1.ここはどこ?
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拙い文章ですがよろしくお願いいたします!!
「300番の方 白金貨400枚で契約成立です。落札おめでとうございます。この後係員の案内に従って下さい。」
わぁあああああ ドンドンッバンバンバンと物凄い歓声が聞こえてくる。
何か売られたのかな?白金貨ってなに?
価格の単位がおかしいからやっぱり異世界だよね···ハァ
最後の一口高級食パン···勿体無いことしたなぁ〜
こんな呑気な事を考えているのは佐々木千織25歳 女性 独身である。
時を遡ること10日前の事だった。
前日に大好きなアニメのDVDを見たため盛大に朝寝坊をし、「やばい。もう8時じゃん」会社の出社時間まであと30分を切っていた。しかもそんな日に限って朝から取引先との大事な商談があり、慌てて家を飛び出した。
走りながらバックをガサゴソ漁ると社長に貰ったまま放置していた高級食パンがあった···「今食べとかないお腹鳴りそう」と思った千織はパンを片手に食べながら駅まで走って向かった。
中学生ぶりの全力疾走にゼェーハーゼェーハーと息が切れる。1度立ち止まって休憩をすると前方に逆走している車が見えた。「なんだろう?」とその時は思ったが時間を確認するため一瞬目を離した隙に···スローモーションのように自分にゆっくりゆっくり車が近づいてきたかと思うと運転手と目が合った。
「へ?」
ドンッ バリバリバリッ
ガシャーン···
気づいた時には軽トラックに跳ねられてた。
うぐぅ···身体が···ィタイ
遠くの方で「おい、大丈夫か?」と声が聞こえる。
キャーーーと誰かの叫び声も···
しばらくすると何も聞こえなくなった。
事故のショックと大量出血から意識を手放しかけたとき、
一瞬誰かに「あちゃ〜」と残念そうな声をかけられた気がする···
次に目を覚ますと山の中だった。「あれ?ここどこ?」と呟いたが事故の記憶を思い出しと、すかさず自分の身体を触った。すると血が出てない?···全身触って確かめると傷一つないようで安心をし、安堵した千織はそのまま寝てしまった。
ただ運が悪いことに山賊のアジトが近くにあり、寝ている間に捕まえられて奴隷商に売られたのだった。
山賊の間ではこんな会話がされていた。
「お頭女ですか?久々の女。やったァアーーーー!!!」
ウヒヒヒヒ ニヤニヤ 至るところで山賊たちは興奮をしていた。お頭も久しぶりの女に喜んだ。
自分たちのねぐらに持ち帰り今か今かと興奮していたが、明るい所で女の容姿を見てさーーーっと血の気が引いた···
この国の伝承で黒髪黒目の者は神の使い、愛子、神子などと言われ大切にされていた。その者に手を出した者は死が訪れるというような言い伝えがある。
この国は黒髪黒目の者を信仰しとても大切にしているが、現在生き物で黒を持つものは『魔物』しかいない。殆どの民がおとぎ話の世界であると思っていた。それが今自分達の目の前にいる···
唖然としていた山賊達であったが、
「ぉおお頭、その女は奴隷商に渡しちいましょう」と震えながら1人が呟いた。
暗闇で捕まえたから分からなかった···まさか黒髪だとは···
その声で全員が立ち直り、自分達の手には余ると思った山賊達により、奴隷商へ引き渡されたが、自国の奴隷商も黒髪黒目の少女に恐怖を感じ、隣国の奴隷商へ更にオークション業者へと運ばれていった···
ここまで千織は何故か1度も目覚めることがなかった···
ある奴隷商の従業員はいつも通り山賊から女を買った。
今回連れてこられた女は深くフードを被っていたが手には傷やシミ一つなくフードから見える顔は物凄く美しかった。『当りだ』と興奮し、確認を怠った。いつもなら全身チェックをし、状態を確認するのだが·····
買い取った後、従業員が何度も声をかけるも起きない女に嫌気が差し、思いっきり「おい、女起きろ」と揺さぶってみるとフードが取れ黒髪の女が現れた。
あまりの衝撃で側にいた奴隷商のオーナーが叫び声をあげ、従業員が集まってきた。
各々唖然とした······特にオーナーは黒髪に慄いただけでなく、女が死んでいることに慌てた。
ガクガク···ブルブル···と
「私は揺さぶって殺してしまったのか?」と従業員が自問自答した。
ここで働いている従業員は全員黒髪黒目の人間を信仰していた。子供の頃から親に言い聞かせられ、今は自分たちが子供や孫に話を言い聞かせていた。それなのにも関わらず、「害してしまった」···恐怖で震えた。
オーナーはすぐに身の危険と感じ、自分と取引の合った隣国の奴隷商に「珍しい遺体がある」と話を持ちかけ引き取ってもらった。
しかし引き取った奴隷商でもどうしたものかと頭を悩ませた。そんな時たまたま商品を引き取りに来ていたオークション業者のオーナーに話を持ちかけたところ、興味を引いたオーナーによってその日の内に引き取られた。
千織はまだ目を覚まさなかった。
目を覚めしたときは、檻の中でオークションにかけられている最中だった。
ーーーーーーーーーーー
うぅ······寝すぎた?頭が痛い。
あれ私····さっき山の中に···うん?音がする?
耳を澄ませるとゆったりと心地よい音楽が流れている。
ここどこだろう?
ぼーっとしている頭を動かし、恐る恐る目を開こうとした。しかしゆっくり流れていた音楽がどんどん激しくなったと思ったらバンッと何かを叩く音が聞こえ、音楽が止まった。
怖くなった私はぎゅっと目を閉じた。
音楽が止まり静寂が訪れ、静まり返った。周りに耳を澄ませてみると···
「皆さんいよいよお待ちかねの商品の登場です!!!」
誰かのかけ声と共にゴーッと幕が上がり始め、
うわああぁ!!!パチパチ···バンバンと
驚嘆の声が上がり始めた。
突然暗い所から明るくなった千織はパニックである。
なに?なに?何か販売しているの?
千織は必死に自分のいる場所を考えたが、何も分からなかったため目を閉じて時間が進むのを待った。
再びバンバンっとまた何かを叩く音が聞こえた。
再び周りがシーンと静まり返った。
「こちらは私のコネクションで入手をしたとても美しい顔をした黒髪少女の死体です。
当社スタッフが確認したところ、黒髪は染め粉を使わず、地毛となっております。
またまつ毛や肌から生えるうぶ毛1本1本も黒色でございます。
皆様!!!!!
魔物以外で黒色を見たことがありますか???
私は···見たことがありませんでした。
生まれて400年経ちますが···初めてです!
私はあまりの衝撃で何度も頬を抓りました。
見て下さい。私の頬を!赤いでしょう??フフフ
ワァハハハッと会場から笑い声が聞こえた。
隣国では黒髪黒目は神の使いと言われるほど大切にされているそうですよ。私も同じく黒髪黒目のおとぎ話を親から聞いて育っています。
ここにいる殆どの方がそうでしょう?
この少女を購入した方は····幸運が約束されているでしょう!!!!
ではこれから皆様にはご自由に鑑定をしていただき、本物の黒髪をしっかりと皆様の目で確認をして下さい。
但し、とても貴重で壊れやすい物のため触れることは禁止させていただきます。では皆さん存分にどうぞ。」
その言葉を皮切りに、耳の鼓膜が破れるくらいの歓声があがった。
千織はその間ポカポカ光る照明にまた寝始めてしまった。
今回のオークションは事前に内容が告知されていた。
なぜなら参加できなかった者から後々報復や暴動を起こされる恐れがあったからだ。それほど今回出品する品物は素晴らしい物だ。
あまりにも美しい黒髪少女の死体、そして古代魔道具の数々······
事前の告知により他国からも大勢の者が集まった。
上位貴族から闇商人までお金に糸目をつけない者が鑑定持ち同伴のもと、1つでも購入しようと意気込んだ。
競りでは千織の荷物が勝手に販売されていた。
パソコンにペン、お財布にハンカチ、バックそして生理用品まで高値で取引された。
生理用品は未知の質感・生地ということで糸や布を扱う大商家が購入をした。
助かったのはポケット入っていた財布と、スマホだけだった。
なぜならオークションのスタッフも千織の黒髪に恐れたからだ。
一部噂を信じていないスタッフもいたが幸いにも死体だと思われていたため、無体な事はされたかった。
「皆様、最終確認は大丈夫でしょうか??」
ではこれから競りを始めます。
金貨1枚から始まった競りは白金貨まで上がった。
「白金貨100枚」と闇商人が声を上げた
「120枚」次は人形コレクターの伯爵夫人が声を上げた。
「400枚」といきなりぶっ飛んだ価格を提示した男がいた。
会場にいる全ての者の視線が提示したフードを被った男を見た。
沈黙がながれ·······
「他にいらっしゃいますか?
白金貨400枚で決定でよろしいでしょうか?」
再度沈黙が流れ······
「落札です!」と声がかった。
会場は興奮をている者から落胆している者まで様々だった。
あまりの騒音に起きた千織はぎゅっと目を閉じたまま何の歓声なのか呑気に考えていた···
騒がしい騒音が聞こえる中、千織は突然動き出した地面に驚いた。
ガラガラとゆっくりゆっくりどこかへ運ばれている。
『どこに連れて行かれるのだろう?』と急に心臓がドクドクドクと激しく音がなる。
すると「やっとこの死体の購入者が決まったな〜」
「誰が購入したか分かったか?」
「いいや、分からなかった。もの好きは誰だろうな」ハハハ
千織は自分を運んでいる人の話を聞き、パニックを起こしていた。
死んでる?????死体?誰のこと?
ガラガラガラと運ばれて行くと急に止まった。ガタンッ
コンコンコン
「失礼します。黒髪少女の死体をお持ちします。」
「あぁ〜入れ。」
男性が一言伝えると、また再びガラガラガラと運ばれていく。
部屋の中には馬車が置かれていた。
オークションは合法ではあるが参加をしている者が善良な者とは限らない。
そのため契約の売買や取引は異空間と呼ばれる場所でやる事が多い。
異空間にはオーナーと購入者、許可をした者しか入室は出来ない。
また退出するときは、購入者の指定した場所へ送ることが出来る。
馬車の前で立つ男に
「レイブル これを慎重に馬車に入れろ。」とフードの男が声をかけた。
「ハッ」
台車のままガシッと持ち上げられて、馬車に乗せた。
パタンッ馬車のドアの音が閉まった。
外では「これで完了と致します。特殊なフィルターで包んでいるため、劣化することはありません。しかし乱暴に扱われますくと劣化する恐れがありますのでお気をつけ下さい。その時はまたこちらへ来てもらわなければなりません。」
「あぁわかった。」
それだけ伝えると御者に馬車を出すように合図をし、先程とは反対側にある扉が開かれた。
開かれたのと同時にフードの男と部下は馬に乗って並走して馬車とともに走り去った。
それを最後まで見送ると扉を静かに閉めた。
扉があった場所が消え、通常の部屋へと戻った。
静まり返った部屋のなか
「オーナー先程のお方は···誰だったのでしょうか?」
と部下が質問をしてきた。
オーナーも考えた。フードで分からなかったが心当たりがあった。
指定された場所もその人物の領地付近であった。
あれは確か···黒に異様に執着していた方のはず···と考えたが、「詮索して言い方ではない。戻るぞ。」と部下に声をかけ、戻っていた。
今日の売上はオークション史上1番の売上高となった。
ーーーーーーーーーー
その頃馬車の中では
千織は色々なことを思い出していた。
自分が轢かれたこと、山の中で目覚めたこと、怪我が消えていたことなど・・・ここまでは理解ができた。というよりも理解しなければいけない状況だった。
流石にあの状況で助かるわけがないし、怪我がすぐ治る何て事もありえない。
そして長いこと寝ていた気がするのにお腹が空かない···自分に何かが起きたと悟った。
だかそれでも先程の会話は全く何を言っているのかわからなかった。混乱を極めていた···
パカラッパカラッと外から聞こえる馬の音と自分の物凄く早い心臓のドクドクドクという音が頭の中に響いた。
ドクドクドクッ·····
何処かに連れて行かれてる······
困惑はしていたがこの後のことを考えると、今の状態がどのような状況なのか仮説を立てることにした。
仮説を考えれば逃げることも、戦うことも出来るかもしれないと···
まず
①本当に死んでいる。幽霊となり身体に執着している。
②他の世界に転生か転移をして、予期せぬ状況に陥ってる。仮死状態など。
③生きているのに死んでいると思われている。
この3つに絞った。そしてこれからどのような行動をするか考えようとした時にヒヒーンと馬が鳴き、馬車が止まった。
もう着いてしまった。
ヤバい···どうしよう
どうしようどうしよう···と悶々と考えている最中に馬車の鍵がガチャと開く音が聞こえた。
プチパニックになった千織は、死んだふりを継続することに決めた。
ガチャガチャッ
カツンッカツン···足音が響く。
「レイブル慎重に運べよ!」
「かしこまりました。ただ閣下!!!後で問い詰めますからね。」
慎重に遺体を馬車から下ろし、その上から布をかけた。周りから見えないようにしながら、ガラガラと台車を押しながら城へ向かって歩き出した。
「お帰りなさいませ。坊ちゃま レイブル様」
家令が出迎え、城の主に声をかけた。
「あぁ帰ったぞ。」
来ていたマントを従事者に渡し、家令とレイブルと共に執務室へ向かおうとしたところ、
「レイブル様 そちらお預かり致しましょうか?」と家令が声をかけた。
レイブルより先に
「俺が運ぶ」と答え、無理やりレイブルから台車を奪うと自分でそのまま執務室へ運んだ。
その様子を見て家令はあまりの出来事に驚いた視線を向け、レイブルは困った顔をした。
ガラガラガラガラ····廊下は台車の音だけが響く。
あっという間に執務室へ着くと、従事者にお茶を頼み家令にも着席を促した。
初めは戸惑った家令だったが、渋々と席についた。
お茶が届き一口飲むと、城の主が口を開いた。
『死体を買った。』
家令は目を見開き口をハクハクと動かし、従事者はギョッとした。
レイブルは頭を抱えた。買ったのは分かっていたが心のどこかで嘘であってほしいと思っていた。
暫く静寂が続き···
家令が声をかけた。
「ぼぼぼっちゃま···よく分からなかったのですがもう一度言ってください。」
普段冷静沈着な家令が慌てた。
「だから死体を買った。俺の後ろにあるだろう。赤い布に覆われてるやつが!!」
っへ?と何処から出たのか分からない声を出し、思わず家令は飛び上がった。
「坊ちゃまどういうことなのでしょうか?本日は訓練ではなかったのですか?」
「あぁ今日は他国のオークションに参加をしてきた。」
家令は意味がわからず困惑をしていた。
それに助け舟を出したのがレイブルである。
「お前が珍しくオークションに参加すると言うから着いて行ったがどういうことだ?なぜ死体なんて購入した?」
普通隣国間の移動は陸地なら馬車や馬、海なら船、空は空飛ぶ魔物馬車しか交通手段がない。しかし今回は城の主の転移魔法でレイブル含め御者まで運んだ。
転移魔法には膨大な魔力を必要とするため、城の主ぐらいにしか出来ない力技である。
「黒髪の死体について事前に知っていて見に行ったんだよ。俺がどれだけ黒髪黒目に憧れているか知っているだろう?」
そう。この城の主は黒髪黒目を子孫に持つと言われ昔は崇められていた。
この国でも黒目黒髪の話は有名であった。
ただ時代と共に黒目黒髪は物語だけの話となり、城の主は子供の頃虐められていた。
子供時代 騎士宿舎で
「お前のどこに黒目黒髪が混ざってるんだ?」
ハハハ
「嘘つくじゃねぇよ」
ドンッ突き飛ばされ、
「黒目黒髪は居ないんだよ」ドンッと殴れた
よく笑いものにされ、反抗すると先輩達に暴力を振るわれた。
確かにもう何百年と前の話であるがために、似ているところはどこも残っていない。
髪はむしろシルバーである。
それでも自分の祖先が誇りであった。
そのため黒目黒髪に並々ならぬ執着を抱えていた。
「あぁ知っているぞ。それでもだ···死体を購入する必要があったのか?」
レイブルが問いかけた。
それは城の主も思った。購入する予定はなかった。ただ偽物か確かめたかっただけだった。
だか幕が上がり、黒髪の少女を見た瞬間恋に落ちてしまった。
あれほど美しい髪の毛や顔は初めて見た。
私の周りには地位を目当てに疎ましい女がたくさんやってくる。
もちろんその中にはキレイな女もいたが、この黒髪の少女はキレイや美しいで片付けられないような存在だった。
そのため思わず購入し連れ帰ってしまった。
「買う予定はなかった。ただこの死体を気に入ってしまった。」と正直に告げた。
レイブルが顔を顰めて
「分かりました。ただ死体とは結婚できませんよ。」と言った。
家令は驚いた顔をした。まかさ···と。
「そんな事は分かっている。見てるだけでいい。これは誰にも触らせない。私の寝室へ運ぶ。」
「坊ちゃまそれは行けませぬ。せめて部屋の入口まででございます。」
家令が慌てて声をかけた。
「それなら私は見合いをしない。レイブルお前が見合いをしろ。その子に跡を継がせる。」
レイブルは唖然とした。そこまでこの死体に入れ込む気持ちが理解できなかった。
「何を言ってるのですか?坊ちゃま。そんなことは旦那様がお許しになりませんよ。」
と慌てて家令が叫ぶ。
「レイブルも家の血が入っているだろう。俺に見合いをさせたいなら寝室に入れる許可をしろ。」
苦虫を噛み潰したような顔になった家令だが渋々認めた。
その後説明が終わり、城の主は早速寝室に運び込んだ。
そんな会話がなされている間、千織はずっと眠っていた。
馬車を降りたところまでは起きていたが、慣れない馬車移動と急激な環境変化によって気を失うように眠った。
先程どんな会話がなされていたのか把握していなかったため、後々勘違い事件に発展する。
次に起きたのは早朝だった。
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