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憧れの診療所勤務!  作者: 赤坂秀一
第五章 性別適合手術
41/55

41 山岡大学病院へ行きます

お待たせしました第41話を更新しました!


飛鳥の姉の結婚式も終わり、次は奏音ちゃんの手術です。無事に終わると良いんですけどね!

 姉の結婚式が終わってひと月が経った頃、姉から荷物が届きました。どうやら新婚旅行のお土産みたいですけど何処に行ったのかな?

飛鳥(あすか)先生、お土産何ですか?」

 何だか(しずく)が一番楽しみにしてますけど、あっ、これは……

「あっ、マカダミアナッツチョコだ!」

 という事は、やっぱり定番のハワイへ行ったようです。

「先生、これってダンデライオンのチョコですよ!」

 えっ、それって…… サンフランシスコってこと!

「お姉さんはアメリカ西海岸に行ったんですね!」

 雫はそう言いますけど、うーん、どっちだろう…… 普通に考えればマカダミアナッツはハワイですよね、でもダンデライオンはサンフランシスコ…… どっちに行ったんだろう? まあ、どっちでも良いんだけどね。

「あっ、それチョコレートですか?」

「あっ、華純(かすみ)さんだ!」

「はい、姉からのお土産が届いたから、みんなでお昼に食べましょうか」

「はい!」

「はい、ありがとうございます」

 訊いてないのにやっぱり雫が一番張り切っている返事ですね…… でも華純さんのあの笑顔も楽しみという感でしょうか。でも、江下(えした)先生は……

「みなさん休憩室でどうしたんですか! まだ診療時間中ですよ」

 いや、別にサボっていた訳じゃ……

「江下先生、私の姉から新婚旅行のお土産を送って来たから確認してたんですよ!」

「えっ、お土産ですか、中身は何ですか?」

 江下先生もやっぱり気になってますよね。

「江下先生、チョコですよ!」

 もう、雫は本当に楽しみで仕方ないみたいです。

「それでお昼休みにみんなで食べようかって話していたんです」

「あっ、はい! それは楽しみですね」

 そういう事でお昼休みが楽しみです。

『プルプルプルプル……』

 あっ、私のスマホが鳴っています。

「はい、今村(いまむら)です」

『あっ、馬場(ばば)ですけど』

 あっ、山岡(やまおか)大学病院の馬場先生ですね!

「先生、どうかされましたか!」

『飛鳥先生、五条拓哉(ごじょうたくや)さんの事ですが、今二次性徴抑制治療はしているんですよね!』

「はい、していますけど……」

『解りました…… 夏休みの日程はまだ判らないですか』

「えっと、今日治療に来る事になってますので訊いてみますね」

『ええ、お願いします。もしかしたら承認をもう少し遅らせた方が良いかも知れないので……』

「どういう事でしょうか?」

『はい、大丈夫とは思いますが、承認の後に二次性徴抑制治療をした場合、混合治療になるかも知れないので…… それにこちらでも検査をしますので……』

「あっ、はい解りました。夏休みの日程が判れば、また連絡します」

 えっと、二次性徴抑制治療も混合治療に…… でも、まだ承認は無いので、多分大丈夫だと思うんですけど…… そして、午前の診療が終わりました。でも、馬場先生のさっきの話が気になります。その所為かお昼ご飯も、姉のチョコレートも喉を通らなくあまり楽しめない感じです。


 お昼休みも終わり、午後の診療が始まって、すぐに奏音(かのん)ちゃんが来ました。

「先生、奏音ちゃんです!」

「はい、診察室へお願いします」

 すぐに奏音ちゃんは診察室へ入って来ました。

「先生、こんにちは!」

「奏音ちゃんはいつも元気だね!」

「だって、来週から夏休みですから!」

「えっ、来週?」

「はい、二十日にロングホームルームがあって終わりです」

「ちょ、ちょっと待ってね!」

 私はすぐに馬場先生に電話をしました。

『はい、馬場です』

「あっ、馬場先生、二十一日です」

『えっ、何がですか!』

 あっ、いきなり言っても判らないですよね……

「あの、五条さんの夏休みが七月二十一日からです」

 私がそう言うと……

『解りました! それじゃ、いつこっちに来れるかを確認してから、また連絡を下さい』

「あっ、はい、解りました」

 という事で電話は終わりましたけど……

「飛鳥先生、注射しても良いですか?」

 雫はもう注射の準備が出来てやる気満々です。

「あっ、うん…… 大丈夫」

 なんだか会話が変ですよね……

 治療が終わった後、奏音ちゃんのお母さんにも診療所へ来て頂きました。

「あの、何かあったんでしょうか……」

「いえ、今月の二十一日から夏休みが始まると聞きましたので手術の日程を決めないといけませんので……」

「はい、その事なら二十一日の朝から出発しようと話してはいたんですけど……」

 はあ、五条さんは初日から行くつもりではいたみたいです。私は、その事を再び馬場先生に連絡しました。これで日程も大丈夫ですね!


 奏音ちゃんの夏休み初日、奏音ちゃんとお母さん、そして私は新幹線で移動中です。お昼過ぎには山岡大学病院に到着する予定ですけど……

「飛鳥先生、GnRHアゴニストの注射は、もうしないんですか?」

 奏音ちゃんはお薬の名前まで覚えているようです。

「うん、GIDの承認が出たから、あとは手術が終わってからかな」

 そうGIDの承認を昨日頂きましたので、彼女の手術をした後に本格的な治療が始まります。ここで、注射による治療をすれば、全てが自由診療になってしまう可能性があるので、まずは手術です。

「先生、ご飯は駄目なんだよね」

「うん、病院に着いたらすぐに検査だからね!」

「検査が終わったらご馳走食べれる?」

「うん、もちろん」

 とは言ったものの、実際手術の前日は絶食なはずですよね…… まあ、そんな話をして奏音ちゃんの空腹感を忘れさせながら移動し、山岡駅に到着、ここからはタクシーで病院まで行きました。

「先生、駅から病院はそんなに離れていないんですね」

「はい、以前私が研修に来た時は歩きましたから」

 お母さんからはそう訊かれましたけど、空腹の奏音ちゃんにこの距離を歩かせるのはちょっとキツイでしょうね。

 病院に到着後、私は受付に行きます。

「すみません、清川村立病院から来ました今村飛鳥ですけど、馬場先生をお願いします」

 すると、受付のお姉さんはカタカタとパソコンのキーボードを叩いた後に……

「ジェンダーセンターでご予約の五条拓哉さんでよろしいでしょうか」

「はい、そうです」

「では、ここを真っ直ぐに行かれてジェンダーセンターの方へどうぞ」

 そういう事で、受付もスムーズに終わり、センターの方へ行くと馬場先生がお待ちでした。

「ようこそ、今村先生」

「馬場先生、またお世話になります」

 そう、挨拶をしている時にもう一人の先生が……

「早速ですが検査をしますのでこちらへお願いします」

 そう言って奏音ちゃんを連れて行きます。

犬崎(いぬざき)先生、そんなに急がなくても」

「いえ、お願いします。奏音ちゃんは朝から何も食べていませんので……」

「あっ、そうでしたか、それでは早速!」

 奏音ちゃんとお母さんは検査室の方へ行ってしまいました。

「では、今村先生はカンファレンス室へお願いします」

「はい」

 馬場先生と一緒にカンファレンス室へ行くと……

「飛鳥先生、久しぶりだね!」

 うっ、この独特の低い声は……

猿渡(さるわたり)先生、ご無沙汰しています。また、お世話になります」

「今回も手術は助手で入るんだろう」

 えっ、MTFさんの手術はやった事がないので……

「いえ、今回は……」

「やんなよ! 第二助手で良いからさ」

「でも……」

「何でも経験だよ!」

「はあ……」

 こうなると、もうどうにもならないです。馬場先生も見て見ぬ振りをしています。

「あの、猿渡先生が執刀医なんですか」

「ああっ、私は婦人科だよ! MTFの手術なんだから執刀医は泌尿器科の犬崎先生だよ! 私は第一助手なのFTMの手術とは逆なんだよ」

「でも、SRS手術なんですよね、形成の先生は執刀しないんですか」

城島(きじま)は切除の後に変わるんだよ、そうだよね!」

「はい、そうですね」

 えっ、この人が城島先生だっけ……

「あと、穴を作るかどうかですよね」

「えっと、穴ですか?」

「飛鳥先生、アソコだよ! あんまり言わせないでおくれよ、私もちょっとは恥ずかしいんだから」

 猿渡先生も恥ずかしい事とかあるんですね…… あっ、これを言ったら怒られそうですけど……

 この後、手術の手順や方式などを話し合いました。手術は明後日の二十三日の朝からあるようです。MTFさんの場合もまた大変そうな手術ですね。

 奏音ちゃんはというと検査の後に病院のレストランでようやく食事にありつけたようです。その後、病室でゆっくり休んでいるようですけど……

「奏音ちゃん、疲れてない?」

 私はベッドに寝転んでいる奏音ちゃんに声を掛けました。

「はい、大丈夫です」

「うん、検査の結果も異常なしだから」

「はい」

「飛鳥先生、手術は明日するんですか?」

 お母さんからはそう訊かれました。

「いえ、明日は一日ゆっくりしてもらって明後日九時から手術です」

「はい、解りました」

「それと、手術の説明と承諾書の署名をお願いすると思いますので」

「先生も手術するの!」

 奏音ちゃんは私に手術室にいて欲しいのかな? でも、全身麻酔だから判らないと思うけど……

「うん、私も第二助手で手術室に入るからね」

 本当はそのつもりは無かったんですけど猿渡先生に言われると断り辛いですからね……

「飛鳥先生、よろしくお願いします」

 お母さんからはそうお願いされ、奏音ちゃんからは……

「飛鳥先生が手術してくれるなら安心だね!」

 そう笑顔で言っています。私は第二助手だからあまり期待されても……

 その後、手術の説明がありました。SRS手術で精巣と陰茎を切除したあと女性器を大腸法で作るらしいんですけど…… 凄い医療技術です人工的にここまで作れるとは、これで準備は出来ました。承諾書の署名も頂きましたので予定通り明後日手術です。この手術で奏音ちゃんは女の子に生まれ変わるんですね。

手術の準備も終わりいよいよ手術です!


第二次性徴治療と承認について、色々と調べましたが判らないところが多々ありましたので、ストーリー上の都合と私の理解した範囲で、ストーリー上承認後の第二次性徴治療がなされない限り手術は保険適用という事で話を進めます。間違っていたらごめんなさい!

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