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6月ー1 『黒髪の彼女』


テストも終わり6月になった。

主人公・遥斗がヒロインの中から1人を選び分岐ルートに進むまでもう間もなくだ。


今日は放課後に勉強会に参加したメンバーが集まってテスト結果の報告会をすることになっている。

そしてきっと「彼女」も現れるであろう。


俺は放課後になり図書室へ向かった。



- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



「さぁ!みんな結果はどうだったー??」


「僕は全部平均点で、順位も真ん中ぐらいでした。」


さすがギャルゲー主人公・四季遥斗。

何もかもが普通の普通少年だ。


「俺はほとんど平均点以下だったなぁ。

まぁ次頑張るか!」


チャラチャラしてるだけのイケメン・栗花落渉の学力は少し低いらしい。

まぁ顔が良くて性格も良くて頭まで良かったら、ヒロインは誰も主人公に見向きもせず、主人公の親友の方に魅了されてしまうであろうからバランス的にはちょうど良いのかもしれない。


「私は先輩方のおかげでほとんどの教科で平均点よりも上を取れましたが、生物のテストだけ平均点を取れませんでした…。

その…どうしても虫が苦手で、問題の虫の写真を見ただけで集中力が…」


栞ちゃんの虫嫌いは知っていたが、まさかテストに影響が出るほどとは。


「私は理数系はどれも10位以内に入りましたが、文系は平均点を超えたものの自分では納得のいかない結果でした…。

でも皆さんとお勉強会をしなかったら平均点すらも超えなかったと思うのでありがとうございました!」


俺は真面目にテスト勉強に取り組み過ぎたせいか、本来の桃花よりも上の学力になってしまった。

だが、桃花はテストで良い点を取ったことを鼻にかけることはないであろうから俺は謙虚に答えた。


「海音先輩はどうでしたか?」


遥斗が聞くと、


「あたしはなんと、学年総合5位でしたー!

せっかくなら1位になりたかったんだけどね〜

次は頑張るっしょ!」


さすが海音先輩だ。

芸能の仕事が忙しい海音先輩にとっては勉強する時間もそんなに取らないであろう。

そんな中、学年5位を取るのはなかなかできることじゃない。


俺たちが楽しそうに図書室で話をしていると、


「ここは図書室ではなくて?

少し静かにしたらどうかしら。」


と俺たちの話し声に指摘してくる黒髪の「彼女」が現れた。

その彼女は冷たいアメジストのような紫の瞳をしており、黒髪ロングヘアの頭に緑色のビジューが付いたカチューシャをしていた。

遥斗や桃花と同級生の(ひいらぎ) 麗華(れいか)だ。

彼女はラブダイの4人目のヒロインにして、6月の分岐ルート直前になって現れる最後のヒロインだ。

麗華様は他のヒロインとは違い事前に好感度を上げておくことができないため、ヒロイン選択で彼女を選んだ場合はラブエンドにするための難易度が他のヒロインよりも遥かに難易度が高い。


「麗華お姉様、申し訳ございません。」


栞が返事をする。

柊麗華と紅葉栞は従姉妹同士だが、あまり仲が良くない。

仲が良くないと言うより、麗華が栞を一方的に避けていると言った方が正しいかもしれない。


「しかし、テストが終わった後もテストについて話し合いをするのはとても良い志だとは思いますわ。

ところで桜野さん。この後お時間はよろしいかしら?」


何故か麗華様は俺(桃花たん)をご指名だ。


「ちょうどテストの報告会も終わって解散しようと思ってたところだし、桃花ちゃん行って来なよ。」


海音先輩に後押しされ、俺は麗華に呼ばれるがままついていった。



- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



「桜野桃花さん。」


麗華についていき、誰もいない教室で話は始まった。


その一言は俺にとって衝撃的な一言だった。


「 - あなた、現実世界からの転移者ですわね?- 」


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