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石版と鉱石の扉

 二つの扉を抜けて進むと、今度は先ほどよりも重厚そうな扉が現れた。


 目の前の扉には真ん中に透明の丸いクリスタルがはめられ、その周りには色々な形をした扉と同じ素材の石が円を描くように納められている。


 扉の手前の右横には石版と器がひとつずつ。器の中には赤、蒼、翠、紫など色とりどりの鉱石が無作為に置かれている。石版には扉にある石たちと同じ形の窪みがあった。


「この鉱石の形、石版の窪みと同じですね、綺麗……!」


 サニャが鉱石のひとつをとって上に翳してみる。


「この鉱石を石版に正しくはめれば扉は開くということか」


 シュミナールが腕を組ながらふむ、と考える。


「違う色で同じ形のものがいくつかあるけど、どこにどれをはめればいのかしら」

「とりあえずまた適当にやってみればいいんじゃねーのか」


 ラウルは鉱石の形が合う窪みに次々とはめていく。すると数個目で突然鉱石が光り、石版に光の筋が走る。


「この鉱石はここで正確ってことでしょうか」

「そのようだな」

「この調子で当てはめていけばいいってことだな。こっちは光ってないからここじゃない……と」


 ここはこれ、それはこっち?と皆で試行錯誤しながら次々に鉱石を当てはめ、鉱石が次々に光っては石版に光の筋が通る。


 最後の一個を入れると全ての鉱石が光り、石版に見事な光の筋の模様ができた。だが、扉が開く気配はない。


「全部正しく当てはめられてるようだけど開きませんね」

「何かが間違っている……?」


 ダンロットが不思議そうに石版を眺めるがおかしな箇所はなさそうだ。皆が石版を眺めている横で、じっと扉を眺めていたシュミナールが突然扉の真ん中にあるクリスタルに触り、取った。


「えっ?それ取れるんですか?」


 エルシュが驚くと、シュミナールがそのクリスタルを石版の真ん中の丸い窪みに入れる。それは綺麗に一致した。


 クリスタルが納まった瞬間、石版の鉱石の光と光の筋は消え、そのかわりに扉のクリスタルがあった窪みから石へと伝って光の筋が石版同様に扉全体へ走っていく。


 すると、扉がゴゴゴ……と重苦しい音を立てて真ん中から両側へスライドしていった。


「クリスタルが最後の鍵のひとつだったんですね」

「石版の真ん中に丸い窪みがあるのが気になっていたんだ。扉にある他の石は扉と同じ素材の石なのに、真ん中だけクリスタルだったからな。もしかしたらとは思ったんだが」


 シュミナールが言うと、なるほど!さすがは団長!とダンロットが嬉しそうに笑う。


「これで次に進めますね」

「まだこういうトラップがあるんでしょうか……」


 とほほという様子でサニャがぐったりすると、ラウルがその頭をポンポンと優しく叩く。


「まぁめんどくせぇけどこんだけ知恵のある奴らが集まってるんだからなんとかなるだろ」

「考え無しに行動するのはラウル先輩だけでじゅうぶんですものね」


 エルシュがやれやれというジェスチャーをするとラウルがエルシュを小突く。


「なんだよ、勢いは大事だろーが」


 エルシュとラウルがワイワイ騒ぐのを見ながら、サニャは嬉しそうに微笑みながら言った。


「そうですね、皆さんと一緒ならきっと大丈夫です」




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