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おまけ話4

「ヒカゲ兄様、どうかされたのですか?」


 と、木陰に体操座りをしてうずくまるヒカゲを見つけたヒカリは、思わず彼の近くに行って話しかける。が、ヒカリの方へと向くヒカゲは大粒の涙を流していた。


 ヒカリは、驚きのあまり目を見開いてしまった。しばらく放心した後、ヒカリはヒカゲの元へと駆け寄った。


「ああ……ヒカリか、時期領地主の俺が今だに結婚しないから……ロベルひいじい様が、お見合いさせようとするみたいなんだ」


 と、頭を項垂れながら、そう言うヒカゲに「なら、お見合いしたくない!」って主張すればいいのに……とも考えながらも、ニコニコとにこやかに笑いながらヒカリはヒカゲにこう言った。


「ヒカゲ兄様、相手に一度逢ってみてもいいのではないかと思います。ヒカゲ兄様が一度逢って、苦手だと思って断るのなら……ロベルひいじい様も納得してくださると思いますよ?」


 ニコニコとにこやかに笑いながら、そう言うヒカリの言葉に再び大粒の涙を流すヒカゲに流石のヒカリでも、苦笑いをしてしまったのだった。


「うん、そうする」


 と、ヒカゲはそう涙を流しながらそう言ったが、その二週間後に彼はロベルが探してきたお見合い相手と結婚すると聞いた時には、ヒカリは開いた口がふさがらなかったが、その日は特別研究者試験だったので、手紙を送った。


 手紙の内容は、ヒカゲの名前の由来とお祝いの言葉である。ヒカゲが喜んでくれるといいなと考えながら、試験勉強をするヒカリであった。



 ヒカリが特別研究者試験に合格と結果が出た頃、ヒカゲから手紙の返事が届いていた。その手紙を読むと明らかに涙を流しながら、書いたと思われる手紙だった。


 涙で字がにじんでいて、なんて書いてあるか読むことが出来なかったので、特別研究者試験の結果を知らせに行くついでに、ヒカゲに聞きに行くと決意したヒカリなのであった。


「ヒカゲ兄さま……泣きすぎです……」


 と、ヒカリは呟きながら移動石に魔力をこめたのだった。




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