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5月ー3 『図書室での勉強会』


今は5月初週だ。

中間テストまであと2週間程しかない。

そしてテストは1週間かけて行われる。

テストを終わるのを待っていたらあっという間に6月だ。

まだ大して遥斗との好感度は上がっていないのにテスト勉強なんてやっている場合じゃない。

だが一つだけある。

テスト勉強しながら好感度を上げる方法が。

それは遥斗と一緒に放課後勉強会を開くことだ!

そうと決まれば早速明日の放課後にでも遥斗を誘ってみよう。


俺は学校に登校しながらそんな作戦を考えていた。

教室に入って席に着くと渉が声を掛けてきた。


「よっ!きのうは上手くいったか?」


「うん!ありがとう栗花落くん。

栗花落くんのおかげだよ。」


「どういたしましてだな!」


俺は渉に大事なことを思い出させてもらったからその分のお礼を言った。


放課後になって俺は二人で教室を出ようとしている遥斗と渉に声を掛けた。


「待って!四季くん、栗花落くん。

良かったら一緒に図書室で勉強会とかどうかな?

ちょっと不安な教科とかあって、一緒に教えあいっことかできたらいいなあって思うんだけど。」


「ちょうど良かった!ちょうど3年の葉月先輩と1年の紅葉さんに勉強会に誘われてて、それが図書室でやるそうなんだ。

桜野さんも一緒に行こう!」


「う、うん…。」


とても良い笑顔で返された。

まさか他のヒロインも同じ作戦を考えていたなんて。

というか学年違うから効率悪くないか?

栞ちゃんは1年生で遥斗に勉強を教えてもらい、海音先輩は学年で10位以内に入るぐらい頭いいから後輩に教える余裕があってちょうど良いバランスなのだろう。



- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


図書室に入ると、


「待ってたよ〜!はるくん〜!」


「海音先輩ったら、図書室は静かにしなきゃダメなんですよ。」


海音がいきなり遥斗に飛びついてきて、それを注意する栞がいた。


「ところでそっちの男の子と可愛い子は?」


「2年の桜野 桃花です。

よろしくお願いします。」


「俺は栗花落 渉でこいつ(遥斗)の友達だ。

よろしくな!

うっひょ〜!あの有名人の葉月海音先輩とお知り合いになれるなんて、なんて最高な日なんだ〜!」


「もう、大袈裟だな〜

私達も自己紹介するね。

私はご存知の通り3年の葉月 海音。よろしくね!

こっちは1年の紅葉 栞ちゃん。

仲良くしてあげてね〜」


「紅葉 栞です。よろしく…お願いします…。」


栞は海音に隠れるようにお辞儀をした。

俺達は一通り自己紹介が済んだところで勉強会を始めた。

とりあえず俺は歴史や地理の勉強を大急ぎでやらなくちゃいけない。

この世界でも現実世界の歴史と似たようなことがあっても微妙に物事や人物の名前が違かったりする。

現実世界で言うところのフランス革命がフランス大革命であったり、マリー・アントワネットがアリー・マントワネットだったりと、いっその事全く違う名前であれば覚えやすいのに、若干違うだけなので逆に覚えずらい…。

地理の方も似たような感じで国の名前は一緒だが都市の名称が違かったりする。


「桃花ちゃんってさ、理数系はすごくできるのに、なんで文系が基礎からできてないんだろうね?」


「えっと、それは…理数系が大好きで、文系はあんまり好きじゃないというかぁ…」


海音先輩に聞かれたが、異世界から来たと言ってもこっちの世界の人には信じてもらえないだろうからとりあえず誤魔化しておいた。


「俺も地理とか歴史とか苦手でさ〜。一緒だな!」


渉がとても共感してくれてちょっと安心した。


俺は一つ海音先輩と栞ちゃんに聞いておきたいことがあった。


「そういえば、葉月先輩と紅葉さんは仲良くなるきっかけとか何かあったんですか?」


そう、本来のラブダイでは海音と栞はそれほど交流はなかったのだ。

ギャルっぽい海音先輩と人見知りの栞ちゃん。

それぞれ全く違うタイプなのにどうしてこんなに仲良さげなのだろうか。


「きっかけは、はるくんかなぁ」


「えっと、どういうことですか?」


「私が入学してすぐの事なんですけど、野球部が投げたボールが私にぶつかりそうになったところを四季先輩が助けてくれたんです…。

それで四季先輩の腕にボールが当たってアザになっちゃって…。

でも、入学したばかりで保健室の場所がわからなくて…。

そこで通りかかって助けてくれたのが海音先輩だったんです。」


「自分を犠牲にしてまで栞ちゃんを守ったはるくんもかっこいいって思ったし、はるくんのために泣きそうになりながら助けを求めてた栞ちゃんもとっても可愛かったの〜!

だから私ははるくんのことも栞ちゃんのことも好きになったんだよね〜」


「四季先輩も海音先輩も私の恩人なんです。」


そのイベントは本来であれば遥斗と一緒に桃花もいたはずだから海音先輩と栞ちゃんはそこで交流するはずがないのだ。

しかし、新学期初日に縁結びの桜の前で桃花と遥斗が出会うわず、その日も一緒に行動することがなかったから海音先輩と栞ちゃんが交流するきっかけになってしまったのだろう。


「それよりも今日は勉強会でしょ!

口よりも手を動かしてテスト頑張ろー!」


そして2週間の勉強会と自宅でのテスト勉強も相まってテストの結果はどれも平均点より上を取れて、まあまあな結果だった。

遥斗との好感度はどうなのだろうか。

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