少年はあまりの出来事に…《後編》
うちの家は使用人がイケメンが多すぎる……。家中、キラキラオーラが漂っています、……目がチカチカしてきました。
くそっ!僕だけ平凡顔とか生き地獄ですよね、……キラキラオーラを分けて欲しいくらいです、本当。
まあ、いいんですけどねと僕は考えていると、バタバタともの凄い大きい足音がこちらの僕の部屋に向かって来ます。が、一方僕はそんなこと気にもせず、話題の関連性のない父さんってゲイなのかな?と言う考え事に興味が移った次の瞬間、勢い良く僕の部屋のドアが開かれました。
「我が息子よ、生きているか………っ!
すまない、俺が三年も会えなかったばかりに…ラセルの部屋の管理を怠っていたばかりにノハルが知恵熱を………っ!」
ああ、間違えないわ。この人……。
「父様……大袈裟です」
僕の父親だね。それよりも父さん……、キャラがとても濃いですね……。
熱血系ですか……。
熱さ+キラキラオーラを纏ってやがっています。なんだ、父さんもイケメンなのか。もしかして、僕だけ一人平凡顔?
それに父さんは、ドバァーと効果音が出そうなほどの涙の量を流しています。
この人がゲイと言う説は……限りなく有り得ない気がしてきました。
「おぉぅ……父様、反省しました……。
この国に女性を入れたくないばかりに、薬草はあっても作る人がいないから、薬が貴重な物になってしまった…。
そのせいでノハルは……、こんなにも寝込んでしまった……!!
ちゃんと他国と貿易をするから、ノハル……死なないでくれぇえ!!」
勝手に殺さないでくれ、父さん。
それに父さん……、ポジティブかネガティブなのかどっちかにしてくださいよ…、どうツッコンでいいのかわからなくなる。
と言うか、父さんの女性恐怖症はそこまで深刻だったのですか……。覚えておきますよ、頭の片隅に。
「死にませんって、父様。でも貿易はしっかりとしてくださいね?
わかりましたか?」
「うん」
そう父さんは頷かれると凄い速さで、何処かに行かれてしまいました。
どっちが親だか分からなくなってきました、……三歳に説教されるなんて、父さんたら仕方がない人ですね、もう!
「何か疲れました……」
父さんはイケメンはイケメンでも熱血系の性格を持ったイケメンなので、どうしたらいいのか、どう接したらいいのかいまいち良くわかりません。
しかも、キラキラオーラを装備していますから、……余計に厄介です。
父さんが心配になってきました……、ちゃんと仕事しているのでしょうか?
「いけません!!安静にしていてください!!」
「そうですよ!!」
「絶対に安静に!!」
「うんうん!」
「今は安静にしていてください!!」
必死に使用人達が僕に安静にしているようにとうったえています。
やめてください、流石に顔がイケメンでもそこまでしつこくされると、僕もイライラしてきます。
心配しなくても行きませんってば!もう、使用人の人たちは皆、なんでここまで過保護なんでしょう。
いつも、ふらりと書庫に消えていく僕でも、流石の今日は大人しくジッとしていますから、心配しなくとも大丈夫です!
しかし、イケメンって必死な顔をしていてもイケメンはイケメンだね~。
と、他人ことのように僕はそう思いつつ、今日は使用人達の言う通りに安静にしていようと、ベッドに横になるのだった。
ぶれない、主人公くん。主人公の家族の中で、一人、平凡顔だと思っている。