次の日学校で
次の日、教室に入ると友達の栗木真菜がわたしに飛び付いて来た。
「沙都、おはよ。聞いたよ。青木クンと付き合うようになったんだって?」
真菜の大声が教室中に響いた。
朝連で、先に来ていた涼が、こっちを見てきた。
ちょっと怖い顔になった。
涼……
「え~。沙都と青木クンが?」
いつもつるんでる一人が駆け寄って来た。
「じゃあ、みんなでお祝いしよう~」
「祝福にはカラオケだね」
何かあると直ぐにみんなカラオケに行きたがる。
涼がまたこっちを見てきた。
胸の奥がキュンとなった。
何も言わない涼。
気だるそうに椅子に座って窓の外を見ている。
上から三個目まで開けた制服のシャツから筋肉質の肌が見えた。
「沙都……好きだ」
昨日の涼の言葉。
あの胸に抱かれたんだ。
あの目に全てを見られたんだ。
そして、あの背中にしがみ付いた。
そう思うとまた、恥ずかしくなった。
「沙都? ものすごく顔赤いよ。そんなに嬉しい?」
「そ……そうじゃないよ」
必死で首を振った。
真菜の言葉に涼が反応して、またこっちを見てきた。
目を逸らした。
やっぱ、涼の顔まともに見れない。
この場から消えてなくなりたかった。
「男子~。行きたい人~」
真菜のこの指とまれが始まった。
「俺行く~」
涼の隣の席の男子が声を上げた。
「涼も行くだろ?」
当然みたいに涼の名前も出した。
結局、涼を含めたいつものメンバー六人プラス青木クンで、カラオケに行くことになった。




