六歳になりました!
六歳になりました!
今となれば五歳であった使用人や父様からの厳しい指導を受けた一年間も、とても懐かしいものです。
妖狐術と銀狐術を春月と夏月で覚え、三十日で初心的な魔法を覚えてしまったのであとの期間は剣や体術を習い、自分の身を守れるくらいには覚えることが出来ました。
勉強についてはラセルに「覚えすぎなのでもう、勉強はしないで下さいよ!」と言われるほどなので大丈夫だろう。
だけど、ラセルに言われて勉強することをやめるような性格を生憎、僕は持ち合わせていないのでね。
満面の笑みからの上目遣いでの「お願い、ラセル」と頼んだら、ため息をついて去って行きましたよ!
アルファーセル大陸の人々は僕のお願いには弱いですからねー。平凡顔でも、僕は末っ子のようなものですから、可愛がられるんですよね!皆から。
転生前は誰も信じられなかったのに、今じゃそのことが嘘だったかのように、たくさんの信じられる人が僕にはいます。
いよいよ明日、僕の通う学園があると言うサーバント大陸へ行きます。
僕の家の父親は過保護過ぎるのかわからないが、サーバント大陸に下見をしに行きたかったのですが、父様達は何故か一度も連れていってはくれず、何を思ったかノーテルとノアを護衛に連れて行けと言われるわ、ラセルも護衛でお供しますと騒ぎ出すわ、でとても大変でした。
なので、僕がノーテルとノアだけで大丈夫だからと、苦笑しながらラセルを一時間ほど説得して、渋々納得してくれたので、この出来事は収集がついたから良かったなと考えながら、僕は眠りにつきました。
※※※※※※
「ノハル………入学おめでとう」
夢の中で、海王様はニッコリと優しく穏やかに僕に微笑えんでくれました。
「はい、ありがとうございます!」
僕は海王様の微笑んだ顔につられたのかわからないが、僕も不思議と笑顔になってしまった。
「入学は良いんだが、試験は受けていないと見えるが?」
「ああ!そこの学園にはお父様の知り合いがいるらしくてね…………?
ツテで入ることが出来たんだけど、なんで兄様はそこに入らなかったんだろう?」
「ほぉ…?
まぁ、良いではないか…!ほれ、入学祝いだ!」
そう言って、一つの石を海王様は僕の手に乗っかるように投げ付けてきました。
僕はその石を右手で受け止めることが出来、僕はなんだろうと右手にある石を眺めつつ、海王様にお礼を言いました。
「あ、ありがとうございます、海王様。こ、これはなんですか……?」
「精霊石じゃ!!」
「なんのですか?」
「全種類の属性の精霊を召喚できるぞ?」
入学祝いに凄いものを僕は海王様からもらってしまったようです……。
「凄いですね~!」
「じゃろ!?」
そう言って海王様は目を輝かせた。
「はい!」
「君がはめている指輪に精霊石を装飾しておいてやろうかの、特別じゃぞ」
そう言うと、僕の手のひらを掴んで海王様の魔力で僕の指にはめられた指輪に海王様がくれた精霊石は綺麗に装飾されました。
「ありがとうございます!」
僕はもう一度お礼を言うと、海王様はニッコリと微笑みました。
僕が去った後、
「あとで海風を利用して、ノハルの指輪に精霊石を装飾しに行こうかの……。
アルファーセル大陸の地上に行くのも、随分と久しぶりじゃのぉ~……」
と、呟いていたことを僕は知らない。