ぼくと君と君たちの不幸の手紙。
何もできずにただ、ゆらゆらと、ただ、ゆらゆらと、
漂っているだけでぼくらは幸せだった。
好きな人に好きとも言えず、やりたいことをやりたいとも言えず、
それでもぼくらは幸せだった。
だけど君たちが言うように、世界のルールは紫色に染まり始めて、
君とぼくの約束も、いつの間にか朽ち果てて、いつしかぼくはら、
何でもできるようになっていた。
好きな人に好きだと言い、
やりたいことをやりたいと言い、
好きな人と一緒に過ごし、
やりたいことをして過ごす。
そんな日々の中、君たちはやっぱりやって来て、
もうおしまいだと言うんだ。
どうしてそんなこと。
言わないでほかったけれど。
やっぱり言われてしまう。
けれどそれも最初から分かっていたことで、
ぼくらはそれを渋々受け入れて、渋々おしまいの準備をする。
君とぼくの約束なんて、初めからなかったことにされて、
いつまでもいつまでも、ぼくも君も、そして君たちも、
ずっとずっと、最初から何もなかったことになる。
けれど、やっぱり、そんなのは嫌だ。
けれど。
やっぱり。
届かない。
もう一度。
今度こそ、不幸の手紙は受け取らない。