ノハル、がんばっちゃいますよ? 10
『空気操作』
ラセルがノーテルに移動石を渡している隙に、僕はルートの周りの空気を操ってルートの存在感を薄くした。その魔法をルートにかけた瞬間、彼は不思議そうな顔をして僕にこう問いかけた。
「ノハル、俺に何かしたか?俺の存在感が薄まっているような……気がするんだけど?」
そうルートが僕に聞いてきた時には、思わずニヤリと笑ってしまった。
……そうか。ルートには、空気操作の魔法の才能があるんだね?ルートの才能に気付いてしまったなら……その才能を育てないまま……宝の持ち腐れに僕がするとでも?
……する訳ないだろう。空気操作の魔法を、僕が教えることのできる全てを彼に教えるに決まっている。
学園長のように僕の大嫌いな人なら、教えることを考えるかもしれない。
でも、大切な親友であるルートがその魔法を教えて欲しいと言うのなら……僕は、その魔法の僕が出来る全てを教えてあげたいと思っている。
「ふふっ……ルートには空気操作の魔法の才能があるようだね。ルートが望むなら、僕がルートに空気操作の魔法を教えて……「是非とも、よろしく頼む」
……即答だったね。ルートって、そんなに強くなりたかったのかな?ルートだって、強いと思うのにな。
まぁ……良いんだけどね。 ルートが強くなりたいって言うのなら……努力を積んで強くなって欲しいからね。そのためなら、僕は……協力を惜しまない。彼がこの力を覚えたいと言うのなら、僕は……彼に僕の出来る限りの空気操作の魔法を教えるからね。
「即答だね。ルート。この件が終わったら、ちゃんと一から教えてあげるから、覚悟しておいてよね?」
「あぁ、覚悟しておくよ。さぁ、行こうじゃないか。俺に双子の弟がいるかどうか確かめに行くために……」
そう会話し終わった後、僕とルートは顔を見合わせて僕らは笑いあった後、ルートと僕は移動石を持つ、ノーテルの側へ行った。
ラセルはその様子を見ると、ノーテルの側から離れて行った。ノーテルはラセルが自分の側から離れたのを確認すると移動石に魔力を込めた。
『サーバント大陸 パルフェ家の領地に行きたい』
そう、ノーテルは唱えると一瞬で景色は変わり、気が付けば僕らは大きな門の前に立っていた。




