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いざ夜襲!ゴブリンの村~

― リクルの森 深夜頃 ―



 ふっふっふ!ついにこのときがきたか。今こそ!奴らゴブリン共を一匹残らず葬り去ってやる!!


.......はい、すいません。テンション上がってました。

いやだってね?夜遊びに出かける、みたいな感じでテンション上がるんだよ。

 それに吸血鬼だからかな?気分が昂るんだよ。この高揚感を抑えられないっ!

 まぁ一匹残らずは倒すけどね。拠点にちょっと近いし、憂いを残さないようにね?


 ユキはそう考えながら準備をしていく。使ってる剣の他に予備として奪ってあった剣を数えておく。全部錆びてるけど...

 準備出来たら拠点の出入り口を塞いでおき、泉の水を飲んで水分を補給してゴブリンの村に向かった。


「うわぁ、何かうじゃうじゃいるなぁ~」


 ユキが歩き始めて数分後、段々と森の中に生き物が動いているのが〈気配探知〉でわかった。歩き始めは少なかったが後々になるとどんどん増えて来る。たぶんゴブリンの村の方を狙っているからか、拠点の近くにはいなかったようだ。

 〈隠密〉を使い気配がする場所を避けながらゴブリンの村に向かう。近くなってくると魔物が多く周りを彷徨ってているようでユキはまずそちらを片付けようと考え、行動に移した。

 まず自分の近くの魔物を葬っていく。相手は大体が黒狼でたまに白い狼もいた。うまく背後に近づいて声を出させないように首を切り落としていく。もちろん血を飲んでスキルは奪う。

 けど時間がないので複数スキルを持ってるやつから1つしか奪えなかったのでそこは残念に感じた。


 あ~もう!数が多いなぁっと!


 ザク!...ドサッ


 ユキは最後の一匹の首を切り落としてやっと一息ついた。


「あむ!コクッふぅ、やっとゴブリンの村に行けるよ。あぁ~この剣もうだめかな。けっこう使ったから愛着あったのにぃ」


 肩を落としながら剣を〈アイテムボックス〉に入れて予備の剣を取り出す。右手にしっかりと持ちながらゴブリンの村、略してゴブ村に近づいていく。


 やっと行けるなぁ~、役に立つのが有ればいいんだけど...


 周りの魔物を後ろからサクッと殺ってる時に〈気配探知〉でゴブ村を調べておいたが昼間よりも数が増えていた。おそらく出ていたゴブリンが戻ったのだろう、今じゃ50は軽くいるかもしれない。

 ゴブ村はそれほど大きくない村で、中心に大き目の木造の家が建てられており、その周りには小さめの家と布で出来たテントみたいなのものがあり、そこにゴブリン達がいると感じられた。

 しっかりと見張りはいるようで四方向にいるが、こちらからは2ヶ所しか確認出来なかった。


 うそ~、増えてるよぉ!

 ちょいと多すぎはしないかなぁ!?これは見張り倒しても気付かれる可能性が上がっちゃうよ~。ほら血のにおいとかでね?

 でもまぁ急げば何とかなるかな?考えても仕方ないか、ここまで来たんだし。この銀髪も目立つからね~。何度見つかりかけたことやら。だがその前にサクッと片付ければ問題ない~♪

 よし、行ってみよ~♪


 見張りのゴブリンは2匹づつおり、うまく視線が別の方向を向いたときに走り出し、相手の背後をとる。〈隠密〉のスキルが上がった時に忍び足?みたいな足音を消すことが出来るようになっているので気付かれずに行けた。

 右手の剣に力を込めて横に一閃、2匹同時に首を切り落とした。飲血しスキルをいただいた。さすがは見張り、〈暗視〉を持っていたのでありがたく貰った。手に入れた瞬間にうっすらと周りが見えやすくなって真っ暗のときとか便利そうだ。

 そのあとも同じ事を三回繰り返し、見張りを全員無力化することに成功した。


「危なかったぁ~。もう少しで仲間起こされる所だったよ」


 ユキが3ヶ所目のゴブリンを無力化してるときに最後の見張りが最初に倒したゴブリンの方に移動を始めていたからだ。

 今回はバレる前に速攻で片付けたが声でも上げられてたら寝ていたゴブリン達が起きて逃げざるをえなくなっていたかもしれない。このことにより村の警備が増やされて難易度が上がってしまうことになる。

 ユキは安堵しながらも気を引き締めて村の近くにあった家から入っていく。


「っ!!!」


 ドアを音をたてないようにゆっくりと開けて中に入ると鼻につくような酷い悪臭が漂っていた。腐った血の臭いと一匹一匹だと臭くてもマシだったのが、集まって密閉した部屋の中にいることで悪化して、地獄のようになっていた。

 そのなかでゴブリン達はいびきを立てながら雑魚寝していて、足の踏み場がほとんど無い状態だった。


 臭いがキツいなぁ~。思わず声が出かかったよ。きっとこいつらには換気すると言うことが無いのかな?

 この中で飲血するのはさすがに嫌だよね~。やるしか無いけど.....この数を速く終わらせてさっさと帰りたい気分だよ。

 まぁ声を出させないように瞬殺を心がけよう、首を切り離す方向でいざ行こう。


 物音を立てないようにしながら一匹づつ確実に仕留めていく。ここからは同じような動作を繰り返していき、切る、飲血、次へみたいな感じで何回も行っていく。切る時の切断音はいびきでほとんど消えたので問題は無いが、血を飲むのが辛い。

 大体10匹くらいを殺り終えるとこの家のゴブリンは終わり、次に行く。

 わかったことは家は10匹くらいでテントみたいなのもが3匹くらいで寝ていて、食べ残しなどが端に放置されていたことだけでいい物は無かった。

 真ん中の一番大きい家と隣の少し大きめくらいの家以外は問題なく終わらせることが出来た。

 少し大きめの家に先ずは行くことにした。


 ん?数が少ない?2匹しかいないね。そもそもここと大きい家を合わせて3匹しかいないよ。他のゴブリンよりも偉い、と言うことかな?

 これはスキルでいいのが有るかも知れないね~♪


 ユキは少し上機嫌になりながらも、先程と同じように入っていこうとドアを開けて入ろうとすると


 ボォォォ!!ーーーーボン!


 ユキは咄嗟に回避行動をして横に跳び、避ける。その瞬間開いたドアからバレーボールサイズの炎の玉が飛んでいき、髪の先を燃やし、家にぶち当たった。家は当たった箇所からどんどん燃えていき、家全体を炎が包む。

 肉の焼ける臭いがしてきてユキは冷や汗が頬を伝う。一歩遅ければあれを自分が喰らい、死にはしなくても結構なダメージになっていたと思うと少し青ざめた。


 うそぉぉぉお!!!火が飛んできたんだけど!

え~と、これは魔法だよね?もしかして火の魔法ですよね!!

 危ないなぁ~、開けたら中から飛んできたんだもん。ビックリだね。

 だが、あのスキルを貰えれば肉が焼けるし、暖もとれる。絶対欲しい!!

 っ!出てきた!


 少し焦げたドアの向こうから2匹のゴブリンが姿を現した。今までのゴブリンより伸長が高くて両方共130cmくらいはある。

 服もしっかりとしていてフード付きのローブを着けてるのと革の胸当てを着けて下は布の服を着ている。

 ユキは鑑定視を使い、相手のステータスを視た。


 名前

 種族 ゴブリンメイジ

 性別 メス

 危険度 E

 Lv 11


 HP 142/142

 MP 111/116


 STR 21

 DEF 19

 AGI 18

 DEX 64

 INT 84

 MDF 35


 〈 特異スキル 〉



 〈 スキル 〉


 火魔法 Lv 2

 魔力探知 Lv 1

 

 〈 装備 〉


 武器‐木の杖


 防具 - 外装 - 黒のローブ



 名前

 種族 ゴブリンメイジ

 性別 オス

 危険度 E

 Lv 12


 HP 129/157

 MP 75/121


 STR 31

 DEF 52

 AGI 25

 DEX 68

 INT 102

 MDF 27


 〈 特異スキル 〉



 〈 スキル 〉


 土魔法 Lv 2

 魔力自然回復 Lv 1

 詠唱速度上昇 Lv 1


 〈 装備 〉


 武器 - フィユルの杖


 防具 - 体 - 黒狼毛の胸当て



 っ!!!!!

 欲しいです!そのスキルに装備!求めてたのが来たよー!俄然ヤル気出た~♪

 それにしてもゴブリンってメスいるんだね~、今までオスしかいなかったからいないかと思ってたよ。

 まぁいい。相手がメスだろうと何だろうと関係無いね。生きるか死ぬかだから恨みっこなし~。


 ユキは駆け出し、相手に迫る。先ず狙うのはメスの方、防御力が弱い方に行く。念のためさらに離れていたが、すばやさは高くなりさらにスキルによって上げられているため結構な速さで相手に到達した。

 だが今回のゴブリン達は焦らずにオスは防御に、メスは後ろに下がりながら詠唱を行ってきた。


「邪魔ー!」


 ユキは剣を降り下ろすふりをして下から思いっきり上に蹴りを放つ。


「ギィギャ!っギィアーー!」


 オスのゴブリンは反応出来たがユキの馬鹿力と〈脚力上昇〉による蹴りは受け止めきれず上空に4mぐらい打ち上げられそのすきにメスのゴブリンに迫るが、相手の方が一歩早かった。


「ーーーーーーーーーー、『ファイアーボール』!」


 メスのゴブリンから少し離れた場所から火の玉が形成され、僅か数秒で放ってきた。ほとんど近くにいたため避けることが出来ない。

ならばとユキは剣を両手で握り、力の限り降り下ろす。先程と同じ大きさの火の玉にぶち当たり、通り抜け.....消えた。文字通り火の玉を消すことに成功出来たのだ。

 メスのゴブリンは殺った!っと思っていたのか喜びから驚愕へと顔を変えた。ユキはそのまま接近し、固まっている相手の額に突き刺し、引き抜いた。メスのゴブリンはHPが0になり即死した。

 ユキは剣に付いた血を指で拭き取り、口に含んで飲み込んだ。もう一匹へと視線を移す。

 オスのゴブリンは落ちた後、こちらを向き勝利を確信していたのが、逆の展開になったことにより表情は怒りで酷く歪ませ、ユキに杖を向けていた。仕返ししようと思っているのだろう。


「ーーーーーーーっ!!!ギィィア!!!」


 だが、オスのゴブリンの詠唱よりも速くユキは動き相手の両足を太股の辺りから切った。痛みにより詠唱中だったが強制的に中断させた。

 剣に付いた血を飲んでまたスキルを奪っておく。ユキはその場で止まりまたスキルを奪えるようになるまで待った。


 ふぅ、やっと一息つけたよ。初めて魔法使うやつと戦ったけど接近すれば楽だね。

 でも詠唱が有るなんて今知ったよ。でもボク使えたんだけどなぁ~...後にしよ。

 それにしてもグロいのには馴れてきたね♪まぁさんざん首切ってきたし、当たり前なのかな?

 それよりもあの装備!傷つけないようにするのは面倒だね。魔法やら切る場所やらを気を付けないといけなかったしなぁ。時間かかった。


 いろいろ考えて注意を別に移しているユキをチャンスと思ったのかオスのゴブリンは詠唱を始めた。


「ーーーーーーーーーー、『アーススパイク』.....っ!」


 何故か発動しない呪文にオスのゴブリンは混乱して何度も何度も呪文を唱える。それでも発動しないのでオスのゴブリンは逃げることにした。

 両手を使い這うように逃げるが、目の前に剣を突き立てられ止まってしまう。


「逃がさないよ?本当はトドメ刺した方がいいんだろうけど、味が不味くなるからね~。それに魔法も使えない君はもう終わりだよ、諦めてボクの生きる糧になってね♪」


 その言葉を理解出来たのか、出来なかったのかはわからないが何もしないと言うことは諦めたのだろう。ユキは先程の言った言葉を思い出し、“あれ?ボクって他から見たら悪役じゃない?”と思いながら2匹のスキルを奪うために待ち続けた。



現在のユキのステータス


 名前 ユキ

 種族 吸血鬼

 年齢 16

 性別 女

 Lv 8


 HP 320/360

 MP 240/270


 STR 180

 DEF 62

 AGI 157

 DEX 92

 INT  164

 MDF 70


 〈特異スキル〉


 異世界言語翻訳

 吸血ノ聖姫


 〈スキル〉


 剣術 Lv 3 ‘1up’

 投擲 Lv 1 ‘新’

 鑑定視 Lv 3 ‘1up’

 気配探知 Lv 3 ‘1up’

 隠密 Lv 3 ‘1up’

 隠蔽 Lv 4 ‘1up’

 暗視 Lv 1 ‘新’

 再生 Lv 2

 脚力上昇 Lv 2 ‘1up’

 アイテムボックス Lv 3

 火魔法 Lv 2 ‘新’

 土魔法 Lv 2 ‘新’

 光魔法 Lv 1

 闇魔法 Lv 1

 

 〈 称号 〉


 はぐれ転移者

 吸血鬼の姫

 リンルア神の加護


 〈 装備 〉


 武器 - 鉄の錆びた剣

 読んでくださり、ありがとうございます!

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