ゴブリン村の親玉~
― ゴブリンの村 深夜 ―
2匹のゴブリンからしっかりとスキルをいただき、着てたものを剥ぎ取っていく。一応泉で洗いたいから今は装備しないで〈アイテムボックス〉に仕舞っておいた。
空を見上げるとうっすらと夜が明けてきていた。月は出ていたようで赤と白、二種類の月が出ていてユキは少し驚いていた。今気付いたようだ。
月が出ていても森の中は真っ暗でほぼ何も見えないくらいに暗い。木の葉などで遮られて見えず、月や太陽をあまり気にしてなかったからだ。
“今度月見でもしたいな~”と思いながら村の中心の家に向かう。おおよそこの村のゴブリンの長、ボスが居るのだろうと予測が出来た。
う~ん、あの家で最後何だけどね~。
さっきの戦闘とかで絶対起きてるよ、その場から動いてないけど。今度は慎重に行かなきゃ!
「せぃやぁー!」
ドカァ!!!
ハッハッハー!そんなこと言うと思ったかぁ~!ここまで来たら正面突破だぜぇ~♪
よっと、さてボスはどこにいるかな?おお、あそこにいるな。土煙が立っててシルエットしか見えないけど。
.....なんか大きくない?ボクの身長が正確には知らないけど今は大体154cmくらいだと思うけど、軽く越えてるっぽいんだけど。
だ、大丈夫さ、きっと、たぶんね。す、ステータスの確認を~.........
あれ!?使えない!なんで!?
あれかな!?シルエットではなくしっかりと本体を視認しなきゃかな?よ~し、なら晴れるまでまとっ!危なぁー!
視界が悪い中、ユキは煙が晴れるのを待とうと思った矢先に影のようなシルエットが目の前に接近して何かを横凪ぎに振ってきた。
ユキは後ろに跳び、外に出て距離を取った。これで本日2回連続の出来事だ。ドアを開けると急に攻撃されて外に逃げるばかりだ。
と、そう考えている内にゴブ共の親玉が出てきた。煙の中から出てきたのは青に近い灰色の肌、額の中央からは同色の角、服は腰に布1枚のみだ。身長は3mはあるかもしれないほど大きい。
そしてなによりあの筋肉が凄く、腕なんてユキの胴体くらいあり殴られただけで挽き肉になりそうだ。武器は大剣を右手で持っている。
瞳は黄色く余裕の色を浮かべていて愉快そうに口角を上げていた。
ユキは急いで鑑定視を使いながら剣を構えて警戒する。どうやらちゃんと相手を視認したからか、今度はしっかり発動した。
名前
種族 オーガ
性別 オス
危険度 D
Lv 12
HP 980/990
MP 75/75
STR 280
DEF 172
AGI 105
DEX 52
INT 44
MDF 79
〈 特異スキル 〉
〈 スキル 〉
剣術 Lv 3
皮膚硬化 Lv 2
腕力上昇 Lv 3
再生 Lv 3
〈 装備 〉
武器‐破岩大剣・STR上昇
.....
.............
...........................へ?
なんじゃそりゃあーーー!!!
オーガぁ!?ゴブリン系じゃないの普通!!
それにさすがボス!ステータスが凄すぎるよ!!
力じゃ負けてるよ、他のと比べても飛び抜けて高いね~。あんな大剣で切られたらほんとに挽き肉コースになっちゃうかも知れない.....はぁ。
こうなったら知恵と勇気と根性でくぐり抜けようぜ~♪あの顔にガツンと殺ったるよ~。
ユキは駆け出しながら『ファイアーボール』をオーガに放つ。数は5球でオーガに迫るが大剣の腹を横凪ぎにしてすべて消されてしまう。
だが、振り切った瞬間に全力で踏み込み、相手の懐に潜り込んだ。
オーガは少し驚きの表情をしたが即座に反応し左手で殴りかかったがユキは屈んで避け、左足に斬りかかるが薄いキズが出来ただけですぐに塞がってしまった。
が、血を手に入れることが出来た。掴みかかろうとするオーガを避けて距離を取り血を含み、飲み込んだ。
「ゴォオアアアアアア!!!」
苛ついたのか怒り、叫びながら走ってくる。あの巨体にしては速い速度で向かって来たので延長線上に『影刺し』を発動する。イメージ的には斜めに2m位と考えながら使うと、MPを4~5倍位、体から抜けた。発動した『影刺し』は斜めに伸び、前回よりも太く、長くなってそこに現れる。
オーガはこの暗い中、自分の方に傾いた闇色の針に気付いた様だが自分の体に自信があったのだろう、構わずに突き進む....が
「ゴォア!?」
『影刺し』に突っ込んだオーガは腹筋の辺りで受け止めたが折れることは無く、ズプッと背中まで貫通しその体を停止させた。
そこに追い討ちを掛けるように背後から『影刺し』で背中を突き刺し、動けないように固定した。
ユキは今度は詠唱した『ファイアーボール』を相手にぶちこんだ。さっきと同じ魔力量を使って発動すると無詠唱よりも大きい玉ができ、飛んでいく。
オーガは通常なら対処できただろうが自信があった自分の体が貫かれたことに困惑していたのだろう。もろに顔面に受けてしまう。
「っ!ゴォォアアアア!?!?」
オーガは顔面が焼け、黒く焦げていく。もう目は見えていないのだろう、絶叫を上げながら右手に持った大剣を滅茶苦茶に振り回している。『影刺し』の針にも当たったが切れないようでそれでも何回も打ち込んでてまるで駄々をこねた子供のようだ。
ユキはトドメに錆びた剣を顔に投げつける。
ヒュンーーードス!
ユキの上がった動体視力、それにオーガから奪った〈腕力上昇〉による力と〈投擲〉による補正が合わさってオーガの口に刺さり後頭部を突き破り、体をビクンッと震わせた後動かなくなった。
ステータスを確認してしっかりとトドメをさせたかがわかるとふぅ~と一息ついた。
「疲れたぁ。これで終わりかな~」
周りに気配はな~し♪全滅完了だよ。
オーガヤバかったね~。あんな巨体だから威圧感スゴいの。魔法の耐性高かったら危なかったよ。
ユキは戦闘の疲れを座って休みながらオーガからスキルと大剣をいただいてオーガの角も一応貰っておいた。火で焼かれても何も変化無かったから気になっていたのだ。
あらかた貰うとオーガのいた大きな家に入って物色し始めた。すると他の家には無かった金品や武器が部屋の端に集められていたので、それらを見ていく。
「............っ!やった!」
金品は主に硬貨のようだが〈鑑定視〉で視た中に思わず言葉に出すほどいいものがあった。
【金貨(シル硬貨)】
世界的に使われている硬貨。
表裏両方に世界樹の紋様が浮き出ている。
純金製。1000000シル
お金だ~♪この世界のお金はやっぱり硬貨なんだね。金貨の他に銀貨、銅貨、鉄貨があったけど価値ががわからない~。
まぁ金貨が一番良いのはわかるけどね~。シルの桁が一番多いから。こんな感じだよ。
金貨 - 1000000シル
銀貨 - 10000シル
銅貨 - 100シル
鉄貨 - 1シル
ってなってて、金貨が一番数が少なくて貴重そうだしね。金だし。
金貨12枚、銀貨43枚、銅貨85枚、鉄貨160枚も手に入れたからこの世界で無一文じゃ無くなってもう街とか行けるぜ~♪
ふんふんふ~ん♪他に良いのはな~いかな~♪
硬貨を〈アイテムボックス〉に入れて他にあった錆びた剣類を入れていく。レベルもまぁまぁ上がってきたので収納量が増えて結構入る。
その中でも鉄の短剣は錆びて無くて良品だったので一緒にあった鞘に入れて革のベルトで後ろに装備しておいた。不意討ちには短剣とかの方が殺りやすい。
「ん?これは~.....金属プレートかな?あ!何か書いてある」
名前 アルス・シルファール
種族 エルフ
性別 男
冒険者ランク C
おお!冒険者だ!そしてエルフ!いるんだ~、会ってみたいよ♪
でもここにあると言うことは...合掌。
つまりこれは形見になるのか。街に行くときになったら届けようかな。他にもあるし。
ユキは〈アイテムボックス〉にすべて入れ終えると家から出て死体は放置して拠点に向かって走っていった。拠点の方向の逆から狼の群れ?が来てるから全部食べてくれるだろう。
速度は速く周りの木々が霞むように後ろに消えていく。そこまで時間が経たずに拠点に着けた。この体はあまり疲れなくていい。
やりたいことはいろいろあったが泉で汚れを落とし( 脱いでないよ!)、拠点に入って睡眠を取ることにした。しっかりと出入り口を閉じ、横になった。
疲れは感じなくても体は疲れていたのだろう、次の日の朝までユキは起きること無く熟睡した。
現在のユキのステータス
名前 ユキ
種族 吸血鬼
年齢 16
性別 女
Lv 11
HP 320/480
MP 190/360
STR 238
DEF 82
AGI 208
DEX 116
INT 218
MDF 91
〈特異スキル〉
異世界言語翻訳
吸血ノ聖姫
〈スキル〉
剣術 Lv 4 ‘1up’
投擲 Lv 1
鑑定視 Lv 3
気配探知 Lv 3
魔力探知 Lv 1 ‘新’
隠密 Lv 3
隠蔽 Lv 4
暗視 Lv 1
再生 Lv 4 ‘2up’
魔力回復上昇 Lv 1 ‘新’
腕力上昇 Lv 3 ‘新’
脚力上昇 Lv 2
詠唱速度上昇 Lv 1 ‘新’
皮膚硬化 Lv 2 ‘新’
アイテムボックス Lv 3
火魔法 Lv 2
土魔法 Lv 2
光魔法 Lv 1
闇魔法 Lv 1
〈 称号 〉
はぐれ転移者
吸血鬼の姫
リンルア神の加護
〈 装備 〉
武器 - 鉄の短剣
ステータスのスキルが上がると‘~up’っと加えました。
早く主人公以外の人物を出したいです。