表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/47

涼が好きだ

「そっか……。良かった。今日はマジでヤバイとか思ってたし。なあ、沙都……」

声のトーンが急に甘くなった。

「なに?」

「このまま……続けていいか?」

耳元で優しくそう呟く。

涼に……

涼に大人しく抱かれていたなら……

涼は……わたしを好きでいてくれる。

涼は……ずっとわたしを好きでいてくれる。

このまま、涼に抱かれていたなら

涼の気持ちを繋ぎとめておける。

「いいよ……涼なら、いいよ」

涼がわたしの制服のブラウスのボタンを一つずつ、はずし始めた。


ボタンを全開にして、ベストとブラウスを同時にはぎ取られた。

そして、わたしをフワリと抱き上げた涼は、そのままベッドの上に寝かせて、昨日と同じように覆い被さって来た。

お風呂に入ったばかりだったのか、洗いざらしの前髪から、涼の茶色掛った瞳が見える。

毎日見て来た涼の顔は男の子のわりに小さめだ。くっきりと縁取られた二重の目につんとした澄ました鼻。独特の薄い唇が、意地悪くも見え、幼くも見える。

視線を絡めたままゆっくりと顔を近づけて来て、わたしの唇を塞いだ。

眠るように眼を閉じた。

ついばむように、その薄い唇を何度か重ねてから、わたしの唇をこじ開け、舌を絡ませてきた。

わたしは涼が好きだ。

こうなることに何の違和感も無かったのは事実だ。

ただ、照れくさくて、恥ずかしくて、それを取り除けば、ごく、自然なことだった気がする。

触れ合う段階が早急過ぎただけで、心はちゃんとお互い繋がっていたんだと確信した。

指と指を絡めるだけでも、涼の気持ちが感じられて、身体中の力が抜ける。

目を閉じて、涼から漂って来るボディーソープとシャンプーの残り香にめまいがするほど酔っていた。

涼の唇がわたしの身体の輪郭を縁取るように下に下にと滑り降りて来て、両手を生乾きの涼の髪に指を絡めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ