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モトカレ。。。〜あなたがくれたもの〜

「もう2度と恋なんてしない!絶対しない!」



私は、もう恋なんてしない。


こんな思いをするのならば、しないほうがマシだ。


最後に残るのは、二人でとった写真と、捨てきれない思いだけ。


・・・もう嫌だ。こんな思い。


なにより、自分が嫌になる。


消えてなくなりたい。


バイバ〜イって。。


そしたら、どんなに楽だろう・・。


なにも考えないようにしても、すぐに頭の中に彼がでてくる。


あ、もう元彼か。


洗濯をしてても、買い物をしてても、掃除をしてても、料理をしてても、


友達とあそんでいても、ネコのまめぞうとたわむれいても、


大好きなお笑い番組をみていても、・・こっちの都合はおかまいなしに、


彼が頭の中に入ってくる。


彼のことで頭がいっぱいになる。胸が苦しくなる。。。


もう、涙はかれたって思ったのに、また涙が溢れ出す。。。


彼のとこばかり考えてしまう。。


ちょっとハスキーな声で、笑うとエクボができる、ちょっとドジでオッチョコチョイな彼。


大きくて暖かいゴツゴツした手。まわりに常に気を使って、誰にでもやさしく接する彼。


服のセンスはいまいちだけど、子供っぽくってかわいい彼。


彼を創ってる全ての要素が、私は好きだった。


彼なしでは、生きていけない・・本気でそう思った。。。



だけど、別れは突然やってきた。


「じゃあ、元気でな。幸せになれよ。」


彼の最後の言葉。。。


なんで?


あなたと一緒にいれるだけで、わたしはとても幸せだったのに。。


あなたのとなりにいられるだけでよかったのに・・。


どうして・・。。


私は、その場で泣く事しか出来なかった。


彼の言葉を受け止めたくなかった。


受け止めてしまったら、私は壊れてしまう。


彼は、私の体の一部なんだから。


その彼が、私からいなくなってしまう。。。


いや!!


そんなのいや〜!!!!



・・・・


私は泣き叫ぶことしか出来なかった。。。





それから、三日三晩、泣きとおした。


苦しいよ。


悲しいよ。


なんでこんなにも、胸が苦しんだろう。


なんでこんなにも、つらいんだろう。


なんで、こんな思いをしなくてはいけないの?


なんで・・・。


「もう恋なんてしない!絶対しない!!」


本気でそう思った。


こんなつらい思いをするのなら、はじめから付き合わなければよかった。


彼と出会わなければよかった。。。


そうすれば、こんなに苦しい思い、しなくていいし、傷つきもしない。


・・・・


・・・・


・でも、そしたら、・・・彼との素敵な思い出もない・・・。


一緒に行った花火大会。浴衣姿がかわいいって、言ってくれた・・。


一緒に見に行った映画。そこではじめて手をつないだんだよね。。内容なんてそっちのけで

ドキドキしてたっけ。。


はじめて行った海。水着姿はちょっと恥ずかしかったけど、彼の為にがんばったなぁ。


初めての彼の部屋。。タバコの臭いがする彼の部屋。。一緒に撮った写真を飾ってもらったよね。


・・・。


どれも、私にとって大切な思い出だよ。。。


失いたくない、彼との大切な思い出・・。


また、涙が溢れてきた。


・・でも、その涙は、さっきまでの涙とは違うって私にはわかってた。


ポタポタ落ちる涙・・。



あぁ、彼の存在は、私の中で、こんなにも大きな存在だったんだ・・・。


そのとき、はじめて気が付いた。


彼の存在。


彼のやさしさ。


彼の愛を。。。


彼は、私を愛してくれた。


誰よりも、私だけを愛してくれていた。


そう思えるよ・・。


・・・。


私は?


私はどうだった?


私は何をしてあげた?


彼に何かしてあげた?


・・・。


なにも。


なにもしてあげてない。


ただ、私は幸せになりたいって思ってただけ。


彼なら、幸せにしてくれるって、思っただけ。


・・・思ってただけ・・。


私は・・


甘えてたのかもしれない・・。


彼の優しさに・・。


私は・・


自分勝手だったのかもしれない


彼の愛を盾にして・・。


私は・・。


・・・・バカ・・。


もっと、彼を大切にしてあげればよかった。。


もっと、彼に優しくしてあげればよかった。。


もっと、彼を愛してあげればよかった。。。


後悔。


そして、自己嫌悪。


いまごろ、気づいた。


もう、遅いのに。


もう、なにもかも・・。


彼は私から、飛び去ってしまった。


いや、去ったのは私のほうかもしれない。


私が悪いの。


私が「愛」を知らなかったから・・。


ごめんね・・。


ごめん・・。


そして、ありがとう・・・。


私に【愛】をくれた人。


私に【愛】を教えてくれた人。


もう、いまさら彼には何もしてあげることができない。


ごめんね、ほんとうに。


あなたは、本当に私の大切な人だよ。


これからも、ずっと。。。



・・・。


私は、彼のためにも、


彼が私に教えてくれたことを、


ちゃんと、次につなげなくては。


それが、今の私が、唯一できる彼の為に出来ることだと、そう思うから。



だから、前言撤回。



私は、恋をする。



彼にちゃんと誇れるような、【恋】を・・。





いまなら、笑顔で言えるよ・・。


・・・・バイバイ(ありがとう)、って。



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