合流しました!
僕はアート兄さんへ連れられて来たのは学園長室前で、そこには護衛がいるとばれてしまう可能性があるからと言う理由でルックノット学園の在学中の間、住む家へと帰ったはずのフードをかぶったノーテルとノアがいました。
ノーテルが発した一言は、
「流石……と言うべきですね。」
ため息をつきながらそう言っていました。
僕、また何か悪いことしちゃったかなぁ。ため息をつかれるようなこと。
んー、考えてもわからないんだけど。
「何が……?」
僕はコテンと首を傾げるとノーテルとノアは同時にため息をつき、こう言いました。
「「王子を貴方様の味方にしてしまったことです」」
彼らは一字一句、同じな会話を同時に言っていたことに、僕は少し驚きました。まあ、取り敢えずアート兄さんにこのことについて聞いてみようと思います。
「アートお兄様、これは凄いことなのですか?」
さっきと逆の方向にコテンと首を傾げるとアート兄さんは苦笑いをしながら、こう答えてくれました。
「そうだね~、普通なら敵対するはずの立場同士なのに、君は僕を味方にしてしまったのだからね」
彼はそう言うと何もない方向にアハハ~と笑っていました。
「アートお兄様は、僕と敵対するつもりで近づいたのですか……?」
ショボーンとしていると慌てて、アート兄さんは僕の頭を優しく撫で始めました。
「違うよ、違う!
断じて違うから、ね?
だから、いじけないで!」
「本当に?」
「本当!ノハル、サーバント大陸の国王と謁見するのだから、ロベルさんに報告した方が良いんじゃないのかな?」
何か、話を反らされたような気がしますが。まあ、いいでしょう!
あっ!それで思い出しましたが、確か学園指定バックの中に報告石があったはずなので、流石に国王に謁見するのだから父さんには言って置かなくてはいけませんね!と僕はアート兄さんに言われたことについて考えて、そう結論を出し、僕は報告石がある方の手で報告石に魔力を込めました。
『アルファーセルの領主、ロベル アルファーセルに報告する!』
そう言うと、石から映像画面が出てお父さんの顔が映っていました。
「おぉ、ノハ……ってファル アート サーバント様ではありませんか!?
私に……って早速、ノハルの正体が王子にバレてしまったのか……!?
国王にはあらかじめ言っておいたが……、王子には言っていなかったはず」
映像の中でガコンと勢い良い音がしましたが、お父さんが動揺して何かにぶつけたのでしょうか?
落ち着いてください、父さん。冷静になって、ちゃんと人の話を聞いてくださいよ、もう。思い込みが激しいのは父さんの悪いくせですね~。
「母親と名乗る女性にばらされました」
「母親らしき……ああ!ぁ、あいつな!」
また、ガコンガコンッと何かにぶつけたような音がしました。お父さん、いくら女性が恐いと言えどそこまで動揺してはいけませんよ。
「学園長です。
学園長は僕を探すのをご褒美でつらせた事情の知らない生徒の何人かに探させていたそうですが、運良く、事情を唯一事情を聞かされていたアートお兄様に、一番最初に会ったのです。
僕はそのことを聞いて学園長には呆れてしまいましたので、アートお兄様達に面倒を見てもらうことになり、今から国王と謁見してきます!」
「ちょ……ノハ『以上、ノハル アルファーセルからの報告であった』
「ル」の部分で通信が切れました。
ちなみに報告石とはですね、移動石のように魔力を込めるタイプです。
他にも魔力を込めるタイプとは違うのもあるらしいのですが、父さんは教えてくれないのです。
父さんはケチですね。
話は戻るのですけど、報告石は魔力を込めると映像画面が出てきて遠くに離れた人と、顔を見て会話が出来る優れものなのです。
話したい相手が報告石を持っていなければ会話は出来ないし、話したい相手の名前がわからなければ、報告石を持っていたとしても映像画面すらも出てきませんので注意しなければいけません。
「さぁ、行こうか」
そうアート兄さんは僕らに言って歩き出しました。なので、僕らは彼の後ろについて行こうと歩き出すのでした。
※※※※※※※※
しばらく歩くと児童会長室があり、アートお兄さんはそこで立ち止まり、僕らに声を掛けました。
「荷物取ってくるから、待っていて?」
彼は制服のポケットから鍵を取り出して、すぐにドアを開けて児童会長室の中に入っていきました。
その数分後、学校指定のバックを肩に掛けて彼の右手には、移動石が握られていました。
彼は移動石を左手に持ち変えて、児童会長室の鍵をしめました。
「これから、移動石で移動するからね」
アート兄さんはそう言い、僕の手を繋いだので僕はノーテルにノーテルはノアと手を繋ぎました。
アート兄さんはそれをやっているかを確認して手を繋いでない方の手で移動石に魔力を込めました。
言い忘れていましたが、移動石は三人以上を移動させる時は手を繋がなければなりません。
『サーバント大陸、王宮の国王との謁見する部屋のドアの前に行きたい』
彼は小さく、そう呟きました。




