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ノハル、がんばっちゃいますよ? 6

 僕は大泣きをするラセルに驚いて、ルートから離れてソファーから立ち上がり、ラセルの元へと向かった。


「ら、ラセル……?どうしたのかな……?」

「申し訳ありませんでした。ノハル様に前世の記憶があるとは考えていなくて、ノハル様に六年間苦しい思いをさせていたと思うと私はっ!私は……。

責任を持って、ノハル様の使用人を…「やめなくていいからね、ラセル。ラセルがいなくなったら、僕は寂しいよ?」

「ノハル、さま……」


 そうラセルが言うと勢い良く、ラセルが抱き締めてきた。そんなラセルの頭をよしよしと言いながら僕は頭を撫でながら、こう言った。


「こうなると、しばらく、ラセルはこんな状態だからね。ノーテル、集めてきた情報を」


 そうノーテルに伝えると、苦笑いをしながら、流れるような綺麗なお辞儀をした、ノーテルに僕は満面の笑みでその様子を見ていた。


「かしこまりました、ノハル様。最初に言っておきますが、決定的な証拠は掴めませんでした。それでも、よろしいでしょうか?」


 僕はノーテルの方を向いて、ニコリと微笑みながらコクりと頷いた。僕が頷くと安堵したような表情を見せたが、そのまま言葉を続けた。


「えっとですね……まずは私の感じたことを話させて頂きますが、パルフェ家から微少ながらなのですが、嗅いだことのない妙な薬品の臭いがしました。

麻薬とも毒薬とも違う臭いがしましたし、他の薬品の臭いとは違う臭いがしました。一番近いなと思った薬品の臭いは、『睡眠薬』です。以上が私の感じた違和感の話です。

次に町の人に聞き込みをした話についてなのですが……。ルート様には不愉快な気持ちにさせてしまうかもしれませんが、ルート様がお生まれになってから、色々な異常が起きるようになったようです。

ルート様がお生まれになってから、一ヶ月ぐらいにルート様のお母様が違う人のように性格が変わってしまい、それから一年半後にルート様のお父様のご様子が変わってしまったと感じたとルート家が納める領地に住む住民の皆さんが感じたとおっしゃっていました」


「ノーテル、具体的にどのように性格が変わり、様子がおかしくなったのかをちゃんと聞いているよね」


 そうノーテルに問いかけるとノーテルはコクりと頷いて、再び、話始めた。


「はい、とある町の人の話によりますと、急に金の無駄遣いが増えて税金も増えたとおっしゃっていました。ルート様のお母様の性格についてはとても心優しい人だったらしいのですが……真逆の性格になってしまったとそうおっしゃっていました。どのように変わったのかの情報については以上なのですが……重要と思われてる情報を手に入れましたが……この話について続けても?」

「構わないよ、ノーテル。続けて~」

「はい、ルート様の屋敷は木々に囲まれていまして、ルート様の屋敷の奥に森があるそうです。

ある日、その人は税金についての反論をしに行こうとルート様の屋敷の近くに行ったそうなのです。

その人は人よりも目が良いそうなのですが、パルフェ家が所有する森の一番奥に時計塔のような塔が出来ていたそうです。

その人は何か見てはいけないものを見たような感じて、その日は逃げるように自分の家へと帰ったとおっしゃっていました。以上がパルフェ家の領地で集めた情報でした」


 ノーテルの話が終わる頃にはラセルも落ち着いて来たので、ソファーへと戻り、ルートの隣へと座った。

 そして僕はルートのことをジーとひたすら、観察し続けているとラセルもノーテルの隣へと移動したらしい。

 僕はしばらく、ルートを観察した後に話を結論から切り出した。


「今回の出来事の始まりは『宗教』だと思う。と言うか、それしか考えられないんだよね~!」


 そう僕が言うと、ルートはやれやれと言いたげに苦笑いをしていて、ラセルはニコニコと笑っていた。

 唯一、ノーテルは呆けた顔をしていて、あれ?何で、ルートとラセルは驚かないんだろうと考えていると、その考えていることが顔に出ていたのか、ルートとラセルは同時にこう言った。


「「そんな、毎回驚いていたら、心臓が持たないからに決まってるだろ(でしょう?)」」


 そう二人ともそう言ったのだ。

 僕は自分がそう言う風に言われたが、言われたことについては気にもせずに、ルートとラセルは気が合いそうだな、なんてのんきに考えていた。

 だって、僕にも自分がたまにとんでもないことをしでかしていることくらい、気付いているんだもの。

 まあ、何を言われようがお節介なのをやめるつもりなんてないけど。

 ルートにやめとけって言われたら、その提案を考えてみてもいいけどね。


「ノーテルさん、ノハルはもう、すでに規格外な存在だから……いちいち、気にしてたら、心臓がもたねぇーからさ、ノハルは規格外なんだとそう認識して接することをおすすめするよ。

いちいち考えていると、その事に気づいた時に真剣に考えてたこっちが、バカらしく感じるから」

「そうです、ルート様の言う通りですよ、ノーテル。ノハル様の規格外な能力については深くは考えてはいけません。

流石は、ノハル様です。ぐらいに思っておけば良いのですよ」

「は、はぁ……」


 なんか皆揃って、失礼なことを言っているような気がするけど……スルーしておくかなぁ?

 ……ほぼ事実だし? 否定出来ない部分もあるし、今回は沈黙しとくのが一番の得策だろうしね、ルートが楽しそうだから今回は大人しくしとく。

 僕自身も僕の能力については、深くは考えないようにしていることは事実だけど……この能力に頼り過ぎないようにはしているんだけどね。











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