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境界線の向こう側  作者: 柚子
1/74

【1】

初めまして。三十路のヒロインを描きたくて妄想いえ執筆しました。ど素人の拙い文章ですが宜しくお願いします。

私は目を開けた。

リュックを背負ったまま戸外で横になっている。冷んやりした空気は直接地面に触れておりゴツゴツして寝心地が悪い。腕をさすりながら、ゆっくりと身を起こしたら異変に気がついた。


『あれっ!?ここ何処?さっき飛ばされちゃった?怪我してなくてよかったけど』


先程までいた場所とは違う。周りの景色が一変していた。山あいの自然溢れる風景から吹き抜けで岩が積み重ねられた遺跡のような場所にいた。


そして、行動を共にしていた沙織がいない。今朝は研修のため移動中だったはず…


『まず、状況確認しなきゃ』


①土地勘が効かない場所で

②誰もいなくて私一人

③麦わら帽子とトランク紛失。

④腕時計は故障してて

⑤研修には遅刻


『遅刻!?ギャァアーー!!』


時間厳守な研修だからと早めに待ち合わせて来たのが水の泡だ。ボーナスに響いたら死活問題!

直ぐにスマホで連絡しようとしたら電源が切れていた。再起動させようとボタンを押しても画面は明るくならない。


『ぶつけちゃったのかな?壊れてるし。時間がわかんないってヤバい。私ってば迷子確定だわ』






少し時間を遡ってみよう。


私は佐藤洋子さとうようこ30歳。

黒髪でストレートロング、身長151㎝、体重は標準値(敢えて言わない。)仕事中、上司や後輩やお客様にナメられるから、童顔は悩みの種だ。

仕事は全国にある大手某スーパーでレジのリーダーをしている。人員管理や指導する立場なのに相手を見上げる状況って情けない。


今日から仕事で遠方の会社の施設で行われる宿泊研修だった。開催地が便利な都心部ではなく山あいにある古い建物で最寄駅からバスに乗り更に15分位歩く。周りには何もない雄大な自然美が広がっている。

そう、何もない。民家やコンビニすらない。お昼は各自お弁当を持ってくるよう言われている。料理が趣味の一つである洋子は張り切って作った。無機質なビル街から脱出できる貴重な時間なので楽しみにしてた。


ちなみに服装はスーツではなく私服で構わないのでお気に入りのスニーカーを履いて麦わら帽子を被った。綿のTシャツに肌触りが良いボーダーのロングシャツ。デニム素材のスキニーに靴下。

カジュアルな姿が玄関の鏡に映っていた。



『行ってきます』

トランクを手にドアを閉めた。



………パタン。



ドアを閉めた音がやけに耳に残った。






バス停で同期の木下沙織きのしたさおりが手を振るのが見えた。車内で隣に座って久しぶりに話した。日頃スマホでラインはするけど、仕事中の通話とはかなり内容も違うし。


見慣れた風景が目に入った。バスを降りて歩いて約10分。


角を曲がれば研修施設に到着という瞬間、辺り一面、霧に包まれて視界が遮られた。

「ええっ!?何も見えないよぉ~洋子!?」

『ほら、隣にいるよ?ジッとしてよ?』

洋子は腕を伸ばして右側にいる沙織の腕を掴んだ。



チチチチチ…



遠くで鳥のさえずりが聞こえる。薄手のコートを着ているのに何だか寒気がする。手探りでトランクに掛けていた薄手のコートを羽織った。濃霧の中、視界が遮られているせいか2人とも無言のままだった。



ゴゴォォオオーー!!



突風の勢いの激しさに思わず目をギュッと閉じた。吹き飛ばされそうになった麦わら帽子を両手で抑えた。気配で沙織もストールを掴んでいるのがわかった。



!!!!!



突風に身を竦めていたら洋子の体が宙に浮いた。樹々の葉枝に当たりそうだと身構えた瞬間、衝撃の痛みを感じる前に意識を失った。

まるで高い飛び込み台からプールまで飛び込んだような浮遊感を味わうこともなく…


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