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アルファーセル大陸に帰還致しました!! 2

 ユキメです。パパとアルファーセルたいりくのみなさんは、話していた。その間もパパはぜったいにだれにもなみだを見せなかった。みなさんにニコニコとわらいながら、しつもんに受けこたえていた。

 そんなパパの弱点がわかってしまったような気がする。パパはかんじょうが出やすいタイプなのに、どこかで何かをかくしているような気がする。そのことが言えないことがみなさんをうらぎったようで苦しく思っているようなかんじがしたんだ。

 そんなパパはとちゅうから来た、カエデ先生に抱きついていた。みんなにも抱きつけばいいのに。ともぼくは思ったけど言わなかったんだ。その間に抱っこしてもらっていたルート兄さまにこう聞いたから。


「カエデさんはね……ユーちゃんのパパを傷つけた母親の学園にいた先生なんだ。カエデさんは、例えね……自分がクビにされようとお構い無しにノハルの母親にこう言ったんだ。お前はノハルの母親だろう!と……そう言ったカエデさんの質問の答えは、遺伝子上だけね……だったんだ。その答えを聞いて、ああ見えて温厚なカエデさんはブチ切れて母親が経営する学園をやめたんだ。その時、たまたま……退学届を出しに来ていた父様にその場面を見られていたらしい。その瞬間、カエデさんを気に入ってアルファーセル大陸に引き抜いたらしい。明日にはノハルの友人二人が来るからなぁ〜……。そう言えば、友人のもう一人のホルンも兄様と同じ学校に進んだらしいよ。」


 パパの周りにはやさしい人ばかりだった。ことばつかいはあらいけど、顔のひょうじょうからはやさしさがにじみ出ている。こんな人たちが周りにいるからこそ、パパはだれよりもかがやいて見えるのだろう。きっと、パパの友人の二人もすごくやさしい人たちなんだろうなとは考えがついてしまう。パパにはすごく人の見る目がある。かならず、人にはかげがある。でも、ここにいる人たちはそれをおもにとはかんじていなくて……よぞらのお星さまのようにかがやいている。ぼくは、やっぱり……やさしさのにじみでているパパのえがおが一番、だいすきだ。


「ぼくは、パパがだいすきです。だから……パパのだいすきな人もだいすきなんです。ぼくはそうとうなふぁざこん?らしいです。ようせい山のようせいさんが教えてくれました。」

「ファザコン……ね? そりゃ、そうだ。相手がノハルだもの。ファザコンになって当たり前なんだよ。ノハルの側にいる人達は皆、ノハルが大好きなんだよ。勿論、俺もね?」


 そう小さくルート兄さまはつぶくようにぼくに言った。みんなはむちゅうになって話しているから、ぼくたちがこんな話をしているなんて気づいていないようだった。そう言えば、パパは前に言っていた。ルートがようせいさんにすかれるのはかれがやさしく、つよく、そして守りたくなるような弱さをもつからだと……ぼくはそんな話をきいてむじゅんしていると思ったの。でも、今ならパパの言っていることがわかるような気がする。ことばには出来ないけれどルート兄さまを見て、たしかにパパの言う通りだなとわかったような気がしたんだ。

 パパの言う通り、しょうかんしになるための勉強はルート兄さまに教えてもらうことにするの。この人は心からようせいさんをあいしているような気がしたから……。


「そうだね、ルート兄さま。ぼくもパパがだいすきだから、パパのゆめのお手伝いしたい。だから、しょうかんしになるための勉強を教えて?」

「わかったよ……ユーちゃん。しかし、あれだな。ユーちゃんは本当にノハルにそっくりだな。あ、そろそろ……ノハルが満足するような気がするよ。ノハルの元に戻るか?」


 ぼくはしょうかんしになるための勉強を教えてもらえるんだ!と声に出さずによろこんでいると、そのあとからパパにそっくりだと言われてしまった。何でだろう?と考えているとルート兄さまは、にがわらいをしながらさいごにぼくにしつもんをした。そのしつもんには、コクンとうなづいておいた。


 そのあとはずっと、パパに抱っこされていて……全ての話が終わったあとは、パパのへやでのんびりとすごそうねと言われてしまった。


 たんけんしたかったのに……でも、今日はつかれたし……もう夕方だしね、明日につれて行ってもらおうと考えていると、パパはニッコリとわらったあと……おふろにいれてくれて、早いけどパパといっしょにねてしまった。



※※※※※※※※※※※


 アルファーセル大陸に帰還して二日目。いつものクセで右腕を見ているといつの間にか起きていたのか、ユーちゃんも僕の右腕を見ていた。


「なおったねぇ〜♪」

「そうだね、ユーちゃん。きっとユーちゃんのお友達の妖精さん達のおかげだね。」


 そう言いながら、僕はユーちゃんの寝癖のある髪をとりあえず、てぐしでとかした後にベッドから出た。すぐにユーちゃんの着替えを出して、着替えをさせてから自分も着替えていると昨日は鍵を閉め忘れたのか誰かが入ってきた。僕はその時、上半身裸な状態だったが……運良く、この屋敷には女子がいなかったことだが……見られた相手が悪かった。


「ノハルちゃ〜ん♪ ご飯ですよぉ〜……ってノハルちゃんってば細マッチョ! 素敵だぜぇ〜?」


 そう言われた瞬間に速攻、Yシャツをきて、ズボンも履いた後にベストをきてネクタイを軽く結わえた後にユーちゃんの手をひいてクラウンさんのいるドアの方へと向かった。

 しばらく歩いて、食堂につくと……僕は自分の席に座る前にユーちゃんを僕の隣の席に座らせてから僕は座った。その様子を見ていたお父さんとお兄さんはニコニコと笑っていたが、クラウンさんの一言で食事の時に質問攻めにあうはめになったのだけどね!


「ノハルちゃんってばぁ〜……ヒョロヒョロってしている割にはぁ〜……超細マッチョだったぜぇ〜♪ 凄く、羨ましいぜぇ〜♪」

「そりゃぁ〜……毎日、狩りに出ていましたからね〜。筋肉は付くに決まっているでしょう? 体力だって三年前と比べて倍以上になりましたし……。」


 そう言うと、お父さんとお兄さんの目はキラーンと輝き始めてしまった。その時にルートとカルトとカエデさんが現れたので、食事を始めたのだった。


「ねぇ〜? どうしたら、妖精山に行けたの?」

「瞬間移動。」

「狩りに出た時は、どんな獲物を狩っていたの?」

「魔物。」

「じゃあ、じゃあ〜……その山には妖精王がいるって噂……本当?」

「本当です。現にユーちゃんは妖精王と契約していますからねってもう、質問は良いでしょう!? 僕だってお腹がすいているんです。それにキラとホルンはいつ来るのですか?」


 昼頃と答えて朝ごはんを食べ始めてしまった。はぁ……とため息をついてから、ユーちゃんと僕の服を買いに行かなきゃいけないなぁ〜と考えながら、朝ごはんを食べ始める前にユーちゃんの口の周りについているご飯を取ってあげた。


「本当にノハルにそっくりだな〜……ユーちゃんは。」


 そう苦笑しながら言うルートのことは放っといて僕は朝ごはんを食べ始めたのであった。



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