私の不幸と幸運 (ルティア視点)
私の名前はルティア・シルファールと言います。何故家名が有るかと言うと父が貴族様だからです。
何でも何処かのお国が魔物の大群が押し寄せてきた時に防衛戦で活躍して貴族になったそうです。まぁだからと言って名ばかりの貴族なので暮らしが豪華になることは無くて、その後は母とこの街に移り住んだと聞きました。でも母は小さいときに流行り病で亡くなりました。あまり記憶がありませんがいい母だったと思います。
その後は実力のある冒険者の父はこの街では有名で稼ぎはよく、食うに困ることは無く、父とお姉ちゃんの3人で幸せに暮らしていました。
そんな当たり前だと思っていた幸せは突然崩れました。
父が亡くなったのです。
あの時は実感がありませんでした。朝に行ってらっしゃい、と言うといつものようにお姉ちゃんと一緒に“行ってきます”と微笑みながら行った父がもう帰ってこないなんて思いたくありませんでした。けど傷だらけで泣きながら帰ってきたお姉ちゃんに抱き付かれ、何度も「ごめん、ごめんね」と謝られている内にあぁ、本当なんだと実感した後はお姉ちゃんに抱き返し、胸に顔を埋めてお互いに泣き疲れて眠るまでベットの上で泣きました。
その日から数ヶ月、お姉ちゃんは今まで以上に過保護になりました。ほとんど家から出してもらえません。私も最初は大切にされて嬉しかったのですが守られてばかりは嫌でした。
それに貯めていたお金は有るとはいえ、使っていけばそう遠くない内に無くなります。お姉ちゃんは稼ぎのために冒険者を続ける、と言っていましたがあれは嘘です。たぶんお父さんの仇を取るつもりだと思います。
私も仇を取りたい。けどお父さんから教えてもらった魔法はまだ少なく、私には無理だとお姉ちゃんに言われました。ならばとお姉ちゃんがいなくて家事が終わった後に練習することにしました。
練習場に選んだのはリクルの森。お父さんの仇がいる森です。絶対に強くなるんだと毎回頑張りました。そのかいあってか森の魔物も倒せるようになりました。
使える〈精霊魔法〉も増えて、こうして目に見える形でわかると嬉しくなります。そんな私は浮かれていたのでしょう、今日もいつものように意気揚々と出掛けます。
.....後を着けてくる人影に気付かずに。
「ーーーーーーーーーー、『ファイアブレット』!...ふう、今日はこれくらいで帰ろうかな」
一息ついて魔法の着弾点を見る。1ヶ月前よりも大きさが上がり、今では30cmを越えたくらいになった。早くお姉ちゃんに追い付けるよう頑張ろう!と決意した。
パキッ
その時、背後から木の枝が折れる音がした。弾かれたように後ろを向くと怪しい男が二人、ニヤニヤしながらこちらに歩いてくる。咄嗟に距離を取りながら相手を睨み付ける。
「何ですかあなた達は!」
「あ~、バレちゃったじゃん。お前のせいだぜ」
「すまんすまん、今度からは気を付けるな」
このおじさん達は危ない。精霊が注意してくるなんて。早く逃げなきゃ!
ルティアはすぐ半回転して男たちから逆に走り出した。ルティアの特異スキル、〈精霊の囁き〉は己に危険が迫ったときに精霊が報せてくれる、と言うもので戦闘力は皆無だが危機察知能力に特化されている。
相手を視認して危険が有れば発動するが、たまに視なくても精霊の気まぐれで未来予知のように危険が迫ってる時に報せてくれることがあり、何回かこれで命を救われた。
それにルティアは〈精霊視〉で精霊が少しボヤけて見えている。それが珍しいのか大体近くにいるので〈精霊魔法〉では発動時間が早く出来る。たまにイタズラされるが。
今回のおっさん二人は視認するとすぐに精霊が危険だと囁き、逃げ出したのだ。実際おっさん達は見た目からして怪しすぎる。おっさん達は街の方角から来た為、逆方向に走るしか無かった。
「おい、お嬢ちゃんは鬼ごっこがお好きなようだぜ」
「ひはは!いいね~♪捕まったら遊びをいっぱいしようね~♪」
はっきり言えばあの二人が何を言ってるのかは解らなかったけど捕まったら嫌なことになるのは私でもわかる。
それでも魔法を放ちながら走れば逃げられるとこの時私はそう思っていた。詠唱をしながら走るのはきつかったけど何とか完成させ、魔法を撃つ。
「『ファイアブレット』!」
さっきと同じ魔法です。魔力を上手く込められ無かったけど30cmの少し下位になった火の塊がおじさん達に迫りました。人に使うのは初めてでしたが、これで動けなくなれば上々です。
「おっと、危ないなぁ~」
でもそうそう上手くいきませんでした。放った『ファイアバレット』は右にいた盾持ちの男が盾で軌道をずらして後ろに流してしまいました。もちろん男達は無傷です。
私はこの事に驚きました。ゴブリン相手なら倒しきれなくても大怪我はさせられる威力なのです。それなのに無傷で来るのだから恐怖を感じました。
この結果は当然と言えば当然だ。ここら一帯のゴブリンは繁殖力は強いが戦闘力は低い。
ランクGの冒険者が初めて倒すのがここのゴブリンだ。少なくとも男達二人は仮にも冒険者ランクはEだったこともあり、対人戦闘の経験が無かったルティアは経験不足などで負けていた。
ルティアは冷静な判断が出来なくなり森の奥へと走っていく。
「はぁ...はぁ...、きゃあ!うぅ....もう、いやぁ」
何時間か経ったかもしれない。いや、一時間も経ってないかもしれない。もうどの辺を走っているのかはすでに解らない。
私の体はもうずたぼろで足をもつれらせ、転びながらも逃げる。それに比べ、あの人達は少し息が切れているものの余裕を感じさせる足取りで付かず離れずの距離を追いかけて来る。
.....あれは私を遊んでる。分かってるけど、それでも私は絶対に逃げ切りたい。
だって、これで私がいなくなったらお姉ちゃんが一人になっちゃうもん。そうなったらお姉ちゃん
の心が壊れてしまうかもしれない。お父さんの時は感情を上手く顔に出せなくなってしまった。
私に向ける顔には表情が出るけど、私以外には滅多に出さない。だからもうお姉ちゃんにこれ以上悲しい思いはさせたくない。じゃないと壊れそうだから。
「はぁ、はぁ、はぁ!」
「待ってよ~、ルティアちゃ~ん♪そろそろ諦めてお兄さん達といいことしない?」
「そうそう、諦めてくれないとお兄さん達にちょっとばかし痛い目見ちゃうよ~♪キハハハ!」
「あっ!」
もう走ってるのも奇跡に近いほど疲労して、それでも無理して走ってたが限界がきてしまった。
転んだ時に今ので足を捻ったみたい。このままじゃあの人達が来る.....せめて最後まで抵抗してやりたい。
そう思い、男達の方に向こうとした時、
「「ぐぼぁ!」」
ゴキャッ、ドッ、メキッーードン!
男達の苦しそうな声、骨が折れる音、近くの木にぶつかるような音が聞こえてきた。
私は何が起きたのか後ろに振り返ると黒ローブ姿の人がさっきまで男達が居た場所に立っていました。座ったままの私はローブの中の顔が見えて...いえ、あれは素顔ではなく仮面で笑ってるような不気味な仮面でした。あの姿は聞いたことがあります。命有るものを回収すると言う死神にすごく姿が合わさっていました。どうやら本当にここで最後のようです。お姉ちゃんごめんなさい......
死神様は男達に近づくと右手をかざして何か唱えました。すると男達が白い光に包まれました。きっとあれは魂を獲っているのだと私は思っています。
今気付きましたが〈精霊の囁き〉で危険が無いのか発動しません、が見た目が怖すぎで信用出来ません。そのまま死神様は私の方にそのまま歩いてきました。もしかしたら話せるかも。
これが人生最後の会話かもしれませんが...
「し、死神様。わた、私もこ、殺してしまうのですか?」
.....怖がってしまうのは仕方無い、そう思います。どうか命だけは!
死神様は首を傾げるとおもむろに仮面とフードを取ってしまいました。聞いた話では骸骨という話でしたが、出てきたのは見たことも無いような美人でした。
フードからこぼれ落ちた白銀の髪がサラサラと背中を流れ落ちてキラキラしてます。宝石のような瞳が私を見つめていて、目が離せません。顔も熱く感じるので赤くなっているのかもしれない。
「ボクもしっかりとした人間だよ?」
思わず見惚れていたら話しかけてきてくれました。声もキレイです~ってそれよりも私失礼なことを言ったばかりです!は、早く謝らなくちゃ!
「しゅ、すみません!助けてもらったのにひどい勘違いして!」
噛んじゃいました。穴があったら入りたいです。
「いやいや、勘違いしそうな格好をしてたボクのせいだし 、仕方ないと思うよ」
気を遣ってくれた彼女には申し訳無いです。あ!重要なことを私言ってません!
「そ、そのすみません。えっと助けてもらいありがとうございます!」
お礼を言い忘れてしますなんて、感謝の気持ちは大切なのに。
そんな私に柔らかい笑みを浮かべて.....は!また見入ってしまいました。破壊力がスゴいです。
「そう言えば名前言ってなかったね。ボクの名前はユキっ て言うんだ。キミの名前は?」
「あっ!すみません。私はルティア・シルファールって言 います!ルティアって呼んでください!」
ユキさん、私を助けてくれた人の名前です。墓の中に入るまで絶対に忘れません。最初は殺されるかもしれないとか思ったりしましたが、見た目で判断しちゃダメですよね。反省ですよ。
なでなで、なでなで
ちょっと心の中で自己嫌悪していたら頭から撫でられる感触がありました。
私と同じような華奢な手で優しく撫でられ、お姉ちゃんを思わせるような撫で方でした。その大切に想うようなその撫で方は気持ちいいですが何故いきなりなでられたのでしょう?
「あ、あの?」
「うん?あ!ご、ごめんね。嫌だった?」
「その、嫌ではないんですけど、お姉ちゃんを思い出しちゃって.....」
本当に似てて思い出します!それに嫌では無いのは本当ですけどまだ初めて会ったばかり、遠慮してしまうのです。
「ごめん!まさかルティアちゃんに辛いことを思い出させ ちゃうなんて.....」
そう言うとユキさんは変なことを言い出しました。先程の会話の応答を考えると......ごめんなさいお姉ちゃん。私の言い方が悪くてお姉ちゃんが死んでることになってました。
ユキさんの誤解を急いで解きます。
「ちっ違います!お姉ちゃんは生きてますよ!!ユキさんにその、撫でてもらった時にお姉ちゃんと、同じ優しい撫で方だったからで.....うぅ」
最後の方になると声が小さすぎて聞こえなかったかもしれない。でも今考えると私の言ってる事ってすごく恥ずかしいと思い、逆に聞こえなくて良かったかもしれません。
ユキさんは安心のしたような顔で息を吐いた。
「よしよし、怖かったね。もう大丈夫だよ」
何故かまた頭を撫でてきます。何か子供扱いで最初は抵抗感がありましたが段々と気持ち良くなってきました。もう顔は幸せそうな顔をしている自信があるので見えないように下を向きます。
それにしても、本当に良いです~♪......あっ!撫でるのを止められちゃいました。残念です。
その後どうするかユキさんと話したら今日はもう日が落ちるからユキさんが寝泊まりしてる場所に連れていってくれることになりました。私がちゃんと街までの道を覚えてたらよかったのですが、一心不乱に逃げてので覚えてません。
ユキさんに聞いてみると
「ボクは旅の途中なんだ」
と返ってきました。顔を見ると少し悲しそうな顔をしてます。でもすぐに微笑んだ顔になりました。すぐに変わってしまったあの顔は私の勘違いとも思いましたが、これ以上聞くのはやめた方がいいとそう思いました。
これからの話を纏めたら、あの男達をどうするか聞かれたのでよく見たら指名手配書にあった顔にある人でした。これなら衛兵に渡せばお金が貰えますよ!っと伝えるとユキさんは腰からロープを出して縛り上げ、歩きま出します。
私も急いで横に行って歩こうとしましたが足の疲労やケガが酷くてすぐに転びそうになります。けどユキさんが支えてくれました。これ以上迷惑は掛けたくないのですが足が言うことを聞きません。
「大丈夫?」
「あ、すみません。今立ちますから」
まずいです、足がガクガクと!
「『ヒール』、もう痛いところは無い?」
ユキさんが何か魔法を唱えると足や体にあった傷が白く暖かい光に包まれてみるみる治っていきます。疲労も薄れていって不思議な感覚でした。
その事に私は驚いてユキさんの顔と光を交互に何回も見てしまいます。この光はあの男達の魂を取ってると勘違いしてた光は〈光魔法〉なのでしょうか。教会や国のお偉いさんが確保して偉い地位にいる人がほとんどです。つまりユキさんは...どうしましょう、失礼なことをしてしまってます。いえ、まずは確認をしましょうか。
「ありがとうございます。えっと、ユキさんは教会のお偉い方でしょうか?」
「いや、違うけど。もしかして回復魔法って珍しいの?」
「それはもう珍しいですよ!〈光魔法〉を持ってる人が少 ないですし、持ってたとしても教会や国が囲っちゃうからほとんどいないんです!だから私も初めて見ました!」
王都にある冒険者ギルドならSランク以上に一人か二人かいると聞いたことはありますが私は会ったことがありません。何故こんなことを知らないのでしょうか?
は!もしかしたらユキさんは遠く離れた場所から来たのかもしれません。そこでは〈光魔法〉は珍しく無い。けど知られて無いのは秘密にされていた場所なのかも!
「まぁまぁ、この事は内緒だよ?」
「はい!二人だけの秘密です!」
やはり秘密の事だったようです。でも二人だけの秘密と言うのはすごくいいですね♪
その後、歩いて数十分後にユキさんに泉の近くに着くと待って、とと言われたので止まりました。綺麗な泉です。
「喉乾いてない?彼処の水を飲むといいよ。キレイで飲める水だから」
ユキさんから離れて大丈夫でしょうか。今の私では魔物に襲われれば抵抗が出来ません。しかし、喉が渇いて飲めると解った水が目の前にあればものすごく行きたいです。
だいじょうぶ!きっとユキさんが守ってくれます!信じてますからね!
一応ユキさんに頭を下げてから泉に行きました。澄んでいて美味しそうですし、変なにおいもしません。一口飲んでみると冷たくて美味しかったです。
喉が潤うとユキさんの所まで戻りました。でも手にはお肉とラノフの実を持ってます。
「?、それ何処から出したんですか?」
「すぐ近くに最近寝床にしてる穴があってね、そこから出してきたよ。これでご飯にしよ♪」
ご飯との言葉に私のお腹が鳴ってしまい...恥ずかしすぎます。ユキさんに薪を採ってきて欲しいと頼まれた時はこれ幸いと拾いに行きました。恥ずかしさで一人になるのも怖さを感じません。
ある程度拾い終わって戻るともうすでに焼く準備が出来ていました。料理には自信があったので少し残念です。薪を置いて回りに枝に刺した肉を刺していきます。
それが終わるとユキさんはなんと〈火魔法〉の『 ファイヤーボール』で火を着けました!複数の魔法が使えるなんて、ユキさんはすごいです!
焼けてきたお肉から胃を刺激するテロのような香りが来てもうお腹が限界です。プリーズです!
「どうぞ~♪まぁ味は肉そのものだけど美味しいよ」
「あ、ありがとうございます!」
何故か金色に輝いてるお肉、いや、油で輝いています。熱々なので冷ましてから控えめに噛みます。
パク....パクパクパクパク!
て、手が止まりません!今まで食べたお肉の中でもダントツに美味しいです!食べ終わるのと同時にまたお肉を渡されて何個も食べてしまいました。
最後にデザートでラノフの実を貰いました。その時にユキさんが
「御手洗いに行って来るね」
と言って森に行こうとします。回りはもう暗く、見えるのは焚き火の光に照らされた場所だけでほとんどが真っ暗。頭に恐怖心が浮かび、思わずユキさんを見上げてしまいます。
そんな私にユキさんは安心させるように頭を撫でます。
「大丈夫だよ、何か起きたらすぐ飛んでくるからね!」
そう言われて私がどれだけユキさんに頼っているのか、わかりました。私は助けられている側でユキさんにそこまで求めることは出来ません。私はしっかりと待っていることにします。
3分後
あぁ、もうダメです怖いです。ユキさん早く帰ってきて下さい~!
今考えたら私、夜の森に一人でいたことがありません。危険だと聞いていましたし、出る用事も無かったのですから。気のせいか血のにおいがしてきた気がします。帰ってきてほしいです~!
2分後
ユキさん遅くないですか?もしかして魔物に襲われてしまったのでしょうか!さ、探しに行ってきた方がいいでしょうか!?
ガサッ!
今左から音が聞こえてきました。ユキさん?それとも魔物?もう訳が解りません!
出てきました、ユキさんです!良かったです!本当に良かったです!
「大丈夫だった?」
「はい!一人は少し怖かったけどすぐにユキさんが戻ってきてくれましたから」
「うん、よかった。じゃあそろそろ寝る?疲れたでしょ」
「う、お願いします」
何でもお見通しなのでしょうか。でも確かに疲れすぎて瞼が少し落ちてるかもしれません。
ユキさんは魔法で『ライト』で明かりをつけて、焚き火を消しました。歩きま出したユキさんの後を付いていくと穴がありました。どうやらここで寝泊まりしているそうです。
二人で中に入ると少ししか身動きが出来ません。出入り口は魔物防止のためにユキさんが塞ぎました。今日初めて会った人と寝ますがユキさんなら怖くありません。この人なら大丈夫だと。
いざ寝ようとなるとユキさんはおもむろに服を脱ぎ出しました。服を着て寝ない人なのかと思いましたが、ただローブを脱いだだけでした。ローブの下には見たことない服を着ています。これが秘密の場所の服でしょうか?それにユキさん...以外と大きいです。
どうやらユキさんはローブを渡して一緒に寝ないで離れて寝るみたいです。でもそれは悪いですし、今日は一人では寝たくありません。
ユキさんなら...その...一緒に寝ても良いと思いますし。
「じゃあ、一緒に寝てくれませんか」
胸がドクドクと激しく脈打ちます。ドキドキとするこの胸の鼓動は何でしょう?いいよと言われたときの安心感と高揚感、何でしょう?
ま、まさか!でも私はそっちの趣味は無いと思うのですが...もう、わかりません。
そんな事を考えていたらユキさんは何故か自信満々に変なことを言い出しました。
「ルティアちゃん、実はボク、男なんだ!」
そんな事を言い出しました。胸を張ったときに強調される私よりもある胸を見せつけてるのに男だとは絶対に思えません。
ちょっと拗ねたい......少しイタズラしてみたくなりました。
スーー、むにゅん
「ひゃあ!」
触らせていただきました。揉むと布越しに感触が伝わってきます。ここで驚いたことでユキさんが下着を着けていませんでした!これにはホントにビックリします。ユキさんの胸の柔らかみが手に直接来て、女の子同士なのにまたドキドキしてきました。
でもこれがあるのにそう言ったのはイラッときます!
ユキさんは私の手から逃げようとしたけどここは狭い、逃げられませんよ?
「ふーん。じゃあここに付いてる物は何なんですか?」
「いや、あの~っひぅ!すみません~」
やっと認めてくれました。でももしユキさんが男だったとしても大丈夫だったと思います。だって今は女の子にしか見えませんし。
「ひどいよ~、ルティアちゃん~」
「だってユキさん、私よりも胸が有るのにそんなこと言う んですもん。何処から見ても男には見えませんよ。仮に男だったとしても今は女の子なので私は特に気にしません」
そう言うとユキさんは落ち込んでしまいました。言い過ぎたのでしょうか?
でもユキさんは覚悟を決めたような顔で一緒にローブの中に入ってくれました。さらに腕枕まで!嬉しいです。
その後は私の居た街についていろいろとユキさんに話しましたがもう瞼が重いです。あぁ!頭を撫でられたら~、もうダメお休みなさい。
......ユキお姉ちゃん
お読みいただき、ありがとうございました。
初めて別視点を書きましたが時間がかかってしまいました。すみません。
勇者達の事も書きたいと思ってます。