エイルとルトの遭遇
まずは……僕の家は貧乏な大家族だとは話しましたよね。アレスタリアの一般住民層でもとりわけ厳しい生活をしていたんですが、幸いにも父の人脈が広かったのと弟達の顔が売れているのもあり周囲に非常によくしてもらえて、なんとか最低限もってはいました。
エイルの家大きいから、外側綺麗に見せなくちゃいけないので建てる時にお金かかっちゃったんだよね。食べ物もたくさんいるし……。
「大丈夫セリア? やっぱり重そうだよ、少しこっちの荷車に」
「もうさっきからそればっかり。私から言い出したんだもん、これくらい平気平気」
街を出て街道に沿ってずっと歩いていくと、何か所もの隣街まで行けるので僕達は行商人の真似事をして生計を立てていたんです。僕はいつも東や南へ出て三つか四つ街を回ってから帰ってくるルートが多いですが、その日は建材を仕入れに西の坑道の向こうにある街まで。そうそう、シャルさんが昔通ったっていう坑道ですね。妹が手伝ってくれたので早めにアレスタリアまで帰って来れたっけ。
「お兄ちゃんばっかりに苦労かけてるもの。たまには手伝わなくっちゃ」
「そう言っていつも一人は付いて来てくれるから随分と楽になってるよ。出先の街で目立っちゃうのがちょっと気恥ずかしいけどね……ほら、少し僕の方に移すから止めて」
「ん、ありがと。って言っても、もうすぐ着いちゃうけどね」
妹達は身内の贔屓目を差し引いても素直でしっかりした可愛らしい子でしたし、まだ小さい弟達は知らない街でも好き勝手にはしゃぎまわるから自然と目を引いて……だからでしょうね、未熟な若者にいつも客が足を止めてくれるのは。
「よし、それじゃ行こうか」
「わわ、痛ったたたっ!」
「あれ? 下から声が聞こえたような……」
街も目の前でしたからもう一歩きしようとした時に小さく悲鳴が聞こえて、そのすぐ後にはドスンって音と一緒にあのブーメランがすぐ近くの地面に落ちていましたね。もちろんそこにいたのがルトでした。
出たところがちょうどリヤカーの下って今考えてもひどいと思うよ!
「うう……ひどいや、両足ひねっちゃった」
確かにルト、半泣きだったよね。
「うわ、大丈夫君? 少し動かしたから巻き込んじゃったんだね」
「君は……いったいどこから?」
「あ、あのねボクルトっていうの。えっと……ちょっと別の時代から飛んで来ちゃったみたい」
「別の時代から? そういえば私そんな石があるって話なら聞いた事あるかも……」
「とりあえず、うちで手当てしてあげないと。なんとか背負っていくから掴まって」
その時は、特に何も思ったりしていませんでした。むしろちょっと動物くさい子だなぁって思ったくらいで、第一女の子だって気付いてればセリア――妹に頼んでいましたし。
も~、なんで見てわかんない人多いの! ボクは女の子だってば~!
なぜか分からないけどルトはスタイルとか以前の全体の体つきが小さい男の子そっくりなんだって。それにほら……髪の長い男の子だったら、うちにもいたからね。




