人はそうそう変われない
「この度は申し訳ございませんでしたっ!」
そういって私たちの前で土下座するのはダインス伯爵子息のレイヴンです。
先ほどちらりと見えた顔には決闘とは別で受けた傷の手当を受けた後もあり、よほどご家族に絞られたのだと思われます。
反省しているというのであればこれ以上私も何か言うつもりはありません。
ただ、一つだけ思うのは―
「あれってもしかしてレイヴン?」
「本当だ、こんな道のド真ん中で土下座してるよ。」
「最近騒がしかったものね。」
学園の正門の真ん中でこんなことしないで欲しいということです。
私もヒルデも余りの衝撃に顔を顰めてしまったのはお許しください。
「……そろそろ道を開けてほしい。」
「お許しいただけるのですか?!」
「いえ、それ以前に他の方にも道の邪魔ですしそろそろ始業の時間も近いですからまた後にしませんか?」
「はっ、失礼いたしました。それでは後ほどお伺いします。」
「いえ、伺わなくてもよろしいですが……もう行っちゃいましたか。」
「……反省しても相変わらず話を聞かない。」
すぐに土下座の態勢から姿勢を正したかと思うと言いたいことを告げてそのままその場を去っていきました。
その後程伺うというのがいつ来るのかわからないというのは正直怖いものです。
また何か変な誤解が生まれるのも嫌ですし、私もヒルデも正直苦手意識があるというのも相まって会うのは心の準備が欲しいのです。
静かに二人でため息をついていつ現れるか分からないあの暴走子息を常に気を張って授業を受け、待つことにしました。
いかがだったでしょうか?
また明日更新予定ですのでお楽しみに!
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