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4ー15

 それから私たちは三角形フロアのあらゆる洋服店を巡ってみたが、期待に添わずどのマネキンの前にもツバキ・スズメさんはいなかった。

 次に、二階には洋服店がない半月フロアを飛ばして宝珠フロアに向かった。ここは先に述べた通り、まるごとナイオンが展開するブランドの衣料品売り場になっている。

 ここでも、ツバキ・スズメさんを見つけることはできなかった。これでナイオンの一階、二階のフロアすべてを見て回ったことになるが、ツバキ・スズメさんの気配すら感じられない。他の参加者とすれ違ったという話さえ聞かない。奇跡的な行き違いでも起こっているのか。

 私たちは衣料品売り場を離れて、通路に設けられた休憩スペースのソファに腰を下ろした。

「さすがに足が棒になりましたよ」

「ええ、私も」

「こんなに探しても見つからないなんて、もうホラーですよ。俺は、いもしない人を追いかけているのでしょうか」

 オオタカくんは心が折れかけている。

「存在しない、なんてことはないと思いますが……」

 めったに出会えない幻の鳥、ヒマラヤハジロユキスズメ。注意深く観察しないと発見することは叶わない。私たちはどこかで見落としてしまったのか。

「もしかして俺、避けられてるんでしょうか。大師から俺のこと聞いても、会いたくなくて……」

「うーん、オオタカくん、何かした? 避けられる理由に心当たりは?」

「たぶん、俺が猛禽類だから……俺はオオタカ。タカはスズメを捕食する。自由に空を飛ぶのを阻害してしまう。だから……」

「いったんそのなりきり思考から離れた方がいいのでは……」

 とはいえ、その設定にこだわることを止めれば、何も手がかりがないことになってしまう。今は信じて動くしかない。

「オオタカくん。次は一階の服屋を……」

「あれ? モナミじゃないか」

 なんだか安心感のある、聞き覚えのある声が聞こえた。

「ロベール! どうしてここにいるの」

「僕がここにいることを禁止する法律はないはずだよ」

 いや、まあ、そうだけど。

「誰ですか?」

 オオタカくんが聞く。

「私の行きつけのカフェのマスター。すごいんですよ。何でも言い当てちゃうの」

「本当ですか? なんか軽そうな人ですけど」

「そんなことないって。意外と思慮深いところもあるから」

「へー」

「そうだ、ロベールに相談してみたらどう? 彼にはモールコンのこと話しても大丈夫だから」

「じゃあ……彼女の居場所を突き止めたりできます?」

 オオタカくんはまだ疑惑の目でロベールを見ている。

「彼女って? きみたち、面白そうな話のにおいがぷんぷんするね。説明してくれないかい?」

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