【49】
洋子は素直な気持ちを述べた。
『Lucifer、貴方の事を良く知りません。率直に申し上げますと、今は弟への想いに似た友愛の感情を持っています』
ルシアは冷静に受け止めた。
「洋子は嘘偽りでは言葉を発しない。友愛、か。オレは子を宿す器になれとは言わぬ。洋子が欲しいんだ」
シャイン国のオズ皇子をよりパワーアップさせた俺様だ。ルシアはまだ幼い。見た目は大人びてるが、実際は成人していないだろう。まだ様々な感情に弄ばれている感が否めない。
『Lucifer、暫く滞在致します』
「永遠に?」
『し、ば、ら、く、お世話になります』
「わ、わかった。部屋を用意する」
ルシアの屋敷は広い。洋子は図書室に篭り魔界の地図や生態を学び知識を得る。庭に育成された植物や生物を観察する。龍達は関与せず、洋子の好きにさせていた。
〈洋子、魔王が妃と共に来るぞ〉
《ありがとう。玄丞の棲家なのよね?》
〈ククク…古巣だが常に往き来しておる。竜とは距離や時間は厭わぬ。水龍の言う通りだ。さぁ〜どう出るかな?あの坊は〉
魔王を坊扱いできるのは闇竜だけだろう。
「ルシアのお嫁さんじゃないのか。残念だな」
気さくな魔王が目尻を下げた。妃が妖艶な瞳で私を見た。
>>どうしよう?CGみたいに完璧な美女だ。
「ルシアには殿方がいいわ!洋子は私の妻に「ダッ、ダメじゃ!お前の伴侶は儂だけじゃぁ〜」
妃はうっとり夫を見上げる。
「ふふふふふ…貴方の伴侶は私だけよ?」
「ダイアナ!!あぁ〜愛しいダイアナ」
妃はダイアナと言うらしい。だが、
「オレの前で、いつもイチャイチャしてんだ。どうよ?この家庭環境は?」
『仮面夫婦より数倍良いと思えるよ?』
「順応性あるな、洋子は。だいたい皆、ドン引きだけどな」
『私達は空気の役でいいのよね?』
>>このまま激しく妖しい二人の濡れ場をガン見しなければならないのだろうか?
「いい加減にしろっ!!」
ルシアが一喝すると、二人は渋々ソファに座り直した。魔王は真面目な顔で言う。
「洋子、新しい娘として永遠に歓迎する。いつでも往き来するが良い。今から我が城へ招待しよう。会わせたい者がいる」
「魔族は人と獣、或いは人と妖の子。会わせたいコは、貴女と似た気を感じるのよ。私達にはわからないの」
………妃の言葉を聞き、洋子の胸に去来するのは悲しみ。溢れ出す哀しみ。
もしかしたら、私の知っている人だろうか?辛くても会わなければならない。
ルシアの本来の目的も、その者に洋子と会わせたいから呼んだのだとわかる。
『ルシア、お世話になりました』
ルシアは洋子を揺れる瞳で見つめた。
「バーカ!お世話してねぇし。オレも行くからな?」
一瞬で魔王の城へ転移した。




