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5ー12

 私のパソコンが待望のメールを受信したのはそれから三日後だった。さすがに心配で、こちらから様子を尋ねてみようかと思い始めた頃だった。


 マノさんから「連絡が遅くなってすみません。今後のことを考えたら、なんだか気が塞いで、メールを書く気力が起きませんでした。お許しください。報告があります。今週末の土曜日にレイさんの両親に会うことになりました。今のところそれほど緊張はしていません。彼から穏やかな方々と聞いているからです。ただ、不安なのは私の家族にレイさんを会わせることです。来週の土曜日を予定していますが、今から憂鬱でなりません。入会のことや交際相手がいることも打ち明けられないでいます。どうしても会わないと駄目でしょうか。なぜここまで気が重いのかというと、それは、レイさんに恥ずかしくて知られたくないことがあるからです。私と両親の関係について。非常に言いにくいのですが、先生、どうか笑わないで聞いてください。実は私は、父と母のことを本人の前で『お父さん』や『お母さん』などと呼ぶことができないのです。いつからこうだったかはもう覚えていませんし、今さら変われるとは思えません。私は家族とさえうまくコミュニケーションがとれない、弱い人間です。私と両親のこの微妙な関係は子供を育てるうえでも望ましいとは言えないでしょう。きっと障害になる。やっぱり私は、家族とは縁を切るように、離れて暮らした方がいいと思うのですが、どうでしょうか。先生もいきなりこんなことを言われて戸惑うかもしれません。まだ時間はありますので、どうかそれまでに先生の考えを聞かせてください。よろしくお願いします」と。


 初めて耳にする話だった。マノさんも勇気を振り絞って告白してくれたのだろう。

 私はすぐには返信を書けなかった。どんな言葉を送るべきか迷い、やがて自分の力では行き詰まりを感じた。

 こんな時は積極的に誰かに頼ろう。私の頭の中で二人の人物の顔が思い浮かんだ。マノさんも待つと言っていたし、気分転換がてら外に出て、じっくり考えを煮詰めてみようと思った。

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