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王様と謁見します2

ポイント評価、お気に入り登録をしてくださった方、この小説を読んでくださっている方々、本当にありがとうございます!

「楽にせい。………ところでアート、言葉使いを直しても良いだろうか?」

 国王はそうアート兄さんに対して言っていたので、僕はアート兄さんの顔をばれないように窺うと、彼はにこりと微笑んだ後、こう言いました。


「良いですよ、父上」


 そうアート兄さんに許しを貰えると国王はさっきまでずっと生真面目そうな顔が一変して、一気に満面の笑顔になっていました。


「君がノハル アルファーセルくんかな?

嬉しいなぁ~、もう一人子供が増えたみたいで。僕はとても嬉しいよ~。

あっ、そうそう……。ロベルくんのことを父様って呼んでいるんでしょ?

じゃあ、僕のことは父上って呼んでくれると嬉しいな、なんて思ったりするんだけどな~、駄目?

あ、そうそう僕の自己紹介がまだだった。

僕はロスト アート サーバントと言うんだよ、よろしくね、ノハルくん」


 ………これがギャップ萌えってやつなんですね、別に僕は国王に対しては萌えはしませんけど。

 それではギャップ萌えとは言わないのかもしれませんね。しかし、イケメンは恐るべし…………。

 どんなにマシンガントークを披露しても、最後、にこりと一回笑えば許してしまいたくさせるのです。

 イケメンさんの笑顔は、凶器にすらなるんですね、なんて僕は一瞬そう思ってしまいました。

 羨ましい限りです。


「はい、よろしくお願いします。父上」

僕はにっこりとロスト父上に微笑みました。


 その後ロスト父上は、

「ズッキューン!」

 何故か意味不明で理解不能な言葉をおっしゃっていました、……ちゃんと言語で話して欲しいのですが。


 その言葉にアート兄さんは、

「うん。その言葉わからなくはないよ、父上。」

 うんうんと頷きながらそう、ロスト父上に同意をしていました。


 ………流石は親子ですね。以心伝心ということですか、親子愛ですね!と、考えているとロスト父上はこう話しかけて来ました。


「ノハル、この人はね?」

「サーバント大陸の宰相を務めております、ユート ファオルトと申します。

以後、お見知りおきを」


 そうユートさんは、自己紹介をすると流れるような綺麗なお辞儀をしました。

 ………この人、クーデレだったら、なんか今後も面白い展開になりそうですね!なんて考えながら僕は自己紹介をしました。


「ノハル アルファーセルです。よろしくお願いしますね、ユートさん!」


 ユートさんは真面目そうな顔から、少し口元が緩み、ニコと笑いました。

 ユートさんはクーデレですね、絶対に!


「はい、よろしくお願い致します」


 ユートさんはもう一度、口元だけニコッと、僕に対して微笑んでくれました。

 そんなユートさんの様子を見て、イケメンの笑みとは最強の武器である、なんて考えていました。

 僕が関係のない考え事をし始めたと同時に、ロスト父上はこう言い出しました。

「息子なんだから、王宮の出入り自由でいいよね。ユート!」

「勿論でございます、国王様」


 わぁお、僕が色々と考えているうちにどんどん話が進んでいますね~。

 王宮の出入り自由はあったって困らないから良いけどね~。……今度来た時は、あの兵士さん達とゆっくり話したいです。


「ノハル、名前を言えば通れるようにしておいたけど、王宮を出入り自由なことを事情を知らない子に話してはいけないよ。

……それと、明日は遅刻しては大変だ。今日はもう帰りなさい」


 ちょっ、急に真面目モードにならないでください。ギャップ萌えします、僕はしませんけどね。


「はい、わかりました」


 僕は学園指定バックの中から移動石を取り出して、ノーテルに手渡しました。

「それでは、今日のところはこの辺で失礼させて頂きますね。父上、アートお兄様、ユートさん」


 僕の挨拶の終わりと同時にノーテルは魔力を込めて、家に戻るようにと願いました。


※※※※※※※※


「ノハルは、不思議な子供だな………」

「そうですね、国王様。

僕も数年ぶりに心から笑うことが出来ました」


 ノハルは不思議な子供だなと、父上は確かにそう言った。……彼の人のみる目は確かだ。だけど彼の心の美しさは僕が見てもわかるほど。

 彼はまるで、強い誰かにずっと護られていたような心を持っている。それに彼自身も精神的にも、とても強い感じがした。


 そんな彼の目には、この世界がどのように輝いて見えているのだろう?

 彼はたくさんの楽しいことを考え、生きていくのだろうなと僕は思う。










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