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小話1 ヒカリとルート

PV400000突破しましたので、記念に小話を暫くの間投稿します。


「あの、ルートさん」

 と、ヒカリは、昼寝をしているノハルを優しく撫でているルートに話しかけた。

「なんだ? ヒカリ」

 そう返事をし、ノハルの髪を撫でるのをやめずに顔だけヒカリの方にルートは向ける。

 そんなルートの顔は、柔らかく優しい微笑みを浮かべていた。

 ルートの微笑みに、つられるかのようにヒカリは口元を緩ませるように微笑んだ後、ヒカリは淡々とした丁寧な口調でこう言う。


「ルートさんは何で、精霊になってまでノハルお祖父様の側にいるんですか? 他の人達は、そこまでしてノハルお祖父様の側に居ようとはしなかったのに」

 と、そんなヒカリの言葉に、ルートは微笑みを深めた後にこう告げた。


「大切だから。友人として、家族として、ノハルを一人にはしたくないから。

ノハルは一人にしたら、どんな無茶だってする。自分がどうなろうと、犠牲になろうと、大切な誰かを影から守ろうとするんだよ。

それを阻止したいのが一番の理由だけど、……何よりも大切な親友で家族であるノハルの側に、どんな存在になろうと側に俺が居たいだけ」


 そうルートは言った後、ノハルの髪を撫でるのをやめて、優しい視線をヒカリに向け、ヒカリの髪をすくように優しい手つきで撫でた。

 そして、ルートの表情は一変して悲しそうな表情になってしまう。


「ノハルはきっと、“僕にこの世界は優しすぎる”と思ってる……、でもノハルにとって絶望した事だってこの世界にもあったはずなのに……。

その苦しみを俺には話してもくれない、……ノハルは一人で抱え込んでしまう。ノハルの悩みを、俺も一緒に悩ませてもくれない」


 と、ヒカリの頭を撫でるのをやめて、ルートは悲しそうにそう言った。

 そんなルートは涙を流してはいなかったけれど、ヒカリには、ルートの“声が泣いている”ように聞こえた。


 そして、ヒカリは、

(依存し合ってる、この二人)

 と、考えていた。


 何故、ヒカリはそう思ったのか、……それはルートの後ろにいるノハルが途中から眠った振りをして、頬を緩ませているからだ。


(ブラコンで、親バカの親友バージョンの“親友バカ”なんだ、この二人)

 と、ヒカリは呆れたようにそう考えていた、……ポーカーフェイスを保ちつつだが。


「ルートさんが素直にそう言えば良いのですよ? ルートさんが精霊界に行く度に拗ねるぐらいですから、ルートさんの我儘だったら、ノハルお祖父様は満面の笑みで聞いてくれるはずです」


 と、そうルートにヒカリは告げた後、昼寝の体制になるヒカリなのだった。



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