完璧主義イコール独裁者
此処は、緑盆高等学校
そこに新しく入学する学生がいた。
「南山 黒季」だ。
この中学校、全校2000人の一見普通の高校だ。
だが此処には裏がある、それを彼は暴こうとしている。
此処で死んだ兄の無念を晴らすため。
さぁ。朝だ!昨日練習して着替える方法はバッチリだ。
少し早起きしすぎたかもしれないが、初登校ならこれぐらい緊張感があっていいと思う。
親に買ってもらった黒色のバックを背負って、待ち合わせの交差点へ行く。
この交差点は基本的に引っかかる。なぜだろう、毎回違う時間に着くのに。
僕が通ろうとすると赤になる。
「あ、やっときた〜」
制服を着ているがネクタイはちょっと曲がっている友達が、横断歩道を跨いで反対側で手を振っている。
彼の名は「可哀 翔琉」だ。
小学、中学も一緒で、僕が此処に行くと言ったら、彼も付いてきた。
難しい試験があるわけでもないので、地元って事もあり、結構知り合いも多い。
「ここが校門か...」
僕は門の横に立てかけてある入学式の看板で写真を撮っている人たちを追い抜かし、校舎に向かった。
「お!黒季やん」
翔琉と歩いていると、左から背は高い男の子が出てきた。
「お!流星じゃん!」
翔琉がそう言った。そう、彼の名は「小楽 流星」だ。
彼は暇な時に話す程度の中ではあるが、周りよりかは仲がいい。
「えーっと、あ!俺3組か」
「お、僕も3組だ」
翔琉、流星がそう言った、いいなぁと思いながら僕は張り紙に目を走らせた。
「5組か...」
今年もだ、僕は5組の割合がなぜかめっちゃ高い。君たちも知ってるんじゃないのかな?毎年5組に行くような人。
「え...やばくね?」
左にいた、翔琉がこちらを覗き込み、目を細めた。
「ほんとだ、広樹いんじゃん....」
流星もそう言った。それもその筈。「白沼 広樹」はありとあらゆる悪役の集合体のようだ。嘘は巧妙。手慣れた悪行。気持ち悪いほどの悪口。ただ、先生や親にバレることはない。
理由は2つ。やり方がうますぎで、バレない。それと、僕らはもう諦めて取り合っていない。
だが、クラスにいるだけで場を乱すから基本的に嫌われている。
「まぁ、僕は構う気ないし。やられたらやり返せば良くないか?」
今年はハズレだ、初めての高校生活第一歩を踏み外した気だ。
そう言って、入学式が始まった。
だがそんなことはどうでもいい。
黒季本人は、この学校を非常に楽しみにしていたのだ。
洗脳が永遠と行われ。教師が成り立っておらず。人々は溺れる。
そんな学校をニタニタしながら入学したのが。
南山黒季だ。