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憧れの診療所勤務!  作者: 赤坂秀一
第四章 二人の受験
28/55

28 公務員試験と新人医師

お待たせしました第28話を更新しました!


いよいよ九月、樹君の公務員試験があります。まあ、問題はないでしょう……

 九月になりました。今月は晴翔(はると)君…… いや、(いつき)君の公務員試験があります。試験も近いし勉強大変なんだろうな…… そう思いに耽っている時でした。

「先生、晴翔君が来ました」

 えっ、晴翔君!

「先生、こんにちは!」

「いや、勉強は良いの? 試験は今月だよね……」

 いや、私が慌ててどうする…… しかし、心配です。

「先生、大丈夫ですよ! 樹がそう言ってますから」

「でも、不安じゃないの?」

 私はそう言いますけど……

「試験を受けるのは僕じゃないですから、それに樹もこんなのは大学受験に比べたらなんて事は無いって言ってましたから」

 そうなんだ…… 私なんか試験と聞いただけで、凄く心配だったけど…… まあ、高校や大学の時の話ですけどね!

「あっ、そうだ折角だからノートを見せて!」

「あっ、はい」

 そう言って私は、行動日誌を見せてもらいました。話の内容は、樹君の大学受験や今月ある公務員試験の事が主に書かれています。晴翔君は樹君が昨日夜遅くまで勉強してたのを気にしてるようです。(りん)ちゃんは樹君にあんまり無理しないように言ってるようです。(みなと)君は勉強の邪魔にならないように気を遣っているようです。やっぱり三人とも気にしているんですね!

「それで、今日はお薬だっけ?」

「はい!」

「うん、どんな感じ? お薬を飲まないと積極的にはなれない?」

「うーん、偶に飲むのを忘れたりしますけど…… さほど変わらないと思いますけど」

「そうか、それじゃお薬の量を減らしてみようか!」

「やっぱり、まだ飲んだ方が良いですよね……」

「うーん、そうだね…… 今は朝と晩の二回だよね」

「はい」

「それじゃ、朝だけにしてみようか!」

「でも、大丈夫なのかな……」

 流石に晴翔君も心配なようです。

「朝だけだと、今以上に飲み忘れそうなんですけど……」

 あちゃ、そっちの心配な訳ね…… 私は額に手を当てます。

「とにかくそれで様子を見て、また陰になりそうな時はお薬をもとに戻すから」

「はい、朝だけだと余計に忘れそうですけど、がんばって飲みますね!」

「まあ、忘れないのが一番だけど、忘れた時は思い出した時に飲んでね」

 何だか変な事になりましたけど……

「ところで先生、奏音(かのん)ちゃん来るんですよね!」

「あっ、そうか! 今日は注射の日か」

「奏音ちゃんから診療所へ行くってLINEが入っていたから」

 うーん、二人はそういう仲なのね。

「試験勉強も教えているんですよ!」

「えっ、晴翔君が……」

「違いますよ! 樹です」

「なるほどね」

 そこは、納得です。

「あの、飛鳥先生、奏音ちゃんが来ましたけど……」

 華純さんがカルテを持って来ました。

「あっ、ちょっと待ってね! それじゃ晴翔君は待合室へ行ってね」

「えっ、一緒でも良いですよ」

 えっ、晴翔君は何言ってるのか……

「駄目よ! 待合室へ行きなさい」

「でも、試験勉強も見る事になってますから」

 まったく、ここを何だと思っているのか……

「待合室で勉強したり、おしゃべりするのは良いけど、診察室は駄目! あと他の患者さんの迷惑にならないようにね」

「他の患者さんですか……」

 まあ、他の患者さんはあまりというか、いないですけどね…… そこで晴翔君と奏音ちゃんが交代するかたちで診察室へ入って来ました。

「奏音ちゃんは注射だよね!」

「はい」

「どう、気分が悪くなったとかない?」

「無いですよ! いつも訊かれますけど、そういう事ってあるんですか?」

 反対に訊かれてしまいました。まあ、まだ第二次性徴抑制治療だからそういう事はあまり無いかな……

「そうね、でも人によってアレルギーが出たりする人もいるみたいだから」

「そうか……」

「雫、注射をお願い」

「はい」

 私は注射をした後、カルテの整理をします。忙しいと置きっぱなしになるので、暇な時に整理しないと無くしたら大変です。

「奏音ちゃん五分くらいは休んでいてね」

「はーい」

 そう可愛く返事をした奏音ちゃんですが……

「飛鳥先生、もう一人の先生は大学病院へ帰っちゃうんですよね!」

 もう一人の先生って、玲華(れいか)のことだよね。

「えっと、そうだね! あの先生は一年間の特別研修だから」

「えっ、研修ってあの先生は大学を卒業したばかりなんですか?」

「ううん、私と同じ歳だよ、同期だから」

「それなのに研修医なんですか……」

 いや、だからそうじゃなくて……

「だから、特別研修なんだよ!」

 まあ玲華の場合、色々と事情があるんですけど…… それは奏音ちゃんや晴翔君には関係無いことです。これは玲華の個人情報ですしね!

 この後二人は、待合室で勉強を始めました。別にここじゃなくてもとは思いますけど…… この村に図書館がある訳でもないし、仕方ないかな…… それに変な事をしてる訳でも無いから良いかな。


 そして、樹君の公務員試験の日が来ました。試験会場は意外にも南川上町の中央公民館です。今日、一次試験があって合格者は二次試験を受けるらしいです。ちょっと心配ですけど、まあ大丈夫でしょう。

 その日の夕方、私は(しずく)と一緒に温泉街へ来ています。お目当ては、以前晴翔君から聞いたプリクラです。

「先生、何だか懐かしいです。高校や大学の頃よく友達と撮ってましたから」

「そうだね…… でも、美白機能とか落書き機能とか必要?」

「面白いじゃ無いですか! 簡単に顔を変えられるし、何だかプチ整形みたいですよ」

 なるほど、瞳をぱっちりにすると……

「先生って可愛くなりますよね!」

 嬉しいんだけど…… やっぱり綺麗になりたい…… 前に慶子(けいこ)先輩や玲華に綺麗を目指さないとと言われてから、可愛いはちょっと、封印してますから……

「雫だって充分可愛くなってるよ!」

「うん、私ってこんなに目を大きくすると可愛くなるんですね!」

 まあ、実際にはありえないし、これって少女マンガの世界だよね……

「あっ、飛鳥(あすか)先生!」

 私と雫がプリクラから出たところで晴翔君…… いや、凛ちゃんと出会いました。

「試験は終わったの!」

「はい、樹の話では余裕だったそうです」

「そうか、それじゃ今度は二次試験だね」

「はい、それよりなにしてたんですか?」

「えっと、プリクラをちょっとね……」

「へえー、先生もやるんですね」

「そりゃ、私だって、可愛いのは好きだから……」

 何だか恥ずかしくなります。

「先生、折角だから一緒に撮りませんか?」

 まあ、そういう事で私達三人はプリクラでプチ整形をして可愛くなった写真を撮りました。可愛いけど…… これは、絶対にありえないです。


 十月になり清済会系の川本総合病院から応援の先生が二人来ました。何故なら玲華が今月一杯で大学病院へ戻ってしまうからです。一人は江下美雪(えしたみゆき)さん内科の先生です。私と一緒に診療所で勤務します。もう一人は栗山航平(くりやまこうへい)君彼も内科の先生です。村立病院で玲華の手解きを受けます。大丈夫かな…… 彼は何だか気が小さい感じがしたんですけど…… それに二人共、私達より二つ年下なんですよね…… 多分、二人とも研修が終わったばかりじゃないのかな……

「ねえ華純さん、今日は久々に温泉へ行きませんか!」

 私がそう誘いました。

「はい、良いですね、江下さんも一緒に行きませんか?」

「えっ、私ですか……」

 彼女は何だか悩んでいるようです。

「うーん、そうですね…… 行きましょうか……」

 やっぱり……

「江下さん、どうかした?」

「あっ、いえ、何でもありません」

 その時、玲華も村立病院から戻って来ました。

「玲華、私達温泉に行くけど……」

「うん、私も行く!」

「あれ、栗山君は?」

 私が訊きましたけど……

「あっ、あいつはアパートへ帰ったよ」

「ふーん、そうなんだ」

「でも、食事とかどうするんでしょうね」

 華純さんもちょっと心配しています。

「あの、温泉は何時くらいに行くんですか」

「えっと、十一時前かな…… 温泉の営業が終わってからだから」

「それじゃ、食事に行って来ます」

 えっ、食事ってどこに行くんだろう……

「江下さん、食事は何処に行くの? この辺は何も無いから一緒に食べない」

 華純さんがそう言いますけど……

「あっ、いえ、インターの側まで行けば食べるとこはありますから」

 えっ、今から四、五十分掛けて南川上町まで行くの…… 私がそう思っている間に彼女は車で行ってしまいました。

「みんなで一緒に食べれば良いですのに」

 雫もそう言いますけど……

「今の若者は一人の時間が欲しいんだよ」

 玲華は解ったようにそう言いますけど……

「でも、私達とそんなに歳は変わらないよね」

「飛鳥、年齢じゃなくて大学や研修先の病院でそうなったんじゃない! 研修医に冷たく接する先生もいるから」

 そうなのかな…… 私が研修医の頃は、みんな仲良くして頂きましたけどね……


 その日の夜、私達はいつものようにえびす屋さんへ行きました。

麻子(あさこ)さん、またお世話になります」

「飛鳥さんいらっしゃい! あら、新しい先生?」

「あっ、はい、玲華先生も帰っちゃうので……」

「そう、玲華さんも来てるのね!」

「ええ、いますけど……」

「それじゃ、今日はサウナ付きの内風呂と露天の方へどうぞ!」

「はい」

 そして、私達はまず露天風呂の方へ行きました。

「あの、サウナとかあるんですか」

 江下さんが初めて私達に自ら声を掛けます。

「うん、内風呂のところにあるけど」

「私、ちょっと行って来ます」

 えっと、本当、ひとりが好きだね……

 

 私達が充分温泉を堪能して、ロビーへ戻って来た時でした。

「玲華!」

 えっ、如月(きさらぎ)先生!

「どうしてお母様が……」

「玲華、ちょっと良いかしら」

 玲華は如月先生に連れて行かれました……

玲華先生が今月一杯で大学へ戻るので新人の先生が二人、清済会系の病院から来ましたけど…… なかなか馴染んでくれないです。そんな時、温泉で如月先生と出会いました。玲華も私達もびっくりです。また、玲華を連れ戻すつもりでしょうか……

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