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4-8

 振り返ると、ジョー大師がそこにいた。

「おお。モナミどの。御苦労」

「大師? 何をしているんです?」

「ちょっと通りがかったものでな。おや、そこの御仁は……」

 大師はタンニンくんの方へ目を向けた。

 タンニンくんは目を輝かせている。

「ジョー大師! 本物だ! お会いできて光栄です!」

「もしや貴君は、『カキ・オオタカ』くんではないかな?」

「ええ、そうですけど」

「いやなに、貴君の名前は非常に素晴らしい。占っていて惚れ惚れしたものだ」

「本当ですか! ありがとうございます!」

「貴君に大事な話がある」

 突然大師にそう言われて、タンニンくんは緊張の面持ちになった。

「……何でしょうか」

「『ツバキ・スズメ』という人を探しなさい。拙僧が見た限り、貴君にこれほどまで相性がいい女性は他にはいない。もし二人が結ばれれば、二人の間には、必ずや器量と才能に恵まれた子供が誕生するであろう」

「マジですか! ツバキ・スズメ……」

「パーソナルカラーは緑・青・白の三色だ」

「その人が俺の運命の人なんですね」

「左様。ぜひ頑張ってくれたまえ」

 私は参加者の情報を流す行為に心配になって、大師に詰め寄った。

「ちょっと大師。こんなことをして大丈夫なんですか」

「彼は特別だ。しかし、このことが知れたら拙僧の立場も危うい。ここだけの話にしておいていただきたい」

 うーん、これはえこひいきでは。看過してはならない気がするが……。

「拙僧もモール内を見て回るつもりだ。運良く彼女に遭遇したら、彼女にも貴君のことを伝えよう」

「向こうも俺のことを認識するわけですね」

 タンニンくんにしてみれば、憧れのジョー大師に目をかけられて嬉しくないわけがない。舞い上がりたくなる気持ちも分かる。

「そこで、モナミどの。あなたに折り入って頼みがある」

「何でしょうか」

「彼についてやってくれぬか。運命の人に巡り会えたか、道中のことも含めて、第三者の目で、見たこと感じたことを後で拙僧に教えてほしい」

「それは、大師のためですか」

「拙僧のためだけではない。多くの人の、幸せのためだ」

 ちょっとずるいなあ。そう言えば私が納得すると思って。

「いいじゃないですか、モナミさん。その方が、俺も心強いです」

 大師は自らルールを破るほど、タンニンくんの行く末を気にしている。一体大師の目には何が見えているのだろうか。

 タンニンくんをそばで支えることが、タンニンくんの、ひいてはこれから「比翼連理」を利用する人のためになる。私はそう思い直して、折れることにした。

「うーん……はい。分かりました」

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