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新たな敵

 コロコロと変わる白髪の男の様に、ラウルたちは動揺を隠せない。だが、エルシュとシュミナールだけは頑なに厳しい顔をして睨んでいた。


「おっと、もうすぐ彼らの魔力がジャノスから取り出した魔力の結晶へ集まる頃かな」


 何かに気づいたように白髪の男は明後日の方向を見つめる。


「どういう意味だよ」


 噛みつくようにラウルが聞くと、白髪の男は空中に手をかざす。すると何もない所に突如映像が映し出された。


「これは……!」


 ダンロットが目を見張る。ダンロットたちがベルシエへ出立する時に見送ってくれた特級魔導師や一級魔導師たち、さらにはニアが円を描くように宙に浮き、一人一人の足元に魔法陣が様々な色で光っている。そしてその真ん中にジャノスから取り出された魔力の結晶が煌々と輝いていた。


 特級魔導師たちが上段に、一級魔導師たちとニアが下段に円を描くように浮いている。皆気を失っているようで目を瞑ったままだ。


「一体何をしやがった!あいつら無事なのか!?」


 ラウルが噛みつくように聞くと、白髪の男はチラ、と目線だけを向けて微かに笑う。


「さっきの僕の話聞いてなかったの?彼らはまずは生身の体でいることが条件なんだよ。今は魔力が結晶へ流れていってる状態。魔力が全部流れたら今度は魂も結晶へ流れていくけどね」

「それって結局は死ぬってことじゃねーかよ!」

「そんな……!」


 ラウルの言葉にサニャはショックのあまり両手で口元を覆った。


「許せない」


 白髪の男の言葉に、エルシュがそう言うとエルシュの周りに金色の光が集まってくる。美しい銀朱色の髪はふわりと浮きながら漂い、エルシュの瞳もまた金色に輝いていた。


「へぇ、また遺跡の中でつかった魔法を試すつもりかい?でもあれは今の僕には効かないかな」


 それに、と白髪の男は人差し指を顔の横に立ててにっこりと頬笑む。


「まずはこっちをどうにかしないとやばいんじゃないのかな」


 映像が切りかわり、今度は別の場所が映し出される。そこには皇帝ラドギウスを守るようにして剣を構える側近達と、その目の前には大きな大きな獣魔がいた。


「まさか、異獣魔!?」


 ライオンの様な姿に大きな角が生え、背中にはコウモリの様な翼があり、口から炎を吐き出している。


「本来は皇帝を守るために造り出され配置された異獣魔なんだけどね、守る相手を敵だと見なしちゃったみたい」

「どうせお前がそうなるように操ったんだろうが!」


 クスクスと楽しげに笑う白髪の男へ、ラウルが怒鳴る。


「とまぁそういうわけで、こっちを先に相手してあげてよ。終わる頃には魔導師たちの魔力も集まって、魂が流れるのが始まっている頃だろうから。それとも間に合わないかな?」


 そう言いながら白髪の男の体は突然現れた魔法陣の中へ消えていく。


「大聖堂で待ってるから早く来てねーっ」


 最後に手だけが残りその手がヒラヒラと振られると、その手も魔法陣の中へ消えていった。


「クソッ」


 ラウルが床を拳で叩く。


「早くしないとラドギウス様が危ないですね」

 

 ダンロットが苦々しく呟くと、シュミナールがおもむろにジャノスから受け取った巾着袋を出す。その中から翠玉色に輝く鉱石を取り出すと、突然真っ二つに割った。


「シュミナール団長!?」





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