四季 (恋の始まり)
春
おさげ髪の セーラー服のキミが
この高校の制服がかわいいからと言って
猛勉強をして入った高校
ブレザーにチェックのスカート
長い髪もおろして 眼鏡も外したキミを
みんなが見ているよ
ボクの目にはまぶしすぎる
キミは 校庭の桜の樹を見上げている
ボクは 桜の樹の下で「好きだ」と告白する
夏
海で出会ったカレは
少し軽い感じのするサーファー
日焼けした肌に 茶色の髪
いつも女の子に囲まれている
そんなカレが私に声をかけてきた
浜辺で本を読む女の子は初めて見たと
「オレも実は本好きなんだ」
好きな本の話しで盛り上がった
夏の恋は すぐ終わるという
でも 私はカレに恋をした
秋
私は、久しぶりに美術館に出掛けた
大好きな、エジプト展
古代の文明にロマンを感じる
詳しい事は良く分からないけれど
とにかく大好きなのだ
ひとりでミイラの棺のヒエログリフに釘づけになっている
ルンルンしながら
パンフレットや、ヒエログリフの読み方の本
を見ていると、後ろから
「凄く、必死にミイラ見ていたね」
と声をかけられた
「え!会社の同僚の○○君」
ふたりで、エジプトの話しで盛り上がる。
とても楽しくて、時間があっという間に過ぎた。
秋は人恋しくなる季節
冬
今日はクリスマスイブ
私はパティシエ見習い
いちばんの売れ筋ケーキは
少し小さめのふたりで食べるのにちょうど良いサイズ
のカップルケーキ
午後7時の閉店
ショーケースは空っぽ。
店長が、確かいぬ飼ってたよね。と言って犬用のケーキをくれた。
外に出ると寒さが身にしみる。
イルミネーションの下で一匹の犬が寒そうにしている
店長から貰ったケーキをあげていると、飼い主らしき男性が(いつもケーキを買いに来てくれる人だ、ちょっといいなぁと思ってたんだよね)
「いたいた、あ!ケーキもらったの」
「あ!じゃあこれ、美味しいケーキです。食べてください」と、
ウチのケーキ屋の袋を差し出された。
「あ、コレ、ウチのケーキです。」
(知ってるよ。いつも頑張ってるなぁ、って思ってた)
「えー!じゃあ、一緒に食べましょう。」
「ひとりで食べても美味しくないので」
クリスマスイブの奇跡です。
読んで頂きありがとうございます。
初投稿から半年。
皆様には本当に、感謝です。
ほんとうにありがとうございます。