7月ー1 『期末試験』
体育祭が終わった次の日、俺と白雪さんはいつもの如く空き教室で密会をしていた。
「まったく、最後の全校リレーには驚かされたわ。
まさか海音先輩がすぐに立ち上がって優勝してしまうなんてね。
でも、あんなことをして良かったのかしら?」
「まぁいいんじゃないか?
体育祭の優勝が今後のシナリオに影響があるとは思えないし。」
「それもそうね。」
「っていうか、3週間後には期末試験じゃないか!
白雪さんはこの世界の勉強大丈夫なのか?」
そう、7月に入り夏休みが近づいている。
それと同時に期末試験の日も近づいているのだ。
元の世界とこの世界では史実等が微妙に違うことを前回の中間試験で俺は知った。
「何を言っているの。
私たちにそんなもの必要ないでしょう?」
「え、麗華様になりきることに全力を注いでいる白雪さんがそんなこと言うなんて珍しいな?
一体どういうことだ?」
「あなたまさか、これの使い方を把握していないのかしら?」
白雪さんが取り出したのはあの真っ白な本だった。
「この本の何も書かれていないページに質問を書き込めば本が答えてくれるのよ。
それこそ試験の内容と答えとかね。」
白雪さんはそう話しながら『期末試験の全教科の内容と答えを教えて』と書き込むと何も書かれていなかったはずの本に文字が浮かび上がってきた。
それは質問への返事を返すように期末試験で出題されるであろう問題とその解答だった。
「その本にそんな力があったなんて…!」
「これを前日にでも丸暗記すればテストなんて余裕よ。
ところでアイドルのトレーニングの方はどうなの?」
「まぁ結構順調だと思う。」
俺は毎日学校が終わると事務所のトレーニングルームで美音先輩と、時には一人でダンスの振り付けを練習し、家でもMCの内容や簡単なイメージトレーニングをしている。
最初のお披露目公演は7月末、夏休みに入ってすぐだ。
それに間に合うように完璧な桃花、完璧なアイドルを目指さなければならない。
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そして試験も順調に終わり、中間試験の時と同じように図書室に俺らは集まり、試験の反省会をした。
反省会が終わると、美音先輩はみんなに美音先輩と桃花のアイドルユニットのチケットをみんなに渡した。
「もうみんな知ってると思うけど、あたしと桃花ちゃんでアイドルユニットを組むんだー!
そのユニットのお披露目ライブを今度の日曜日にやるからみんな絶対来てね!」
「アイドルのライブなんて初めてなのですごく楽しみです!」
「美音先輩も桜野さんも可愛いんだろうなー!」
「この日は僕も予定を空けておくね。」
みんなすごく楽しみにしてくれているようだ。
俺も身を引き締めなければいけない。




