魔力覚醒!
僕はやっとの思いで「ぉとぅさま………」と声を出し、一歩だけ足を進めることに成功しました。
「ノハル!無理して歩こうとも、声を出そうともしなくていいから!
父様がそっちへ行ってあげるからな!」
父さんは確かにそう言い、一歩僕の部屋へと踏み出した瞬間、父さんは何故か吹き飛び、勢いよく壁にぶつかった。
「ぉ……と……ぅさま!」
僕はやっとの思いでそう叫んで後、何にも考える暇なく気を失ってしまった。
※※※※※※※
俺の息子は俺を呼んで、気を失ってしまった。自我を保てていたのが幸いして先程までは魔力はノハルの部屋だけに留まっていたが、ノハルが気を失ってしまったから、押さえ込まれていた、ノハルの魔力が放出されてしまう。
やむおえん、結界を張るしかない。
今、結界を張らなければ、ノハル自身の意識がない今のノハルの魔力は俺や使用人達を攻撃してしまう。
それで人が亡くなってしまえば、ノハルは自分のことを人殺しだと自分を責め、きっと追いつめてしまう。
俺はそんなノハルの姿は見たくはない!
「銀結界・改!!!」
ノハルの部屋ごと結界を張った。
魔法を使ったことで俺の魔力に気が付いたのか、ノハルの膨大な魔力が暴発していることに気が付いてきたのかはわからないが、ノハルのドアの前に使用人の全員が集まった。
「「「主さま、魔力が足りなくなれば私達の魔力を譲渡します!!」」」
「頼む!」
※※※※※
次、目が覚めると自分の中に納まった強い魔力を感じ、僕の周りからは父さんの魔力を感じていた。
「お………とう……さま」
そう声を出すと同時にお父さんの魔力で張っていた結界?が破れた。
「ノハ…っ!?
お前、目が銀色になっているぞ!?
でも、取り敢えず……無事でよかった……」
そう父さんはいい、体に力の入らない僕を包み込むかのように、優しく抱き締めてくれた。