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境界線の向こう側  作者: 柚子
63/74

【61】

何故、洋子は昇格試験を受けることになったのか?


洋子はギルドカードにステータスを転写させる時にはシールドをかけている。異世界渡りとして数値がハンパないので、変に勘ぐられないよう必ず行っている。

これは各自のステータスは他人にわからないようにする措置であり、冒険者は皆シールドをかけるのが常識である。


但し、各ギルド長だけは立場上自身の責任と義務で閲覧できるようシールド解除の装備を整えている。


「ふうむ。こんなギルドカードは見たことがない。フリージア、アイリス、いいか?」


【ランク:A(???)】

コレは前代未聞だ。どの国王ですらSSSまでだ。表示されないということは今までにないランクだから表示出来ないんだ。


【職業:冒険者 Lv.51(魔導師 Lv.MAX)】

コレはより優位な職種変更をせずに来た結果だな。


【装備:双龍の腕環・夜月の剣・朝陽の刀・天翼の首環・大地の首環・風舞の耳環・月影の指環・博識の白梟・闇竜の紅玉・魔鏡の闇数珠】

コレは魔導器だけではない。スキルや称号に該当しないものが反映されているのだ。本来なら魔導器は複数装備できぬ。暴発して膨大な力に飲み込まれてしまうだろう。


【HP(生命力)#########/MP(魔力)#########】

コレも数値が前代未聞なのだ。表示出来ない単位なのだろう。


【スキル:感知・言語翻訳・採取・威嚇・回避・変幻・幻覚・幸運・剣術・薬術・ボックス・霊笛・探知・発掘・密偵・女優・暗殺】

コレは進化したスキルばかりだ。暗殺だなんて恐ろしいスキルは国王以外初めて見るぞ。


【魔法:Weather 】

コレは伝説の魔法だ。異世界渡りにしか持てぬ。別の言い方をすれば天使か悪魔か…


【称号:魔法陣術師・五色を纏う黒魔女・森の守護者・魔蟲の友・異界の使者】

コレも魔法と同様だ。伝説の称号が一つではなく複数とは初耳だ。


「ヨウコ・サトウ。各国王以上の存在だ。オズ皇子が箝口令を下されたのは聡明な御判断だ。フリージア、アイリス。お前達も言動には細心の注意をしてくれよ?」

「「承知しました」」


そして、洋子がギルドに顔を出した日に最高ランクSSSの昇格試験を受けて貰おうと準備をしていた。


アイリスが洋子を案内したのは筆記試験をするための部屋だった。

推薦者がいる試験は必須だと言い、各試験毎に魔導器の石盤を配られた。推薦者は洋子が親しくしている方ばかり。この世界で生きてきた軌跡だと頭の片隅で思った。

【魔導師】マギー・グラフィカル【治療師】カイル・ホワイ【薬師】モーザ・エンペラー【縫製師】ローザンヌ・ミラー【料理師】ケン・スズキ

そして【冒険者】の試験を合わせて、一度に6種の試験を受験したのでヘトヘトだった。


「お疲れ様でした。明日は実技試験です」


日頃ギルド長のアレックスは試験官として採点する事が多々ある。昇格試験ランクより下の者が採点出来ないし問題の流出や不正防止でもある。


「冒険者の解答は見事に正解ばかりだな。だが時々意味不明な言葉が出てくる。冒険者以外の採点は推薦者に頼らなければならんとは。場慣れしてるようだし集中力も賞賛の域だったな」


翌朝、採点が終了した結果をフリージアが顔を強張らせたまま、アレックスに渡すと盛大な笑い声を上げた。

「こりゃ実技試験が楽しみじゃわい」

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