表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

5月ー2 『眩しい笑顔』


ホームルームの先生の締めの挨拶が終わり放課後になった。

遥斗はいつも渉と一緒に行動をしているが渉は俺に気を使ってか遥斗よりも先に早足で帰ったようだった。

遥斗はまだ荷物を整理し帰る準備をしている様子だ。


「四季くん、今日は一緒に帰りませんか?

私、四季くんとお話がしてみたいんです。」


俺は勇気を振り絞って声を掛けてみた。

桃花だったらきっとありのまま素直に声をかけるのだろう。

俺はずっと印象に残る出会い方を模索していたが、話したことない女の子がいきなり一緒に帰ろうと声を掛ける。

それだけでもきっと印象的なはずだ。

ゲームで縁結びの木の前で主人公に声を掛けてきた桃花だってただ話したいことを主人公に話しただけだ。

桃花は印象なんてきっと考えていなかった。

桃花らしさとはありのまま、素直に行動に移す。

それだけで良かったのだろう。


「もちろんいいよ。一緒に帰ろうか。」


四季遥斗は笑顔でそう答えた。

ゲームでは主人公=プレイヤーであるからプレイヤーが感情移入しやすいように主人公の表情はほとんど描写されない。

初めて見た遥斗の笑顔はとても眩しかった。

よく見たら顔も整っており爽やかイケメンだ。

俺の顔、いや、桃花の顔が少し赤くなったのを感じた。


外に出ると縁結びの桜はもうとっくに葉桜で、桜の花のほとんどは散ってしまっている。

遥斗との帰り道は学校の先生や友達の話がほとんどだった。


遥斗に言われて気づいたがもうすぐ中間テストだ。

現実世界では俺は頭が良い方だったのでテストのことなんて気にしたことなかった。

だが、この世界での学問は現実世界の学問の内容と同じものもあるが、大きく違うものもあった。

主に数学や理科等の理数系は現実世界と全く一緒だったので心配ないが、地理や歴史が全く違うので一から勉強する必要がある。


そしてもうひとつ問題がある。

ラブダイのストーリーとしてはまだ遥斗と出会っただけだ。

今まで話しかけることも出来なかった俺にとってはそれは大きな一歩ではあるが、主人公がヒロインを選択しルート分岐に入るのは6月だ。

それまでに他のヒロインよりも好感度をあげる必要があるのだ。


テスト勉強と遥斗との好感度、俺は2つの壁に挟まれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ