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青灰の魔導士  作者: 夜風りん
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第零話  魔導士の追憶


 ずっと夢を見ていた。

 両親みたいな『魔導士』と呼ばれる偉大な魔法使いになることを。

 そして、兄みたいな鬼才と呼ばれる日を。

 馬鹿みたいに妄信した。

 圧倒的な力で魔物を焼き払い、凛々しい表情で背筋をピンと伸ばし、涼やかな表情でたたずむ両親の姿に。そして、首席をキープし続ける誇らしい兄の姿に。

 いつかは、努力を続ければ兄や両親みたいに立派な魔導士となって、いや、彼ら以上の魔導士となって自分の名を世界にとどろかせるのだと、そう……、思い込んでいた。


 そんな日が、来ないなんて夢にも思っていなかったから。


 でも、残酷にも世界は夢を奪う。

 物心ついたころの記憶はもう、今や記憶の彼方に埋もれてしまった。

 いや、奪う痛みや、彼らのあげる断末魔が耳の奥から離れないから、すべてを失った今、こうして筆を執るまでに時間がかかってしまった。

 あの頃の私は何も知らない愚かな田舎娘で、本当に無知な小娘だったから。

 いくら魔法が使えても、いくら他人より魔法に優れていても、所詮は魔法の奥底さえ掠めたこともない純真な子供、

 その程度の娘に、魔法で他を傷つけ、そして、奪うことになった魔導士たちの深い深い闇の底を見定めることなんてできるわけがなかったんだから。

 そんな彼らにその私で勝てるわけがなかった。

 復讐だけを叫んでいれば、仇の名を呼び続ければ、その一端に触れることができるとでも思ったのか。今、考えてもわからない。

 わからないから、考え続ける。


 まあ、考えたところで応えは今でなら、そう。……目に見えているのだけど。



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