第7話 緑の勇者と魔道具
第十章251話と252話の間の投稿のエピソードです。
緑の勇者様のいるグランホーク王国へと戻って来たディーネが緑の勇者様や聖女キャロル様との会話。
蘭:
お帰りなさい。ディーネさん。
それでどうったのかしら。
依頼は無事に完了出来たのかしら。
ディーネ:
はい。問題なくクリア出来ました。
キャロル:
そう言えば、この前話してた『攻略の幼女』って女の子の冒険者さんって私たちとディーネさんが最初に出会ったグランドツール共和国の転移門の所でディーネさんと一緒に居た方ですか?
ディーネ:
はい。そうです。
あの時の依頼主です。
蘭:
確か、あの時の女の子だったかしら。
セーラー服を着ていましたよね?
この世界では、余り見たことがありませんが一般的に流通している服装でしょうか?
ディーネ:
あれはセーラー服ですね。
原案は青の勇者様が考えた衣装ですが、それを魔道具として防具として使えるように改良した物が、あのセーラー服です。
蘭:
あのセーラー服は魔道具なんですね。
私の元の世界の物なら再現出来たり、魔道具化出来たりするのかしら。
ディーネ:
はい。再現出来る物と再現出来ない物がありますが、単純な物はこの世界用に合わせて作られています。
緑の勇者様に分かり易い物だと「冒険者カード」ですね。
身分証明が出来たり、お金を預けたり引き出せたり支払ったりすることが出来ます。
蘭:
まぁ、あのカードにはそんな機能が付いているんですね。
では、スマホって知っているの?
ディーネ:
はい。私はスマホも知っています。
ただ、『スマホ』『携帯電話』『端末』『デバイス』と呼ばれているということだけです。
詳しい機能までは理解出来ませんでしたし、魔道具として再現もされていません。
蘭:
スマホ。無いんだ。
ディーネ:
携帯電話という物を魔道具として再現は出来ています。
通信の魔道具と言って、対になる魔道具同士で勇者様の世界の携帯電話のようにはいきませんが通話出来る魔道具です。
キャロル:
通信の魔道具なら私も知っていますわ。
これでしょ?
聖女キャロル様がテーブルに置かれている通信の魔道具を指さして言いました。
テーブルと言っても緑の勇者様、聖女キャロル様、ディーネさんが囲んでいるテーブルではありません。
サイドテーブルというか花瓶や紙やペンなどを置いてある小さ目でちょっとした小物を置いてあるようなテーブルのことです。
蘭:
これが通信の魔道具ですか?
思っていたよりも大きい物ですね。
これでは持ち運びが大変ではありませんか?
ディーネ:
これは旧型の通信の魔道具ですね。
通信の魔道具を使うには魔石が必要です。
その魔石を入れるために本体が大きくなっています。
緑の勇者様は通信の魔道具が待ち運ぶには不便であることに不便と感じたようです。
ですが、この通信の魔道具でさえもこの世界の人は持ち運んで利用しています。
ランクSに滞在している冒険者さんが使っている通信の魔道具と同じサイズか? と聞かれると違うと答えるでしょうが、グランホーク王国のランクSや他のダンジョンの安全地帯などにいる冒険者が使っている通信の魔道具はこれぐらいのサイズです。
魔動王国メイドールで色んな魔道具や魔動機械が作られていますが、通信の魔道具はグランドール帝国、グランドワール王国、グランドツール共和国で使われている魔道具が小型化に成功した魔道具が使われているだけです。
どちらかというと世界の北部と南部では技術や産業の伝道が異なっています。
北部では技術や魔道具などは旧型が今でも使われていて、南部では新しい技術や魔道具が使われています。
これは元の世界の地球で例えると北半球=北部、南半球=南部と同じ意味だと緑の勇者様が言われていました。
どうして、こんなにも技術が世界に広まっていないかというと、魔王ガリア様はグランホーク王国方面が出身が理由です。
建国と創世の時代に魔王城があったのはこのグランホーク王国です。
現在はクラフトマスターであった魔王ガリア様がいなくなり、クラフトマスターの技術を受け継ぐ者がいなくなって技術や産業の中心が魔動王国メイドールへと移ったからだと言われています。
建国と創世の時代は今から1000年や2000年前の時代です。
当時を知る者もいなければ、当時の技術を受け継ぐ者も生きてはいないのです。
これもまた、クラスやクラス解放条件と同じように失われてしまった情報です。
エルフは長生きで情報や知識だけは伝えることが出来たようですが、さすが技術までは長い年月を伝え抜くことは出来なかったということです。
蘭:
ディーネさん。
スマホをこの世界に魔道具として再現することは出来ないんですか?
ディーネ:
スマホにどうような機能があるか分かりません。
緑の勇者様の世界の物というのは理解出来ますが、それはどんな仕組みですか?
蘭:
どんな仕組みって例えばどんなことが聞きたいの?
ディーネ:
通信の魔道具であれば、対になる魔道具同士で【念話】の魔法を使い合います。
スマホという魔道具を持っていれば誰とでも念話が可能ということは分かっています。
ですが、その仕組みを理解し技術として表現出来る者がいないんです。
蘭:
作れる技術者がいない?
ディーネ:
はい。その通りです。
緑の勇者様もご存じのように今の時代は過去には普通にあったクラスが相当数失われてしまっています。
スマホを再現するには上位クラスの中のトップクラスの者に緑の勇者様が情報を伝え、スマホを作って貰うしかありません。
そのトップクラスの上位クラスの錬金術師などが存在していません。
蘭:
プチジェルスライムを利用すれば熟練度を稼げるから、その上位クラスに誰か就けるようになるのでは?
ディーネ:
おそらく、それも無理と思われます。
熟練度が最大になってもスマホを作るとなるとそれ以上の経験が必要と考えます。
蘭:
ああ。そういうことね。
理論や知識はあっても実戦出来るかどうかは本人次第な所があるわ。
熟練度が最大というのは技術も理論も完璧だけど、経験がないから臨機応変に対応出来ないことなのね。
スマホみたいな物は出来るけど、私一人だけがスマホを持った所で意味がないってことが分かったから諦めるわ。
スマホや携帯電話は作ろうと思えば作れますが、それをたった一人が持っていても意味がありません。
世界中に広めなければスマホや携帯電話として機能しない物が出来上がるだけってことです。
魔道具は単独で意味がある物、効果がある物が作られています。
これは魔道具を世界中に広めるには時間とコストが必要と知っているからです。
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