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狩って狩って狩りまくる~

「はぁ!」


「ギッ!!」


 ユキは手に持つ錆びた剣でゴブリンの首を切り落とす。その動かなくなったゴブリンに近づき首の切断口から血を指に着けて口に含み、飲む。


「コクッ、ふう。味はいいんだけどなぁ~、このねばねばの口当たりがなかったらいいのに」


 ユキは辺りを見渡す、少し奥まった所まで進んでいた。回りの景色はほぼ変わらず、気をつけなくては迷子になりそうだ。

 ここまで来るのに数回戦闘があったけどすべて倒した。全部ゴブリンだ。もちろんスキルがあるやつは飲血してる。抵抗感もほとんど薄れて、死体のグロさは無理矢理にでも克服した。

 今は木に背を預けて座り込んでいる。休憩していた。


「ん?左からゴブリン以外の気配がする?獣系の魔物かな?」


 左側からから真っ直ぐこちらにやって来る敵にユキは剣を握り、左に生える木から顔を出して相手を確認する。

そこには黒い毛をした大型犬みたいなのがいた。こちらを睨みながら小走りで近づいてくる。戦闘の前に〈鑑定視〉で相手のステータスを視る。


 名前

 種族 ブラックウルフ

 性別 オス

 危険度 E

 Lv 7


 HP 121/124

 MP 10/10


 STR 40

 DEF 25

 AGI 62

 DEX 22

 INT 5

 MDF 8


 〈 特異スキル 〉



 〈 スキル 〉


 気配探知 Lv 1

 隠密 Lv 1

 脚力上昇 Lv 1


 うわぁ~、ゴブリンよりも強そうだよ。でも狼って群れで行動するとかなかったっけ?でも〈気配探知〉には引っ掛からないし、一匹狼かな?これは、あれをやるしかないね。よし!行きますか!


 ユキは剣を持ち直して木の裏から飛び出てブラックウルフに向けて走り出す。相手は自分の行動に面食らっていたがすぐさまこちらに走り込んで来た。

 やはり、AGIの数値はボクの方が高いけど相手はそれを上回ってる。あのスキルかな?

 正面まで来たブラックウルフはその鋭い牙で首もとを狙ってくる。それをギリギリ左にステップを踏んで避ける。通り抜ける時にブラックウルフの胴体部分に切りつけた。だが、攻撃に反応して浅い傷をつけただけで逆に相手の爪を左肩に受けてしまった。


「ぐぁ!!」


 そこにブラックウルフが追撃して来たが後ろに飛んで避けて距離を取り、お互い睨み会う。


 痛い!...くぅ~、傷口が燃えるように熱いよぉ。前に軽トラに轢かれた時よりかはまだ大丈夫な痛みだから堪えられるけどこれ以上は痛みで動けなくなりそうだなぁ~。痛みは早々に馴れないと戦闘の時に隙が出来て殺られるよね。再生で直ぐに治るようになりたいなぁ~…..今も治してるけどね。

 生命力見たけど20も減ってたよ...怖いなぁ。さすが防御力が一番低いだけのことはある、けどここまでだよ!


 ユキは剣に着いた血を指で取り舐める。その隙をついてブラックウルフは接近して攻撃を仕掛けようとして驚愕している。なぜならさっきの動きよりも明らかに遅くなっていたからだ。

 そんなブラックウルフにユキは先程よりも速く相手の元に行き、剣をブラックウルフの首に振り落とす。自身の身に起きた変化に戸惑っていたブラックウルフは油断していて、ユキは手に感じる手応えと共に首を切り落とした。


「や、やったぁ~。勝てたぁ!」


 いや~、一撃いいのもらっちゃたよ。でも〈脚力上昇〉スキルを奪った後は相手の速さが遅くなって、逆にボクは脚力が上がってるから簡単に倒せたなぁ~。あと相手の油断。

 戦闘中に初めて〈吸血ノ姫〉のスキル使ったけど成功したね。これで格上の敵に会っても勝てる確率が上がるといいけど....相手に血が無かったり傷がつかなかったりしたらボクほんとヤバイね。

 よし!後は待って残りのスキルを奪おうかな。


 ...20分後。


 うくっ!時間が経つと血の味が悪くなってて不味い!死んでからすぐに飲んだとして...飲めて最高3回かな。これ以上は相当覚悟が入りそうだよ。


「ふぅ~、さてと!そろそろ暗くなってきたし拠点に戻ろうかな。今日の夕飯もまたラノフの実かなぁ~。肉食べたい...」


 ユキは愚痴をぼやきながら来た道を戻っていった。



 ― サバイバル3日目 ―



 さぁ!周りの探索に出かけよう!今日こそはラノフの実以外の食べ物を探しだそうか。もう同じものばかりだと気持ち的にも栄養的にも駄目だと思うんだよ。

 じゃあサクサク進もう♪


 ユキは今回は西の方に歩いて行く。〈気配探知〉が狼から吸収した時にスキルレベルが2に上がることが出来て、今の探知できる範囲は100mと広くなった。

 これにより魔物を探し出す頻度が増えて、うまく一匹になった魔物や2~3匹のゴブリンなどを狙いやすくなった。出来るだけ倒しながら進んでいく。


「せぁー!」


「ギァ...」


「ギィーー!ギィギャギャ!」


「うわっ!危なかったぁ~」


 ユキはゴブリンを2匹相手をしていて片方の首を刎ねるがその隙にもう一匹が剣を降り下ろしてきた。ギリギリ後ろに飛んで避けたが目の前を剣が通りすぎて、あと数秒遅かったら頭が2つにされていたと思うとゾッと顔を青くした。

 相手のゴブリンは仲間を殺されたからか憤怒の表情でこちらを睨み付けている。

 ユキは睨み返しながら魔法を唱えた。


「この!『影刺し』!!」


 ぶちゅ!


「ギィアーーー!」


 ユキの体から魔力が抜けてゴブリンの真下から黒い針がゴブリンを足の間から脳天までを突き刺した。断末魔を上げながらゴブリンは即死し動かなくなった。2匹の血を飲み、スキルを奪うと2匹の持っていたスキルがスキル欄から消える。後は剣を回収してアイテムボックスに入れてからまた歩き出す。


 ふぃ~、疲れてきたなぁ。てかゴブリンが多い...結構倒したよね~。おかげで剣術とかのスキルが上がったよ♪レベルも上がってきたしね。

 ん?気配が複数する...村かな?20~30くらい居るけど一応見ていこうかな?


 ユキは急ぎ足でその場に向かう。複数になると気配が何かはわからなくなるのでユキはこれだけいるなら人だろ、と思い込んで村がある場所に向かった。

 隠密を使いながら段々と近づいていく。隠密は動いてると効果が薄くなるがスキルレベルが上がっていたので大丈夫だと思い、目的地から10m付近で止まり木の裏から覗き見た。

 そこにはユキの考えていた村とは違うがそこには確かに村があった。ただ住んでいる住人が違うだけである。そう、今まで何十回と見て同じ数殺してきた相手だった。


「うわ~、ゴブがうじゃうじゃ居るよぉ~…..少し気持ち悪いなぁ」


 どうしようかな...さすがにあの数は倒せないよね。でも正面から殺り合う必要は無いから、〈隠密〉からの不意討ちで行こうか。

 〈気配探知〉で夜も大分安全になっただろうから夜に決行しよう。寝静まった所を不意討ちで一網打尽にしてやるぜぇ~♪


 ユキは一旦拠点に戻り、剣の手入れして早めの夕食を食べてから夜に向けて眠りについた。




現在のユキのステータス


 名前 ユキ

 種族 吸血鬼

 年齢 16

 性別 女

 Lv 6


 HP 160/280

 MP 100/210


 STR 145

 DEF 50

 AGI 125

 DEX 76

 INT  130

 MDF 56


 〈特異スキル〉


 異世界言語翻訳

 吸血ノ聖姫


 〈スキル〉


 剣術 Lv 2 ‘1up’

 鑑定視 Lv 2

 気配探知 Lv 2 ‘1up’

 隠密 Lv 2 ‘1up’

 隠蔽 Lv 3 ‘1up’

 再生 Lv 2

 脚力上昇 Lv 1 ‘新’

 アイテムボックス Lv 3 ‘1up’

 光魔法 Lv 1

 闇魔法 Lv 1

 

 〈 称号 〉


 はぐれ転移者

 吸血鬼の姫

 リンルア神の加護


 〈 装備 〉


 武器 - 鉄の錆びた剣

お読みいただきありがとうございます!

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