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1000文字小説

掛け違えたボタン [千文字小説]

作者: 尖角

 二人で歩いた一本道。


 それはいつから離れ離れになって、交わることをやめたのだろう。


 それは“離さない”と決めた、ただ一つの道。


 あなたはそれをどう思っていたのだろう?


 どう思いながら、今を生きているのだろう?


 あたしは、永遠にあなたを傍で感じられると思っていた。


 でも、気が付くとあたしは一人だった。


 気が付くと隣にはあなたがいなかった。


 でもなんで、もっと早くに気が付くことができなかったのだろう?


 あんなにあなたのことが好きだったのに、いつの間にか“あなた”という存在を忘れていた。




 でも、あなただけを見るんじゃなくて、余所見をしていればよかったんだ。


 そうすれば、こんなに悲しむことはなかったのに。


 本当にあたしは馬鹿だ。


 本当にあたしは馬鹿だと思う。



 だって、そんなことをすれば、一途じゃなくなる。


 そんな恋愛に意味などないのに。


 それじゃあ、あなたと一緒になってしまうというのに。






 そういった何気ない気持ちが、次々と虚無感に変わっていく。






 きっと、あたしは“寂しがり屋”なのだろう。


 だから、あなたを求めたのだろう。


 真相はわからないけれど、きっと、本当は、そうなのだろう。


 あたしだって馬鹿なだけじゃない。


 それなりに信念を持ってあなたに立ち向かったはずだ。


 それはあなたの隣にいれるようにするため。


 あなたと並んで歩けるようにするためだった。


 けれど、それはもはや叶わない夢でしかない。


 あたしとしては辛いけれども、受け入れるしかないのだ。


 所詮、あたしにはそんな人生しか待っていないのだから。











 ―――――○―――――●―――――○――――











 あたしは、どれだけの時間を我慢しただろうか?



 「ごめん!」


 「仕事が長引いちゃってさ…」


 「今から、どこ行く?」



 そんな風に、軽くしか謝らないあなた。


 でも、そもそも可愛くもないあたしがさ、 世間のいう“イケメン”の横を歩こうとしてたこと自体が大それたことだったんだよ。


 うん! そう思うんだ。


 あなたが浮気していたことを知った今ではね。











 だって、おかしいじゃない?


 いつも遅刻するときに限って、会社とは違う方から来る。


 なんでなのかな?もっとましな嘘は吐けないのかな?


 それとも、ましな嘘が吐けなかっただけなのかな?



 ずいぶんの間、そんなことに気が付かなかった私も、もっと“まし”になるべきだけれど。


 でも、もういいんだ。


 君の過去を責めるのは、やめようと思うんだ。


 だからさ、 今は泣いても良いよね?


 君のいない、 この世界のために。。。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 1000文字で書いてあるんですか? 飽き性なので長すぎると読む気失くすんですが、これくらいだと読みやすかったです。
2011/11/05 20:47 退会済み
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