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退魔(物理)師 ブレイブ ワン!11

「いつまでちんたらしゃべってんだ。あ?」

「れ、烈火さん。ここは俺にませてくくださいって。」

「お前の目には見えてないんだろどうせ、茂みの中、池の中、そしてその女、蛇だらけだ。

証拠十分。後は絞めるだけだ。色気ずいてんじゃねえぞクソガキ。状況考えろ」

「誰?あなた」

「今すぐに呪いを解け、そうすれば二度と人前に出られない顔にするだけで許してやる。」

「ちょっと先輩、マジで落ち着いてください。」

灯が止めようとするが、今の烈火にそんな事は効くわけもない。

きららの苦しそうに我慢する姿を頭の中で、症状を悪化させ、完全にスイッチが入っている。庭に下りると腹いせに石灯篭を拳でいとも簡単に砕き、姫瑠に脅しをかける。

突然庭に入って来たこの目の血走った男に姫瑠は大きく距離を空ける

「もう我慢の限界だ。今すぐきららを治せ!!!!」

「あ、ちょっと」

勇騎が止めに入ろうとするが、烈火の拳の前にまるで紙屑のように吹き飛ばされる。

「う、嘘だろ、コレ、骨、折れてる。化け物かよ。」

「実際化物だよ先輩は、」

続いて飛び込んできた灯は岩に激突間際の勇騎を助け、、身に着けていた巫女服を無数の呪符に変化させ、烈火を拘束する。何十、何百という呪符の鎖が烈火を拘束する。が、烈火はそれを力づくで引きちぎろうと、姫瑠に迫る。

そのあまりの怒気に、姫瑠はその場に腰を抜かし崩れ落ちる。

「その魂、食ってやる!!」

「な、何なのよ。あんた。」

「な、何ですかあれはあれは、只者ではないとは思っていましたがここまでとは、

というか、マジでいてぇ。止める俺にこれとかマジで鬼かよ。」

「正解、」

「は?」

「だから先輩の正体、鬼で正解。」

「は、え?」

「魂を食らう鬼、吸血鬼ならぬ吸魂鬼。今じゃおそらく世界最後の生き残り。」

「は?」

「麗華、お願い!」

「全く、冗談じゃないわよ!なんで身内を止めるために力を使わないといけないよの!」

「殺すつもりで!」

「当然!!ドゥルガー!!」

麗華は空中に無数の武器を顕現させ、ライオンに跨ると、烈火を抑制する。

流石の烈火もただでは済まず、血の気の多い分の血を抜かれ、少し冷静になった。

しかし、四肢を刃に貫かれ、ライオンから降りた麗華に馬乗りにされながらも、

その眼は確かに姫瑠を捉え自由を奪っていた。

「あの呪符、鬼対策の為に作られた士条一族の英知の結晶、先輩にはこうかはばつくんだ。

のはずなんだけどどね。そんなに長く持たないだろうね。」

「鬼って、何なんですか、俺骨折られたの始めてたんですけど、たぶん折れてますよ。」

「昔々、この世界の人には魂がなかった。でも別の世界と重なることで向うの世界は肉体を、私たちは魂を手に入れた。でも、同じタイミングで、そうではないものがこっちの世界に入って来た。それが妖であり妖魔、精霊、神仏の類。先輩はそういうものと一緒に入って来た魂を糧とする鬼と呼ばれる捕食者、そのなれの果てだよ。」

「……よく分かりませんが、なんでラスボスを追いつめている時に内輪もめするんですか、」

「別に仲間割れしてるわけじゃないよ。愛が暴走しているだけ、君が説得に失敗したから」

「うまくありませんから、そういうの、それに失敗じゃありません。

まさか俺が本当に色香に惑わされたとでも思っているんですか!あれも一つの手です。

追い込んでダメなら、相手の手に乗って、」

「嘘つきなさいよ。本気で戸惑ってたでしょうが、これだからムッツリは」

「違いますよ。急に色仕掛けになった意味が分かりません。あの状況でそうなる理由がないでしょ。論理的な思考の中で、不合理な反応に戸惑っただけです。」

「あ、そうか、君見えていないんだったね。はいこれ」

勇騎は灯からゴーグルを受け取る。そしてゴーグルをつけた瞬間。目の前に白蛇が現れ、灯は透かさず、その白蛇の首を呪符で切り落とす。

すると白蛇は赤い煙となって消えていく。

その蛇だけではない。あたりには無数の白蛇が取り囲んでいる。

「……俺、正直蛇得意じゃないんですけど。なんですこれ、」

「ここは最初からこの子たちの邪気で満ち満ちている、だから君は気づかなかった。些細な変化はありはしない。ここは既に魔の窟だよ。彼女がなぜ色仕掛けをしたかだったね。」

灯が指さした姫瑠をゴーグルで見るとその眼は爬虫類の瞳が爛々と輝いている。

「あの目、レプタリアン、いやドラゴニアン、まさかウイッチャー」

「この状況でボケないで、後私は分かるけどそのボケ普通の人には通じないからね。

彼女は黒だって先輩は言ったでしょ。その理由があれだよ。」

「怪奇!蛇女。」

「あと一回、言ったら本気で怒るからね。」

「だいぶ痛みは慣れてきましたけど、物理的に突っ込まれるとあれなのでやめておきます。、で、どういう事ですか?」

「彼女はあの通り本物、蛇の呪いも彼女の仕業さ。君の訊問。言質こそ取れなかったけど、十分に成功だよ。あれを引き出した。証拠としても十分だし、あれは私たちの範疇だよ。」

「どういう事ですか?なんであんな姿に」

「おそらく、きららちゃんたちは白蛇にかまれ呪われた。

だけど凜さんだけは違う。きららちゃんたちより傷口は大きくずっと禍々しい。

おそらくその原因が彼女だね。彼女自身が直接手を下した。なんだかんだで見えていなかったのなら、先輩が割って入らなければ、呪いが効かないとはいえ君も危なかったかもね。」

「その姿、何処で力を手にした。」

「あなた、持っているわね、件の呪いのお守りを、」

力を解放した麗華と、冷静になっても火のついている烈火の二人に、姫瑠は詰め寄られる。

「何のこと、あなたたちは何?警察を呼ぶわよ。」

「この状況でまだ言い逃れできると思っているの?あなたが私たちの力が見える様に、私たちも見えてるのよ、今のあなたにふさわしいその姿が、」

本来であれば女性には甘い麗華だが、身内をやられては烈火程ではないにしろ、

穏やかではいられない。

姫瑠はそれでも彼らの背後から茂みに潜ませた蛇を同時にけしかけるが、

その悉くが瞬く前に、切り刻まれ、捻りつぶされる。

力を手にして間もなく、対抗できる力がいるとは考えてもいない姫瑠に打つ手はない。

「さてどうするこれが最後だ。あと一つでも望まぬ言動があれば、その魂を食らってやる。」

おおよそ人とは思えぬ形相で烈火は迫る。既に烈火を拘束する呪符は残り一つ

「別に呪いを解く方法がないわけじゃない。あなたに解いてもらうのが早いだけ。」

麗華は可能な限り神器を顕現し、言葉を口にする以外必要な自由を完全に奪う。

「「さぁ、答えろ」」


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