの子供だ、って言われた方がしっくりくる。



義伯父さんは最近、ゲーム会社を立ち上げるとか、ダグラス小父さんの店を拡張するとか言ってるけど、それが楽しみだなーと最近は思っている。


そういえば、テストプレイ機があるから暇なときはそれがプレイできるけど、今はやめておこう。






―――

「さあ、海?

俺とバトルだー!」

「ハイハイ、分かったよ、兄さん」

「な!?いつもなら、もう少し反応してくれるのに...。」

「僕がなんでも兄さんに合わせると思ったら間違いだよ」

「冷たいじゃないか、海!」

「五月蠅いよ、信」

「呼び捨てかよ!全く、そんな子に育てた覚えはないっ!?」

「まあ、兄さんの子供じゃないしね」

「そうだな...。」

「ほら、早くいかないと置いてくよ?」

「あ、狡いぞ海!くそ、同じタイミングで走り出すと勝てねえ!?」

「ふふ、兄さん、僕の勝ちだ!」

「畜生...!遊園地走るな!」「兄さんが言える言葉じゃないよ!?」


久しぶりに近所の遊園地に来ていた。

創業120年らしく、施設が新調されていた。

凄いな、と思いつつ、僕はその日夕方になるまで遊んだ。



「さあ、兄さん帰るよ。

...かえるよ!」

「うう...まだあそびたりないー-!」

「ダメ!ほら、帰るよっ!」「うう......。」


閉館直前まで遊んでいた兄さんは疲れ果てていて、僕に容易に引っ張られていた。



―――

「兄さん、疲れたよお...。」

「しょうがないなあ、海は」

「兄さんが悪いんだよお...。」

「そうか?」


ピーンポーン

「なんだろう?ちょっと行ってくる」

「気をつけろよー」

「兄さんじゃあるまいし」

「なんだと!?」



「...義伯父さん」

「ああ、海か。ってことは、信は寝てるのか?」

「いや、兄さんは起きてるよ。ただ、兄さんが遊園地で遊びすぎちゃって...。」

「ああ、アリスみたいになったって事か」

「アリス...?伯母さんの事?」

「うーん...。あってるけど、少し違うかな」

「どういう事?」

「そんな事より、海。お前に渡した奴だが、それの改良版を持ってきたから。

それも二つだ。信と一緒にやるといい」

「...分かった。じゃあ、テスト機は返すね!」

「......ああ。...」


多少義伯父さんの歯切れが悪かったけど、多分気のせいだと思う。





―――

「やー、楽しかったね、トルーパーアイⅢ!」

「だな、それで、次は何を買いに行く!

俺は楽しみだ!」

「...そうだね」


僕達は久しぶりに近くの街に買い物に来ていた。

兄さんはこういう所に来ると、必ずはしゃぐ。

子供じゃないんだし...。と言いたくなるけど、実際見た目は子供っぽいし、精神年齢自体は幼いんじゃないかとも思ってる。





「さあ、かえろう」

「ああ、流石に疲れた...。」

「そりゃ、一日中居たらね」


僕達は器用にモノを持っていた。

両手では持ち切れずに、腕の間やその持ち物の上にのせて持っている。何とか視界は確保されている為、轢かれる事は無いだろう―――と思っていた。



遠くから、車の音が聞こえてくる。

でも、僕達は青信号でわたっているから大丈夫だと思っていた。



でも、その車はそのまま迫ってきて―――。



僕は気付いたら、草原にいた。

その横には、兄さんをそのまま女の子にしたような人がいた。

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