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5ー15

 次の週、マノさんからメールが届いた。


 そのメールには「先生からのメール、読みました。温かい言葉に胸が熱くなり、何回も読み返してしまいました。先生が味方でいてくれて私は心強いです。では、報告します。この土曜日にレイさんの実家に挨拶に行ってきました。緊張しましたが、ご両親も温厚な方のようで、夫婦仲のよい感じが伝わってきました。彼が育った家庭に安心でき、同時に少し羨ましくなりました。そのご両親にどこまで私の事情を話そうか迷っていましたが、なかなか切り出せず、そんな様子が不自然に映ったのでしょう。とうとうご両親の方から何か言いたいことがあるのではないかと問われ、結局レイさんに説明させる事態になってしまいました。決まりが悪いことこの上なかったのですが、どんな形であれ、ここで話せてよかったです。とりあえず、胸のつかえがおりました。最後に、お互いの家族が良好な関係を築けるよう、私たちが最大限努力すると伝えました。ご両親は、信頼すると言ってくれました。気を引き締めたいと思います。以上が、この土曜日にあったことになります。次は私の家族にレイさんを紹介します。恐れてはいません。先生から貰った言葉がある限り、頑張れる気がします。いい報告をしたいと思っているので、待っていてください」と。


 私は「言葉の端々から頼もしさが感じられます。成長されましたね。私から言えることはもうないでしょう。頑張ってきてください」と送った。


 そのまた次の週、マノさんからメールが届いた。いよいよこの婚活も山場を迎えた。マノさんとその家族、そしてレイさんは、いったいどうなったのだろう。私はそのメールを開いた。


「報告します。土曜日にレイさんを私の家族に紹介しました。前日に私が結婚相談所に通っていることと相手を連れてくることを伝えたところ、そこまで驚かれはしなかったです。私の姉が結婚して離れた場所に住んでいることもあり、耐性がついていたのかもしれません。当日は特に反対されることもなく、レイさんを受け入れてくれました。紹介が済んだあとは家で食事をしました。父とレイさんはお酒を飲み、私と弟や妹は母が作った料理を食べながら話をしました。レイさんと私の家族が打ち解けるのは早かったです。彼は常に会話の中心にいて、全員に話を振ることを心掛けていました。それを見ていたら、家族に対する見方が変わっていくような気がしました。私は家族とのコミュニケーションを怠けていただけだったのかもしれません。父への苦手意識はいまだに消えていませんが、それでもこの弱さを、いつの日にか克服したいと思います。ここから、私の努力の日々が始まるのだと思います」と。


 つづいて「実はこの日の夜、レイさんを車で送り届けたあと、彼からプロポーズされました。もちろん、私は受けました。私にとってレイさんはかけがえのない存在です。私の人生には彼が必要です。でも、客観的な立場からの意見も欲しいです。先生からはこの結婚はどう見えるでしょうか。ぜひ意見を聞かせてください」と。


 私は「レイさんからプロポーズのことばをいただけたと聞いて、私もたいへん嬉しく思っています。出会って三ヶ月も経たずにここまで来られたのは、お二人の相性がよかったからだと、そばで見ていた私は思います。なにぶん私も思い入れが強すぎて、客観的に見えていないのですが、お二人ならば、結婚生活にどんな困難があっても乗り越えていけると信じています。事務的な話になりますが、結婚を決断されたのであれば、成婚退会の手続きを考えていくことをおすすめします。分からないことがあれば何でも聞いてください」と送った。


 マノさんから「先生、返信ありがとうございます。私の胸の中では、先生から頂いた言葉が温かく宿っています。何よりの自信になります。どんな時もこれを励みにして、頑張っていこうと思います。相談なんですが、このあとの手続きについて、具体的にどうしたらいいでしょうか。教えていただけませんか」と。


 私は「私もマノさんの婚活が実を結んだこと、ご同慶に思います。さて、このあとですが、お二人には成婚料をお支払いいただき、退会手続きをとっていただくことになります。重要書類の返却もしたいので、一度レイダンにお越しください。会費を節約するためにも、早めの方がよいかと思います。どうなさいますか」と送った。


 マノさんから「先生、もう雪は降らないのでしょうか。レイさんと話し合って決めたのですが、今週の土曜日の午後にレイダンに伺おうかと思います。先生のご都合はいかがでしょうか」と。


 私は予定を確認した。しまった。その日はちょうどモールコンが開催される日だった。二人そろって手続きしに来るからランも同席した方がいいだろう。私はマノさんに空いている時間を伝えるメールを送り、予定を考え直してもらった。その結果、退会手続きはモールコンの翌日、日曜日の午後にすることが決まった。



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